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打ち上げ花火、良かったです

打ち上げ花火を見に行った。
先週の「今年はどれぐらい夏を摂取するか問題」をスピード達成してしまった。こんなに早いことある?

「打ち上げ花火を見に行く」ということを、人生でこれまで一度もしていなかったことに今更気づいた。
例年の夏、小学生の頃に実家でTVを見つつだらだらと過ごす夜や、はたまた成人して会社から蒸し暑い夜道を帰っている途中、急に遠くの空から「・・・ドン」「・・・ドン」と音が聞こえてくる。「?・・・・・・あ、花火か。夏だし」と気づき、ちゃっかり花火を拝められないかな、と辺りの空を見渡したり、ときには頑張って部屋から出て、サンダルを突っかけて家の前まで出てみても、音がするばかりでその姿は見えない。
「今回も見れないか・・・・・・」とすごすごと引き下がり、せめて音に合わせて頭の中でぼんやりと花火をイメージする(ただし花火の知識が乏しいので金色の丸い花火しか出てこない)、までがワンセット。
横着者に夏は与えられないのである・・・・・・(自戒を込めています)。

文章に「・・・・・・」が多いな。いや実際そんなイメージ。花火が遠く離れているからか、音や考え事にも、距離や寂しさを感じるような。
小学生の頃、父親の誕生日にどこかに遊びに行って、その帰りの車内から打ち上げ花火が見えた、という記憶はあるのだけれど、悲しいことにその花火の様子が思い出せない。

お祭り自体は好きだし、「夏っぽいことしたい」欲が高まると友達と行ったりしていた。夜に外にいるとたまたま地元のお祭りに出くわすこともあったし。手持ち花火も昔高校の友達としたけど、楽しかったな。
屋台や提灯が並び、音も色も賑やかで、家族連れや友達が焼きそばを食べて話して歩き回っている、楽しいけどちょっと寂しさも感じる風景は、お祭りに行くたびにやっぱり好きだなあと改めて思うし、お祭り自体に親近感もある。
けれど打ち上げ花火は、自分には縁が無い、離れた対岸でやっているイベントなんだなあと、自分を少し落ち込ませる存在だったわけです。

そんな打ち上げ花火を、今年は花火会場まで出向き、近くで見た。
はちゃめちゃに良かった・・・・・・。
綺麗なオレンジ色が丸く広がったり、一発から赤紫緑いろいろがカラフルに散らばったり、一本の光が途中で色が変わったり。
光って一瞬間を置いて「ドンッ」とお腹に音が響く。こんなに響くんだ。それに、こんなに近くで見ても音は遅れるんだ。

枝垂れ桜みたいに、黄色の光が広がる花火が特に良かった。
下から見ると、自分に向かって流星群が降ってくるようでちょっと怖いと思いながらもワクワクした。花火の10号ぐらい大きいと、上から光線に包まれて、フワッと浮いているかのように感じる。星とか宇宙が好きなので、宇宙を感じられて嬉しい。

見に行ったおかげで花火の印象が変わった。お前いい奴だったんだな。
とても楽しかったし、行って良かったです。

多分バンジージャンプも、高所恐怖症の自分にとって今は敵だけど、実は爽やかな性格のいい奴かもしれないので、いつか仲良くなろうと思います。

ありがとうございました。

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