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十三夜 月見の演奏会
尺八の儚さ、
どこか違う世界へ誘う笛の音色、
軽快な鼓と美しい掛け声、
そして、かがり火の時折はじけ散るパチパチッという音・・・。
緊急事態宣言も解除されて、世の中が動き出しはじめた10月。
天山湯治郷も静かに動き始めるんだなというイベントが開催されました。
10月18日月曜日。
なぜ、せっかくのイベント開催が土日祝日でなくて平日の月曜日なんだと思ったら、
開催趣旨が十三夜だから。
十五夜は聞いたことあったけど、「十三夜」ということばがあることすら知りませんでした。
コロナ禍うんぬんでなく、だいぶ久々の開催と従事するスタッフが教えてくれた演奏会。
十三夜ということで開催されましたが、開演からしばらくはお月さまは隠れたまま。
その中で、普段はお寺の住職という森丹山さんの尺八から演奏会は始まりました。
中庭に設けられた特設の会場では、かがり火が焚かれ、
すすきのオブジェの間から森さんが現れ、寒空の中、演奏くださいました。
作務衣姿がとても似合っておられました。
最後の曲は鼓奏者の大倉正之助さんとのコラボ。
そして、笛奏者の雲龍さんとともに、鼓の大倉正之助さんが登場。
雲龍さんは、「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」という環境問題や人間の精神性に深い関心を寄せる方たちのバイブル的存在の映画の第六番にも出演されていた方。
たて笛、横笛から見たこともないような形の笛までありとあらゆる笛を披露してくださり、
民族衣装のような(うさとusaatoに近いかな?)その独特の衣装と相まってどこか悠久の世界に引き込んでくださいました。
袴姿で登場された大倉正之助さんは、囃子大倉流大鼓方能楽師。
伝統文化の継承と秘めた可能性を追求しながら、世界に向けて日本文化の素晴らしさを発信するアーティスト。
当日会場で話こそ出ませんでしたが、意外にもバイクをこよなく愛するライダーでもあり、
ファスティングにも精通している方のよう。
小気味のいい鼓の音とともに、美しい発声で魅了してくださいました。
この寒さの中でよくあんなに美しい声が出せるものだと、鼓よりも発声に興味がわいてしまいました。
そうこうしているうちに演奏会の主役であるお月さまも姿をあらわしましたが、そのお月さまが本当にきれいでした。
後半は寒いことも頭から抜けるほど、前のめりで演奏会を楽しませていただきました。
演奏されたお三方、また関わってくださったみなさま、ありがとうございました。