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フェルメールの「牛乳を注ぐ女」模写をして面白いことに気付く
こんにちは龍雅です
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は
世界規模でもとても有名な作品です
この作品を模写して勉強しました
※この画像は本物
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ポワンティエ技法という点綴法(てんてい)で
描いていることは結構有名です
顕著に表れているところは
パンのところです
まだらに点で色を打ち込んでいる様子がわかります
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今回とても驚いたのは背景の壁の色です
下の画像ですが白い壁に色々な
色が使われています
なのに白い壁に見えます
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色をシビアに妥協せず捉えていたと
推測できます
色だけではなく
形と質感にもかなり追求をして
いることがわかりました
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複雑に混ざり合う壁の色に明暗の変化が
加わっています
この部分の模写はもっとも難しい
ところかと思います
顔やパンなど細かな作業は
そんなに難しくは感じません
写実画を描くことに慣れている人なら
根気さえあればクリアできます
もう一つフェルメールの描き方で
忘れてはならないのが下の画像
カメラ・オブスクラです
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この装置を用いてキャンバスに投影して
描いていたと言われています
さて、
模写中に面白いことを気付きました
フェルメールはパースペクティブが
少しずつズレてるんです
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女性の右手の上辺りに線が交差してますが
もっと綺麗に集中するのが普通です
おそらくカメラオブスクラムで
投影して下描きをした後に
絵の具と筆で集中して描いているうちに
少しずつズレていったのではないかと
イメージがつきます
なぜなら写実画を描いていると
よくあることなのです
画家でないとわからないところでしょうか
また、
このテーブルは五角形ですが
一つの説に六角形なのでは?と
いわれています
ですが、これはパースがズレている故の説
だろうと私は思うので
五角形だろうと分析します
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フェルメールの魅力のもう一つは
画面の構成です
こだわりにこだわり抜いてます
人物のポーズはもちろんのこと
テーブルを五角形にして見栄えを整えて
さらに青い布の位置にも気をかけたはずです
テーブルから垂れる青い布は
普通に考えれば不自然ですが
色の配置を考えた構成です
ここからもこだわりを悟ることができます
少し技術的でマニアックな話しですが、
キャンバスの下地は白亜地と
考えるのが妥当です
土地がら入手しやすいためです
なので画面は平滑でありながら
厚く絵の具が重なっているはずです
この白亜地は描いている時に
絵の具の油分を吸収するのが特徴です
今現在主流のキャンバスは油分を吸収しない
ので滑らかに描けるわけです。
当時は絵の具も筆も自分で作っていたようです
絵の具は顔料によって安かったり高かったりします
ミルクメイドさんの腰に巻かれた部分の青は
ラピスラズリという鉱物から作られた
青色の絵の具を使っています
当時は、今も? 金の2倍近くの価値が
あるようです
これは質の高い青であることが条件です
フェルメールの作品数は巨匠の中でも
とても少ないです
理由はなにか
きっと制作にかなりの時間をかけていたから
ではないでしょうか?
43歳、若くして亡くなったこともありすね
この作品は写実画ですが
コンセプトがしっかりと組み込まれてます
・当時のメイドさん達のイメージ
というコンセプトです
右下の箱は冬場にスカートの中にいれて
体を温めるストーブです
それをわざわざ見せてます
またそのストーブの所の壁に
キューピットが矢を放つところが
わざわざ描かれています
これらで偶然性ではないことがわかります
しかし、他にも何を表現したかったのかという
説を調べるとたくさんあります
多方向から楽しめる
芸術の醍醐味ではないでしょうか。
模写をした感想ですが
パースがまばらなところは
フェルメールも人だなぁと感じ
親近感が湧きました
人々は天才や神がかる者に仮説をたてて
複雑にして楽しむ傾向があります
パースもフェルメールが意図的やったと
誰かが言っているのかもしれないです
わたしは現実主義で
真実を見抜きたいだけです
彼は神ではなく人間なのです
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まだ完成しません 笑
長々失礼しました
ではまた