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選択的腱板筋エクササイズ
肩関節疾患へのリハビリを行う際、回旋筋腱板(ローテーターカフ)へのアプローチを行うセラピストは非常に多いのではないでしょうか?
肩関節機能を痛みの改善や再発予防を目的にリハビリを行う上では、腱板筋群への介入は非常に重要なものになりますよね。
ただ、腱板への介入でチューブなどを活用したいわゆるカフトレーニングのようなものだけに終始していませんか?
カフトレーニングを否定するつもりは毛頭ありません。しかし、腱板筋は複数の筋で構成されており、作用する機能も異なるためそれぞれ個別で鍛えていく必要があります。
また、症例に対して負荷量が強すぎると三角筋や大胸筋、僧帽筋といったアウターマッスルの筋活動が高まり、腱板の活動が抑制されトレーニングの効果を十分に得ることができなくなってしまいます。
腱板筋へのトレーニング効果を十分に得るためにも、運動方法(姿勢や運動方向など)、運動負荷量を適切に設定した上で指導していく必要があります。
この後からは、腱板筋の簡単な解剖学や運動学を整理しながら、収縮を高めやすいトレーニングについて各種まとめていきたいと思います。
腱板筋群の機能
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋で構成される腱板筋群は、肩甲上腕関節における動作時の上腕骨頭を求心位に保持する(動的安定)機能を有していると考えられています。
何かしらの原因で腱板筋の機能が低下し、三角筋などアウターマッスル優位の運動になってしまうと肩甲骨の関節窩に対して上腕骨頭が求心位から逸脱するような力(肩甲上腕関節における剪断力)が働き、腱板損傷や断裂、そのほかの肩関節疾患にもつながる恐れがあります。
中でも、棘下筋や肩甲下筋は上腕骨頭の上方変位を抑制する機能を有しているとされています。
そのほかの研究においても、棘上筋単独の断裂では上腕骨頭の上方変位はそこまで認められず、棘下筋や肩甲下筋も含めた複合的な断裂では有意に上腕骨頭が上方変位したと報告されています。
そのため、肩関節痛につながる肩峰下インピンジメントなどを抑制するには、棘下筋や肩甲下筋などの機能も高め、協調的に腱板筋が働くように介入していく必要があります。
棘下筋の機能解剖学とエクササイズ方法
棘下筋は肩甲骨の肩甲下窩および棘下筋膜から上腕骨の大結節中部に付着し、肩甲上腕関節における外旋および水平伸展運動に作用すると考えられています。
棘下筋の機能不全は前述したように肩関節の可動域制限だけなく上腕骨頭の上方および前方変位の原因となります。
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