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サッカーと胸郭
胸郭の機能を高めることは、サッカーなどスポーツにおける障害予防やパフォーマンスアップの観点から重要な要素の1つであることは皆さんご存知であると思います。
胸郭機能は様々な運動面で大きく関わってきます。
胸郭周囲には上半身質量中心が存在するため、ここの機能不全は様々な運動面での重心移動の制限に繋がり、それを代償するような動きが加わり身体へのメカニカルストレスの原因となります。
しかし、実際の臨床では
『胸郭機能を向上させることはアスリートにとっては障害予防およびパフォーマンスアップにつながると理解はしている。だけど、どこから評価してアプローチしていけばいいかわからない。』
このように胸郭へのアプローチに苦手意識を持つ方は非常に多いと思います。
僕もそうでした。
胸郭の動き方の特徴や動きに関わってくる関節や筋肉についてシンプルに整理できると、何を評価してどう解釈すれば胸郭機能の問題点を明確にすることができるようになります。
今回は、障害予防とパフォーマンスアップに必要な胸郭の機能について、動き方の特徴から実際の評価方法と改善のための運動療法(トレーニング)についてお話ししていきたいと思います。
胸郭の機能分類と運動パターン
柿崎は胸郭を機能的に分類する意義は、
胸郭運動を捉え、胸郭が有する特徴的な動きを理解する上で重要となる。
(引用:「体幹の機能障害における胸郭の関わり」)
としています。
その上で、胸郭は上位・下位に機能分類することができるとされています。
(第11〜12肋骨は浮遊肋として分類)
また、胸郭に生じる運動パターンは大きく分けて3つあり、それぞれ異なる身体運動の際に生じます。
上下の関係|上位・下位胸郭で分離した動き
左右の関係|胸骨を境に左右胸郭で分離した動き
対角の関係|一側上位胸郭と対側下位胸郭の協調した動き
このような機能を有している胸郭は、体幹運動においては以下のような機能を担っています。
体幹回旋と胸郭|
体幹回旋時、胸郭は胸骨を隔てて左右の胸郭で別々の動きを行います。
この時、胸郭を構成する肋骨は回旋側が後方回旋し、対側は前方回旋します。
肩甲骨は体幹の回旋に伴い回旋側の後傾・外旋し、対側の肩甲骨は前傾・内旋します。
これら肋骨と肩甲骨の動きをコントロールするのが、前斜系システムと後斜系システムになります。
体幹並進と胸郭|
体幹の側方並進運動を行う際には、胸郭は対角の関係で運動が生じるとされています。
胸郭の形状変化を伴う体幹の並進運動には、上位胸郭の前後径の変化が特に求められます。
胸郭を右側方へ並進した場合、右側の上位胸郭前後径は増大して左側の上位胸郭前後径は減少します。
さらに、この体幹側方並進の動きは肩甲骨可動性と密接に関係しているとされています。
肩甲骨のアライメントは胸郭の形状・アライメントに大きく依存するため、肩甲骨のアライメント評価を行うことで間接的に胸郭のアライメントを類推することが可能となります。
スポーツ動作と胸郭機能不全
胸郭の機能不全はサッカーにおいても多くのスポーツ障害の危険因子になります。
胸郭の機能不全により、スポーツ障害に起因しやすいプレーとして考えられるのが、シュートやロングボールを蹴るようなキック動作とジャンプや切り返しなどの着地動作です。
|キック動作と胸郭機能不全
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