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焼肉屋ってどんなとこ?

いぬうた市の、きゅん君は先日、誕生日を迎えましたが、
週末になり、ちゃんとしたお祝いをしていなかったと、
反省した飼い主は、ママと、ぐーちゃんも連れて、
わんこも入れる焼肉屋に行くことにしました。
それを聞かされた時の、きゅん君と、ぐーちゃんの表情は、
実に微妙なものでした。
飼い主とママが、きゅん君と、ぐーちゃんとは、
別の部屋に行ったタイミングで、
ふたり、焼肉屋について話します。
「だいたい、焼肉屋とはどんなところなの?きゅん」
そもそもの疑問を、きゅん君にぶつける、ぐーちゃんです。
しかし、きゅん君も、焼肉屋についての、
情報は持っておらず、
「僕も、知らないんだ。でも焼肉屋だよ。ということは、肉を焼くところだろうね」
そして、ふたり、その、肉を焼く図を想像しますが、
ふたりの頭には、どう考えても、
グロテスクな図しか浮かびません。
そこで、ぐーちゃんが、ぼそっと言います。
「肉を焼くだけの場所だなんて、悪趣味極まりないわよね。一体どうゆうことなのかしら?」
更にふたりの想像の翼は更に広がります。
「もしかして」
きゅん君が何か思いついてしまったようです。
「もしかして、前にテレビで観たことあるけど、人間は20歳の誕生日に、大人になったことを証明するために、高いとこから飛び降りたりする地域もあるんだって。そこから考えると、焼肉屋というのは、誕生日のイニシエーションで、自分の何処かの肉を焼く、度胸試しみたいなものかも。あっ、分かった!焼印を身体の何処かに入れられるんだ!」
それを言った、きゅん君も、それを聞いた、ぐーちゃんも、
みるみる顔が青ざめました。
特にイニシエーションのことはよく知らなかった、
ぐーちゃんですが、ニュアンスでそこは察知して、
「だとしても、何で、ぐーまでも、そんな目に遭わないといけないのかしら。これは完全にとばっちりね」
と、怯え、うなだれてしまいました。
「これを回避するには、どうすれば?」
きゅん君が真剣に考え始めました。
「きゅんが、ぐーの分までやればいいのよ」
ぐーちゃんがあっさり言います。
きゅん君はとたん裏切られた思いがして、
「それはないだろ。ぐー。何で自分だけの回避方法を考えるんだ?」
と、ぐーちゃんに訴えますが、
「だって、きゅんと、きゅんと同じく誕生日とイヌの、えー、ジョンさん。の問題でしょ。これは」
また、例によってイニシエーションを、イヌのジョンと、
聞き間違えをする、ぐーちゃんです。
それ以降も考えに考えますが、いいアイデアは思いつかず、
もうこれは仕方ない。
ここは、おとなしく焼印を入れられよう。
その代わり、ほんの触る程度にしてもらおう。
そして何とか痛くないようにお願いしよう。
と、いざ覚悟を決めて、ふたりら暗い面持ちで、
焼肉屋に連れて行かれると、
そこはまるで正反対なパラダイスであることが判明して、
お肉をたんまり食べさせてもらい、
ふたりは、ほくほく顔で、
「焼肉屋さんて、何ていいとこなのかしら」
「ホント。ホント。ただ肉を焼くだけじゃないんだー!ちゃんと食べれるんだー!そんな焼肉屋ってサイコー!」
と、さっきまでの不安は何処へやら。
の、きゅん君と、ぐーちゃんなのでした。

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