【せたがや図鑑】KMAシニアサロン
せたがや図鑑で、せたがやの高齢者の活動について調べているしんたろうです!今回は音楽の力で高齢者の認知症・うつ病・引きこもりを予防しようと活動しているKMAシニアサロンについて紹介していきます。世田谷区の池尻大橋で活動されています。
1.はじめに
早速ですが、KMAシニアサロンの”KMA”とは何でしょうか?この”KMA”とは「Kunitachi Music Academy」の略称となります。
KMAシニアサロンは、国立音楽院が一般開講している1つの講座で、その講座の中にどのような高齢者の方でも参加できる3つのプログラムがあります。
1つ目は「歌のサロン」です。このサロンは、毎週火曜日の10:30〜12:00に開講されており、ジャズピアニストによる池田公生先生とともに、季節の童謡唱歌や歌謡曲など懐かしい曲を一緒に歌うことができます。
2つ目は「若返りリトミック」です。この講座は、毎週金曜日の10:30〜11:30(第2週を除く)に開講されています。国立音楽院の認定講師である掛飛佳代子先生と一緒に「頭・身体・心」の若返りを目指しながら、生伴奏の懐かしい曲に合わせて、歌や楽器演奏を楽しむことができます。
3つ目は「ラジオ歌謡を歌う会」です。この集会は、毎月第一日曜日の14:00〜15:30に開講されています。音楽医療研究会正会員であり日本ラジオ歌謡研究会認定講師である飯塚ようこ先生が講師としてお迎えし、NHKラジオ第一放送からスタートした誰もが歌える健全明朗な歌をピアノ生伴奏に合わせて歌います。また、発生体操なども一緒に行うので楽しみながら活動することができます。
これらのプログラムは、1回1,000円で受講することができ、予約不要で随時参加することが可能です。また、入会金や面倒な手続き等もないため、ご高齢の方でも利用しやすいサービスとなっています。
今回、ジャズピアニストであり「歌のサロン」の講師を務める池田公生さんにお話を伺い、活動のきっかけや利用者の方々の変化、コロナ禍の状況などについて聞いてみました。
2.活動のきっかけ・経緯
ーー歌うことの素晴らしさを広めたい。
私はこれまでこの国立音楽院で27年間講師を務めてきました。また、この「歌のサロン」でも10年以上担当講師を務めています。長い間、音楽に触れてきた中で「歌うことがどれだけ良いことなのか、今度はもっと多くの人に知ってもらいたい」と思ったことがこの活動を始めたきっかけです。この「歌のサロン」は高齢者向けのプログラムになっていますが、歌うことで”認知症予防”や”介護予防”にも繋がります。この1時間半で病気に負けないように、気分スッキリになって帰ってもらうことが私のやりがいになっています。
3.コロナ禍での現状と変化
ーーコロナ禍で活動は制限されてしまった。
昨年の春から3ヶ月ほど、学校の休校に伴い、私たちの活動も制限されてしまいました。3ヶ月以上活動ができず苦しい状況ではありましたが、ようやく昨年の6月ごろに活動が再開できました。しかし、コロナ禍ということもあり最初は今までのように多くの方は来てくれませんでした。オンラインなども試そうとしましたが、やはり私含めみんなアナログ派の人間なので(笑) それでも、最近やっとコロナが落ち着いてきたことから、徐々に来られなかった人もまた来てくれるようになってきています。席数などを減らしたり距離を取ったり、コロナ対策をしっかりと行いながら現在も頑張って活動を続けています。
4.利用者の方々の変化
ーー10年経って変わるどころか若返っている。
毎週みなさんと会っていますが、”誰も老けない”というのは感じています。この活動には90代の方も何人かいますが、活動後にはみんな笑顔で帰っていきます。また、これまで10 年以上活動を続けてきましたが、要介護や認知症になる人は1人もいません。「10年経って変わるどころか若返っている」ということを感じています。例えば、パルスオキシメーターの数値が悪い人でも、ここで1時間半歌っただけで良い数値を出すことができるようになりました。歌うことで免疫力を高めていることを目に見えて感じています。
5.この取り組みへの想い
ーーこの活動はライフワーク。
私自身、この活動はやめてはいけない活動だと考えています。やめるわけにはいかない活動、死ぬまでやり切る活動です。それはもちろん利用者の方々のためというのもありますが、私自身のためでもあります。私もこの活動を通して免疫力を高めることができていますし、この活動を通して利用者の方々が楽しんで歌って、笑って帰ってくれることが嬉しいんです。だからこの活動は”ライフワーク”、一生やろうと考えています。
6.おまけ・利用者の声(80代女性)
ーーこの活動は楽しいですか?
すごく楽しいです。歌うことも楽しいですし、先生のトークでも、いつも笑わせてもらっています。私はここに来るまで病気のせいでずっと上手く話すことができませんでした。それでもここに通い続けたことで少しずつ話せるようになってきています。歌って笑うことができるこの環境に本当に感謝です。
7.おわりに
以上、今回はKMAシニアサロンの池田さんに取材させて頂きました。この「歌のサロン」での活動を通して多くの方が明るく元気になっていけば良いなと思っています。ご協力ありがとうございました!
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