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犬のプロ

「改めて言いますが、僕は確かに犬ですが、でもそんじょそこらの犬ではございません。ではどんな犬かというと、犬は犬でも犬のプロなのでございます」
なんて、いぬうた市の、きゅん君が突然、
こんなことを言っていますが、きゅん君、
犬のプロって、どうゆう意味ですか?
「それはですね。一言でいうと、極めて犬らしいと、いうか、犬道を極めているというか、
犬としてプライドを持って仕事をしているか?
ということかな」
全然、一言ではないですけどね。
どうやら上手く説明が出来ないみたいですけど、
だいたい、きゅん君の仕事って何ですか?
「あー、それはこれに尽きるよ。それはママを喜ばせることさ。これが僕の仕事だね」
なるほど。ママを喜ばせるプロだということですね。
それなら分かるような気もします。
ママは、きゅん君といると、
それだけで嬉しそうですのもね。
でも、だったら、それは、ぐーちゃんも、
同じだと思うんですけど?
「それは、僕と、ぐーが同じプロだということ?それは心外だな。僕と、ぐーは全然違うよ。僕から言わせれば、ぐーなんかはただのシロウトだよ。ぐーに僕のプロ意識を叩き込んでやらないとと、いつも思ってるんだけど」
ぐーちゃんはシロウトですか?
まあ、天然ではあるとは思いますが。
でもお言葉ですけど、きゅん君も相当天然ではないですか?
「そう見えてるんだったら、それは僕の計算が成功してるってことかな。これを言うのはヤボだけど、僕の天然は全て計算ずくだよ。ママが好きな天然ぶりを、ちゃんと僕は分かってそれを提供してるんだけどね」
そうだったんですか。
要はあざといということですね。
「そう取ってもらっても全然構わないよ。僕はただママに喜んでもらえればそれでいいのさ。それがプロってもんだろ」
要は、きゅん君はママを喜ばせるプロ、
ということなんですね。
でもでしたら、ぐーちゃんもママをいつも喜ばせていますよ。
いつも、ぐーちゃんを見て、かわいい。かわいい。
って、ママ嬉しそうですよ。
「でも最近、心配もかけたりしてるよ。それが僕に言わせればシロウトだって言ってんだよ。残したりせずに、ただ全部食べればいいだけじゃない。そんな簡単なことも出来ずにママに心配かけるなんて、それは犬のプロじゃないね」
食いしん坊の、きゅん君には、最近季節の変わり目で、
体調を気にかけて、フードの量を自ら調節している、
ぐーちゃんの気持ちがどうにも理解出来ないようです。
でも食べたいのを我慢して、残したりも出来る、
ぐーちゃんも充分、わんこのプロではないですかね。
このように、どちらもタイプは正反対ですが、
しっかりと、わんこのプロな、きゅん君と、
ぐーちゃんなのです。

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