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【せたがや図鑑】 新井佑さん

こんにちは!りおんです。

今回は、せたがやのまちづくりにおけるキーパーソン紹介ということで、世田谷区用賀を中心に活動されているNPO法人neomura新井佑(たすく)さんにお話を伺いました!


1.現在の活動を始めたきっかけ

大学2年生の時に友達が面白そうなことをしていたのを知って悔しくなり、自分も何か始めたいと思ったのがきっかけです。

18年前、音楽が好きだったこともあり、地元の用賀でライブをやろうと思いました。ライブ会場が必要だったので、様々な場所を回って会場を探す中で、ある人から「音楽だけじゃなく、何かの中に音楽があるとよいのではないか」と言われました。その何かはお祭りだ!と思って、用賀で祭りをすることになりました。
祭りを開催するなら用賀の偉い人に話をしなくてはならないと思い、魚屋さんに並んでるおばさんに「用賀で一番偉い人の家はどこ?」と聞いたら「お豆腐屋さん」との言われたのでそこへ行くと、「君のような若者を待ってた!」と食い気味に言われました(笑)
後から知りましたが、その人が商店街の理事長だったんです。理事長に様々な方を紹介してもらい、最終的に用賀駅前でお祭り(用賀サマーフェスティバル:通称YSF)を実施できることになりました。

面白くて偶然の出会いにみえるかもしれませんが、これってまずやってみることが大切なのかなって思います。その時は企画書とか作るスキルもなかったけど、想いに駆られて一歩踏み出して、色んな方々に相談したりしているうちに、気づいたら少しは出来るようになっていました。とりあえず「やりたいこと」や「好きなこと」、「疑問を感じていること」等個人的な想いや経験を社会や地域につなげることで、それを応援してくれる人がきっといるはずです。そのためには、まず一歩行動しないと何も始まりません。

何かをやりはじめるとき、その内容、場所、仲間、人脈、お金とかいろいろと考えなければならないことはあるけど、「できない理由」を考えるのではなく、「どうやったら出来るか」を考えることが大切だと思っています。そして、僕1人では何も出来ません。その時いた地元の仲間たち、商店街さんをはじめとしたたくさんの地域の方々が支え続けてくださっているからこそ、今のYSFがあるんだなと思います。

だから最初からうまくいったわけではありません。
2005年に第1回目の用賀サマーフェスティバル(YSF)を開催したときは、100人行かないぐらいの集客で、 フタを開ければ何十万円の赤字になってしまいました(笑)(大学生にしては超高額ですよ!)結局限られたメンバーで親に借りたり、バイト代を全投入したりで なんとか埋め合わせをしたりしていました。 最初からしっかり計画出来ればそんなことも無かったのかもしれませんが、 当初僕らは「やりたいベース」という言葉が流行り、みんなのやりたい!を実現することがモチベーションの重要な要素となっていました。 そして14年経って、会場に1万5000人が集まるようになりました。活動も大きくなってきたからNPO団体にしようということで、NPO法人neomuraを立ち上げることになりました。

コロナ禍前、YSFに参加したスタッフの様子


2.活動を通して感じたこと

NPO法人neomuraと法人化した主な理由は、お祭りも1年がかりで準備するのですが、まちの方々と触れ合うのは当日の二日間だけ。それってもったいないなって思ったんです。準備の時も、地域の方々に相談したり、時には仲間に加わったりして「お祭り前後」をいかに活用していくかにとっても興味がありました。

ただ実は、もともと地域のことにはあまり興味がなかったんです。
でも、自分がやりたいことに対していいねと言ってくれる大人がいました。
いいねと言われ続けているうちに、1〜2年経って価値観が変わってきたんです。応援してくれる人に対して、どう僕自身が貢献できるかという考え方に変わっていきました。

なかなか「まちづくり」というのも得体が知れなくて どうやって関わればいいか分からないという人も多いと思うんですよね。
それよりも、楽しいからとか、自分の好きなや趣味の延長とか、そういったところから全ては始まるような気がします。

僕が一番言いたいのは「自分」に縛られない方がいいということ。何でも乗っかっちゃうぐらいがちょうどいいです。
自分なんて言うものはもはや無いかもしれないというのを最近思います。そんな固まったものとかが自分を形成しているんじゃなくて、もっと柔らかいものが自分をつくり続ける。出会う友達や仲間、地域が新しい自分と出会わせてくれる。それによって、人生の解像度が上がっていく。そんなイメージです。
だからこそ、「行動」しないと何も始まらないし、解像度も上がってこないんです。行動は小さいも大きいも無く、自分にとっての意味のある一歩であれば絶対世界は広がっていくと思います。


3.活動をする上で大切にしていること

「みんなでつくる」を大事にしたいと思います。 そのためには、何より面白くやること。面白いと思うことが大事だと思います。 そしてそう思うためには、日々の日常的な関係性が大事なんだと思っています。 好きな人に勧められたお店だと行きたくなりますよね。人と人の間に関係があると、その人の目線を見たくなります。そんな作用を「まちづくり」というものに活かしていきたいな、って妄想してます。
特にNPOの活動って、高尚で固いイメージも付き纏ってくるんですが、 NPOに限らず、一住民としても「まちづくり」のハードルを下げたいと思っています。 誰かが一方的に決めるのでなく、誰もがアクセスできて、 思いやりのある、面白い”場”をデザインしたいと思っています。

新井さんたちが取り組んでいる用賀Blue Handsによるゴミ拾い活動の様子

どうせなら楽しくやりたいですよね!
そのためにも、世界の問題や、地域の課題ををいかに身近に感じてもらうか。当事者としていかに感じてもらうか、ということがとても大事だなと感じているので、だからこそそういった「カジュアルな空気感」って大切だな、って思うんですよね。

新井さんたちが取り組んでいる用賀のコミュニティ農園「タマリバタケ」の様子

用賀サマーフェスティバルに関してだと、学生主体というコンセプトをもとに、 なるべくそういいった「面白い」雰囲気の中、いかに学生たちが地域に参加・参画しやすい環境を整えるかが 大事だと思っています。


4.今後していきたいこと

「みんなでまちのことを考えたりする面白い場」をデザインしていきたいと思います。

地域といっても多様なコミュニティがあります。
時にはその枠を超え、コラボすることで今までにない”面白いこと”が生まれるかもしれません。「みんなでつくる、まち」の実現のために、当事者意識が持ちやすい環境をいかに整え、伝えていくかが僕らの課題だと思っています。そのためにも地域における多様な方々と接点を持って、関係性を深めたり、繋げていきたいと思っています。
あと、若いチカラはまちにとっても大きなエネルギーなので、学生の皆さんとも一緒にコラボしていきたいです!


5.お話をお伺いして

今回はneomuraの新井佑さんにお話を伺ってきました。

お話の中で「どうせなら楽しくやりたい」と仰られていたのがとても印象深かったです。私もこれから色々なことをする中で、自分が楽しいと思うことを積極的にやりたいと思いました。

最後までこの記事を読んでいただきありがとうございました!

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