ようこそ、J2の沼へ。(サガン鳥栖観戦記録①)

※経緯※
どこにでもいる、サガンティーノが備忘録的に観戦記録をつけていくもの。
ドリパス所有のため、ホームは全試合現地。アウェイは基本DAZN観戦。九州内のゲームはできれば現地観戦したい。そんな感じのサポーターです。
文章練習がてら書きます。あくまで個人の感想です。


2025年2月15日。土曜日。
天気は曇り。先週からの寒さは和らいだものの、まだ試合観戦には辛い環境。
それでも我々サポーターの気持ちは燃えていた。

2024シーズンは、振り返るのも辛い。
川井体制3年目、タイトルを目指したシーズンだった。しかし結果はその目標から大きく乖離したものだった。
なかなか勝てない日々が続き、シーズン途中には主力が大量移籍。そして監督交代。新たに木谷監督を迎えて再起を図るも、時間と戦力の壁に阻まれ苦戦続き。ようやく希望が見えた頃には、降格という最も避けたかった現実を突きつけられた。
スポーツの結果に絶対はない。いい準備をしていても、結果が伴わないことはあるだろう。だからシーズンの結果は、この際言わない。それぞれが、それぞれの立場でベストを尽くした結果だ。それを安全地帯から糾弾するのは、いちファンの立場からするとあまりフェアとは言えないと感じる。
それよりも何よりも。私は降格したことよりも、自分が好きなクラブが空中分解していく姿を見ることが辛かった。
受け入れ難い現実を前に、クラブ、ファンサポーターそれぞれがバラバラになっていた。負け試合のたびにファンからはブーイングが起きる。クラブから力強い声が届くこともない。選手は戦っていた、それでも結果が出ない。
あ、これはもうこのクラブはダメかもしれない。これは降格が決定したアウェイ京都サンガ戦あとの感想だ。最後通牒だと思った。これから待ち受ける、長い下り坂の、最初のひと押しをされたと感じた。
しかしここで光明が差す。個人的にはこれが昨シーズンのハイライトだと思うが、降格が決まった後、初めてのホーム試合。対町田ゼルビア戦。スタジアムは異様な空気が漂っていたと記憶している。しかしファンは選手の背中を押し、そして選手は首位グループにいた町田ゼルビアを破った。久々の勝利の歓喜だった。降格の憂き目に遭いながらも、まだこのクラブはバラバラになっていない。そう思える、何よりも重い1勝だった。

そして迎える2025シーズン。小菊体制のもと、新しいサガン鳥栖が始まる。
新たなスローガン「ONE HEART」のもと、J1昇格という共通の目標のために、ファンサポーター、選手、クラブ全てが心をひとつに戦いを挑むことになる。再び砂岩のごとく、ひとつにまとまるために。

試合が始まる前、誰もが淡い期待を持っていたと思う。
昨シーズンのどん底から立ち上がる、サクセスストーリーの第一歩が始まると。その甘い予感は試合後半途中まで続いていた。サガン鳥栖の選手はハードな試合を優勢に進めていた。後一歩。ゴールだけが足りなかった。そんな中で、ベガルタ仙台から現実を教えてもらうことになる。昨シーズン、J1まで後一歩のところで敗戦を喫したベガルタ仙台。J2でもがき苦しむチームが、まだ目を醒まし切っていない降格チームの横っ面を叩いてきたのだ。

中盤からの鋭いカウンターだった。
サガン鳥栖優勢の展開から、ベガルタ仙台はワンチャンスをものにした。チームキャプテンの郷家が、遠く仙台から駆けつけたサポーターの目の前で決勝点を決めて見せた。
その後、試合終了まで、何度もサガン鳥栖はゴールを目指した。今季復帰した酒井、新戦力のジョー、惜しいシュートを連発していたスリヴカと、圧倒的迫力の攻撃陣で何度もゴールに迫った。しかし無情にも試合はこのまま終わってしまう。
期待に満ちたJ2の初戦は、黒星スタートとなった。しかも昇格枠を争う有力チームをホームに迎えての試合だった。あまりに苦い、敗戦だった。

私はJ1に上がってからのサポーターである。
J2での戦いを知らない。初めて目の前で見たJ2は、タフで、泥臭くて、そして油断すると足元をすくわれる、毒々しさを持っていた。ここでこれから戦うのか。試合後、選手に拍手を送りながら身を震わせた。

もがけばもがくほど体がはまっていくJ2の沼。
多くの有力チームが沼にはまり、J1昇格を目指してもがき続けている。
今回の敗戦は、サガン鳥栖にとっては大きな意味を持つと考えている。
ひとつは、甘い夢から醒めることができたこと。
J1昇格の道は、想像以上にタフなものであることを否が応でも思い知った。
そして改めてスローガンを噛み締めること。
「ONE HEART」どんな困難を前にしても、心をひとつに、目標に向かって進むしかない。

焦らず、チームを信じて、このJ2沼を戦い切る。サポーターにできることは、ただ支えること。声援を送ること。これくらいだ。
ちなみに私は試合の結果を楽観的に捉えている。ベガルタ仙台相手にあそこまでの試合を展開することができたのだ。決して見劣ることはない。1年でのJ1復帰は夢物語ではないと感じている。
しかし、その道はあまりに険しく、そして厳しいものだ。それを思い知った。
ベガルタ仙台には感謝を伝えたい。
アウェイでは勝ち点を返してもらいに行きます。

タフな1年が始まった。来週はジュビロ磐田。立ち止まっている暇はない。

【試合評価(抜粋) 5段階評価】
スタジアムの雰囲気 ★★★★★
試合結果 ★★★☆☆
選手への期待 ★★★★★
ベガルタ99番 体強すぎる ★★★★★★★★

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