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毎日がママの友達の夏休みだったら

本日は朝から、いいことがあった、いぬうた市の、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
きゅん君、それは具体的に何があったんですか?
「それはね。ママの友達が今、夏休みなんで、僕らの朝の散歩に付き合ってくれたんだよ」
まあ、それはそれはよかったですね。
ぐーちゃんも嬉しかったようですね。
「うん。ぐー、ママのお友達さん、大好きだからー。最高のお散歩だったわ。ぐーとママとママのお友達さんと、あとは、きゅんとで、それはそれは楽しかったなあ」
と、ぐーちゃん、今朝のことを思い出しながら、
笑顔で感想を述べてくれました。
そして、それからその日は、何かというと、
今朝の散歩の話題になった、きゅん君と、ぐーです。
そんな会話に紛れて、ふと、きゅん君が言いました。
「もしも、毎日がママの友達の夏休みだったらいいのになあ。もしそうなったら、いつも僕らの散歩に付き合ってくれるかもしれないよ。それだと飼い主と散歩行かなくてすむし、なにかといい事だらけだよ」
と、そんな願望を言うと、
「だったら今晩、夏休みの神様に、ぐー、夢の中でお願いしてみるわ」
と、思いもかけない、こんな事をいった、ぐーちゃんです。
だいたい夏休みの神様って、
そんな方、いらっしゃるですかね?
失礼ながら、聞いたこともないんですが。
「あら、存じ上げないの?ぐーも存じ上げないけど、きっといらっしゃるに決まっているわ。だってどんなモノにも神様はいるものよ」
と、自信満々に断言した、ぐーちゃんでありました。
そして、その夜が来て、ぐーちゃんは夢の中で、
夏休みの神様を呼び出しました。
ぐーちゃん、なかなか神様を呼び出すとは、いい度胸ですが、
何とか会えるといいですね。
でもって、お願いを聞いてくれるといいんですけど。
しかしというか、やっぱりというべきか、
その夏休みの神様は案の定、すぐには現れません。
本当にいるのか、どうかも分からないまま、
そこは、ぐーちゃん、くじけることなく、
夢の国の支配人を通して、
何度もしつこくコンタクトを取ろうとします。
「まだかしらねえ。夏休みの神様は」
と、ぐーちゃん、気長に待っていると、
「やあ、待ったあ。ごめんねえ。何せ、僕、今、夏休みなもんで」
と、突然、気さくで軽いタッチで現れた夏休みの神様です。
ぐーちゃんは急に現れたのも、びっくりしましたが、
夏休みの神様も夏休み取るんだ!
と、そのことにもびっくりしたのです。
それを聞くと、
「そりゃそうさ。むしろ神様から率先して休まないと、下の者もみんな休めないもんね」
と、一見もっともらしい答えをした、夏休みの神様です。
そんなものかな。
と、ぐーちゃんはとりあえず納得して、
すぐに本題に入ることにしました。
「ママのお友達の夏休みを毎日にして頂きたいのよね」
と、半ば無理なことだと分かっていながらもお願いすると、
意外なことに、夏休みの神様は、
「いいよ。大丈夫。オーケー」
と、あっさりオーケーを頂けたのです。
しかし、しかしです。それが条件付きであったのです。
「ただ、その代わりに、毎日が雨になってしまうけどね」
軽く言ったわりに、夏休みの神様の話は、
ことのほかシビアになってきました。
「だって、考えてもみなよ。その代わりに誰かが働かないといけない訳だからね。その雨は、その人たちの涙雨さ。だから毎日が雨なのは仕方ないよね。もしも、その雨の重さに耐えられるだったら、この話はオーケーだよ」
思ってもみない、その条件付きに、ぐーちゃんは、
その重さに耐えきれず、
「ちょっと考えさせて下さい」
と、事実上のお断りをしたのでした。
と言う訳で、ごめんなさいね。
ママのお友達の、毎日が夏休みは、
さすがに叶わなかった訳ですが、
でも、きゅん君、ぐーちゃん、
ママのお友達の夏休みは、まだまだ始まったばかりですから、
また、おふたりのお散歩に付き合って下さいますよ。

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