「ワタシでもわかる天才性」
ワタシは芸人と呼ばれる人たちが好きだが、その中でも群を抜いて尊敬している人がいる。それは清水ミチコさんだ。あのモノマネの、だ。知らない人はいないだろうが確認のため言い添えておく。
ワタシが清水さんのことを知ったのは、高校生の頃テレビで放送されていた「夢で逢えたら」であった。その頃はコントなどをしていた清水さんの魅力にまだ気が付かなかった。それから割と長い期間を経て清水さんを「再発見」したのは30代に差し掛かかるかどうかという頃。三谷幸喜さんとのラジオ「MAKING SENSE」を聴いたことがきっかけであった。
とにかくモノマネが面白い。から始まったのだが近年の活動はひとえに「モノマネ」と単純化して呼ぶことができないくらいの芸術性を持っているように思える。ワタシは毎年年始に行われる清水さんの武道館ライブに10年連続で参加している。そのライブが本当に素晴らしいのだ。
まずはピアノ。モノマネをするアーティストのタッチを完璧に真似ることができる。さらにその音楽性。これは「アーティスト(実存するアーティスト 例:椎名林檎)作曲法」というネタに見て取れる。アーティストの楽曲を分析しどんな技法が使われているかなどを見抜き、さらにそのアーティストの新曲まで(勝手に)作ってしまう。その創造性には感心するばかりだ。
また政治などの時事問題も扱う。彼女の軽快なピアノの曲にドロドロの政治資金の問題なども乗せてしまうと爽快感さえ感じるものになる。日本でここまで感動的に政治家の醜態を魅せられる人物はいないだろう。
年始の武道館以外は相変わらずラジオで彼女の活動に触れているが、番組冒頭のフリートークの中で新しいモノマネのターゲットを見つけその場で試したものが定番になるということもしょっちゅうだ。
もうモノマネの枠を超えた才能や生き方に心底惚れている。大天才だ。小天才にもなれないワタシは今日も清水ミチコさんのマネする藤井聡太さんのマネをして清水さんに思いを馳せている。あとは田中真紀子をマネするのも結構得意である。