ハロウィンがやってきた
やっとやってまいりました。
いぬうた市にハロウィンがやっときました。
きゅん君と、ぐーちゃんはこの日を、
ずっと楽しみにしてきましたが、
ひとつ残念なことがありました。
結局、ふたりの仮装衣装は調達されなかったのです。
と、いうのは、飼い主が、ママにネットで注文するよう、
頼まれていたにもかかわらず、
すっかり買い忘れていたからです。
これには、もう大変がっかりな、ふたりです。
「全く、どうしてくれんのさ!飼い主ったら!仮装が出来ないハロウィンなんて、そんなのナニウィンでもないよ!ノーウィンだ!」
「がっかりー!がっかりー!めちゃ、がっかりー!ぐーは、かりかり、めちゃ、いっかりー!」
きゅん君はダジャレで、ぐーちゃんは、デタラメソングで、
それぞれの怒りを表現しました。
「今までも、飼い主の体たらくには散々ひどい目にあってきたけど、これはないよ!ない!ない!」
と、怒りが収まらない、きゅん君です。
「これは正式に抗議をしないとダメよ。きゅん!これから、ぐーとどうゆう抗議をするといいか?考えましょう」
そうしましょう。ということになって、
ふたり、しばらく、うんうんと考えていたところ、
飼い主が、そこにやって来て、
ふたりをドッグランに連れて行くことになりました。
「ぐー、これって、飼い主なりのお詫びっていうことかな?」
「きっとそうよ。でもこんなことでチャラにしようなんて、ぐーもずいぶん安く見られたもんだわ。結局、いつものドッグランだし!」
ドッグランに着くと、そんな会話をして、
全然怒りが収まらない、ふたりですが、
いざ、来てみると、とても楽しく遊んで、
前の日が雨だったせいか、ふたりすっかり泥んこです。
なので、家に帰ると、早速お風呂に入ることになり、
あんまりお風呂が好きでない、ふたりは更に、
文句のぶつぶつが止まりません!
「何で、僕がこんな目に合わないといけないのさ!」
「楽しいはずの、ぐーのハロウィンがこんなことになるなんて!」
と、言いながら、お風呂から上がると、ふたりそれぞれ、
ママに大きな白いバスタオルで覆われて、拭かれて、
その姿に思わず、
「ねえ、きゅん!これって、まるでお化けさんみたいに見えない?」
「本当だね!ぐー!」
と、そこから、ふたり、白いバスタオルを、
頭からすっぽりかけたまま、
飼い主や、ママに、
「トリック・オア・トリート!」と、
声色をちょっとかえて、脅かす感じで迫って、
飼い主はこれもおわびのつもりか、
たんまりオヤツをくれたので、
結果的には、楽しいハロウィンになった、ふたりです。
でも、ぐーちゃんは、
「トリック・オア・トリート!」
を、だいぶ言い間違えて、
「鶏、食ってみたいぞー!」
と言っていました。
ぐーちゃん、それはクリスマスのお楽しみにね。