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爆発した外灯とスペインの夜

カンカラカンカンカーン!!!
何か大きなものが落ちた。真夜中に聞こえる音として、聞こえてよいものではない類のものだ。夫の「やばい!」という声に一気に不安が押し寄せ、飛び起きた。

窓を見て!と言われて私の目が捉えたのはオレンジ色の光。目を細めると、中庭の外灯が燃えているのが見える。さっき聞こえた音は、外灯が爆発した時に落ちたのであろうガラスや破片だったのか。

急いで消防署に連絡する。なぜかつながらない。

こういう時、私は妙に冷静なところがあるのだけれど、ふとお隣さんが元消防士だったことを思いだした。1時半過ぎだけれど、構ってはいられない。夫にお隣さんの部屋に行ってもらう。何度か呼び鈴をおして、「誰だいこんな時間に」とパンツ一丁で出てきてくれたおじさんはとても眠そうだ。

そういえばすごい音がしたなぁと、ぼんやりと窓を見たおじさんは瞬時に表情を変えた。「よし、俺が消防車を呼ぶから」と言ってドアを閉めた。数分後、消火器を持ったおじさんと隣人数人が中庭に集合、しゃー!しゃー!と火を消している。早い、おじさんたちの行動は早い。私は家に消火器があったこと自体を忘れていた。

幸い消防士の人たちが到着するまでに、火は消えた。あたりは真っ暗なので、懐中電灯で照らしながら建物に火がうつっていないかなど確認してくれている。

おそらく先週の雨で、外灯の飾りの部分に水がたまっていたのかもしれない。それが何らかの形で爆発を引き起こしたのだろうか。

自粛生活が始まってから、最近お隣さんたちの顔を見る機会がなかったけれど、まさかこんな形でみんなの声を聞くことになるとは。

2時半ごろには、中庭の様子も静かになった。私たちのヒーロー、元消防士のおじさんが家の中に入る音が聞こえた。何事もなかったかのように、夜が戻ってきた。静かな静かな夜が。

みんな無事でよかった。とっさの行動、判断という意味で、私はほとんど役に立たなかったけれど、外灯は爆発することもあるということを学んだ。そして、元消防士さんたちのプロの仕事に感動した。

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