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バディの家に行ったよ

それは先日、いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんが、
新しく産まれた、お友達のわんこのバディの妹に、
会いに行った時のことです。
待ち合わせたカフェで楽しい時間を過ごしたあと、
バディの自宅にお邪魔することになりました。
「僕の家で、ぜひ君たちに見てもらいたい場所があるんだよ」
家の中に入れてもらった、きゅん君と、ぐーちゃんに、
バディはそう言いました。
「えっ、どこだろう?」「まあ、どこかしら?」
と、日当たりのいいリビングで、きゅん君、ぐーちゃんは、
同時に声を上げて、部屋内をきょろきょろすると、
バディは「どこだか当ててごらん?」
とイタズラっぽく笑って言いました。
「よっしゃ!僕、そうゆうの得意なんだよね」
「ぐーが最初に見つけるー!」
と、言われて俄然楽しくなった、ふたりは、
遠慮なくに家の中を隈なく探索し始めます。
「僕はここだと思うなあ。このリビングのソファ、これ最高じゃないか!バディはいつもこのソファで優雅に過ごしているんだね」
まず、きゅん君が当たりをつけて、バディに言います。
「そこも僕のお気に入りだけど、見せたかったのはそこじゃないなあ」
にやにやしながら、バディは不正解を出します。
「分かったわ!ぐー。ここよ!ここ。キッチンさんね。ここでバディはバディのママから美味しいご飯をいっぱいもらっているんだわ!」
「ブー!残念でした。ハズレー。パパやママからはいつも美味しいご飯をもらっているけど、ここではないよ」
と、ふたりが自分の術中にハマっていることが、
楽しくて仕方がない、バディです。
「ふたり共、このままじゃいつまで経っても当てられないようだから、そろそろ正解を言うよ。正解はここさ」
そう言うと、バディはダイニングの、
大きな窓のカーテンを前足でめくりました。
すると思わず、きゅん君が叫びます。
「おおそうか!ベランダかあ!正解はベランダだったのかあ!」
しかし、バディが見せたかったそのベランダは、
ただのベランダではありませんでした。
そのベランダから見える風景は、緑の自然にあふれていて、
しかもこのバディの家は高台にあるので、
空も大きく広がって、川も川に架かる橋も、
遠くに連なる山々までもが、全て一望できる素晴らしく、
ビューポイントなベランダだったのです。
「まあ、本当に素敵ー!バディはこの景色さんを毎日見てみるのね」
バディのパパから窓を開けてもらってベランダに出た、
ぐーちゃんも感嘆が止まりません。
「あそこの川の土手には桜の木がたくさん植っているから、春になると桜の花が咲いて、更に素晴らしい眺めになるよ」
バディは今から春が待ち遠しいようです。
「最高じゃないか!このベランダ。おまけに床には芝生が敷いてあるし、とても走りやすそうだ」
ぐーちゃんに続いてベランダに出た、
きゅん君の興味は徐々にそちらに移っていって、
ぐーちゃんもそれは同じようで、いつしかふたりは、
まるでここが自分の家のベランダか、
というくらい我が物顔で遊び始めて、
きゅん君と、ぐーちゃんが繰り広げる、
わんプロを嬉しそうに見守るバディなのでありました。

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