宮崎の文芸誌
今日は、とある文芸誌について。
私が住んでいる、宮崎から発刊されている文芸誌があります。
noteのコミュニティが少しずつでき、書く事や読む事が好きな人がたくさんいるので、紹介したいなと思い記事にしています。
つい先月、第3号が発売されたばかり。早速オンラインで購入しましたが、丁寧な梱包と、おしゃれなイラストの図書記録カードなど付録もついた充実っぷり。開けてすぐ、文芸誌の『世界観』にやられます。
先の引用にある通り、編集長であるグンジさんの強い思いからスタートしたこの本。寄稿している作家陣は宮崎にゆかりのある人ばかり。おそらく20〜30代の方が中心で、作品から感じる価値観や雰囲気で、ぼんやり人物像を思い描くのも楽しい。
この本のタグラインである「他人事じゃない文学を、この街で」という一文が大好きです。
普段はなかなか本について話す機会や相手がおらず、一人篭る様に本や文章と向かい合う中、この一節がとても刺さりました。
noteの更新は「何か書くのが好き」というだけで続けているので、たまに「私はいったい何をやっているのだろう…」と思う時もあります。ですが、文学が他人事にならないようにと願い、行動に移す人が身近な『この街』にいると思うと、私も遠慮せずに読み、書いていこうと思えたのです。
最新号のテーマは「たべる」。先日、ファミレスに居座って一冊を一気に読み終えました。
ジャンルは、短歌、小説、エッセイ、コラム、写真、漫画(!)と多岐にわたります。テンポよく、次々とコンテンツが並ぶので、まったく飽きません。
メジャーな作家さんがドドン、と掲載されているわけではない、だからこそ、読み手の感性と感度が試されます。ひっそりと「この作家さんすごい!好き!」という作品に出会えるのが醍醐味です。
どの作品も素晴らしかったのですが、今回特に印象に残っている作品をみっつ。
園田汐さんの短編「裂いて砕いてすり潰して」。
最近はまっているショートショートの様に奇想天外な設定と、登場人物たちが主人公を見つめる眼差しが温かくも大胆でとても好きでした。
進藤アヤノさんの短編「チーズケーキを食べながら」。
地方特有の閉塞感と、選択肢の少なさゆえの平和な日常。会話形式で進む若い女の子たちの悩みに心底共感します。親友同士の、思いやりに溢れたドライさがリアルでグッときました。
横山起朗さんの短編「明日から離れて」。
ほとんど改行なしでグングンに詰まった文章なのに、ものすごく読みやすい。文章で表現される情景と、心情と、その美しさが映画の様に頭に流れ込んできて、この方の作品には毎回衝撃を受けます。
他の作品も本当に素敵で、本を片手に語りたいくらいです。良い時間を過ごせました。
「文学と汗」前号もこちらから購入できます。装丁や写真も素晴らしいです。おすすめです。
実は創刊号の際にお誘いいただき、エッセイを寄稿させて頂きました。でも、今よりもっと文章を書く事が少なく、自分が何を書きたいかも見えていなかったので、続けることができませんでした(大反省)。
noteを続けて少しだけ、書きたい事などが見えてきた気がします。また挑戦させてもらいたいなと思います。基礎体力大事ですね… よく読み、よく書きます。