大人の友達のつくりかた
私はせっかちで、ゆっくりじわじわが苦手だ。
マニキュアは乾くまで待てずにぐちゃぐちゃになるし、肉は強火で焼いて焦がすし、抱っこした赤ちゃんをゆっくりベッドに着地させることもできない。
それはさておき、私はいつも友達が欲しい。
友達なんて要らないとうそぶくこともあるけど、多分ほんとはいつも欲しい。
最近気がついたことだが、私は友達を作るのも苦手だ。
幼稚園児の頃の自分のホームビデオを見た。早くも友達とうまく馴染めず妙な空気を作り出していた。ショックだった。
小学生の頃の記憶は曖昧だが小学3年生以降できた友達は2.3人で、クラスが離れたり、引っ越したりしていつも孤独だった記憶がある。
中学生では、自分から積極的に話しかけてみたがなにせ友達作りの経験がないので、直観でエイッと選んで『この子と友達になる』と決めて距離を詰めて、違うなとなれば離れていた。相手からすれば急に態度が冷たくなるので、訳がわからなかっただろう....もちろん相手から「要らない」という態度を取られたこともあった。
『友達』への理想も高くて、仲良くなるとと何もかも価値観があって気が合う最高の友達ができたと思い込んでしまっていた。だから、思っていたのと違う...となることもあって、また急に距離を置いて友達を失っていた。3年おきくらいにお互いに唯一無二だと周りも認めるようなパートナーのような友達を作っては、口も聞かないほど距離ができることを繰り返してきた。
相手から何故か気に入ってくれることもあるので、そういうパターンは向こうがペースをリードするからかうまくいくことが多い。こちらも冷静なので、詰め寄ったりしない。
大人になって、こちらが仲良くなりたいと思って、距離を詰めはじめると、逃げるように距離を置かれるという経験が多くなってきた。私自身に問題があるのかと思っていたが、距離の詰め方に問題があるのではないかと思い始めてきた。
挨拶や笑顔や会釈から始めて、取り止めのない会話をして、お茶に誘って、ご飯に誘って、家族を紹介したり、一緒に外に遊びに行ったり.....まどろっこしいと思ってしまうけど、そういう順番が大切なのかもしれない。
「きっと気が合う!」と思ったら興奮して、いろいろすっ飛ばして、いきなりご飯行きましょうと言いがちだけど、その前にやることがあるのかもしれない。こんなに仲良くなりたいですよと伝えたくて、いきなり自己を開示するのは相手を驚かせて警戒させてしまっているのかもしれない。こちらしか失ってないのだからいいじゃんと思っていたけど、そういうことじゃない、多分。たくさんもらったら、返さないといけないと思うから。
次に仲良くなれそうな人ができたら、今度はゆっくりじわじわを意識して様子を伺い合いながら距離を詰めていきたい。怖がらせないようにゆっくりとね...
あと、じわじわと詰めた距離は、違うと感じた時にじわっと離すことができるけど、急に詰めた距離はいきなり切るしかなくなる。それは大人には難しいから。