スリッパ、温めますか
さあ、今日も気がついたら夜に早替わりしていて、
全く、1日が過ぎるのは、あっという間ですね。
そんなこんなで、さあ、眠りましょうか。
と、ここは、いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの、
自宅の2階の寝室ですが、
おや、ぐーちゃんが先にベッドの上に来ていますね。
おや、そこにはママのスリッパもあるじゃないですか。
何ででしょう?
何で、ぐーちゃん、そこにスリッパがあるんですか?
さあ、ぐーちゃん、お答え下さい。
すると、ぐーちゃん、いささかバツが悪そうな顔をさして、
慌てて、言葉をつむぎます。
「こ、これは、アレよ。アレ。そうそう、ママも、もうすぐここに来るから、それに備えて、ぐーが先にスリッパを温めておいてあげたのよ。ぐーは何て気がきくのでしょう。これで、ぐーの家での出世は間違いなしね」
それはずいぶんと無理がある言い訳ですね。
スリッパ、温めておきました。って。
どっかの先人の逸話じゃないんですから、
草履を温めておきました。みたいなヤツですか?
「そ、その通りよ。ぐー、この間、テレビさんで観たの。ママの足さんがさぞかし冷たいんじゃないかと」
と、あくまで、しらを切り通す、ぐーちゃんです。
これはどう見ても、怪しいですよね。
だいたいママは眠る時、スリッパは履かないですよ。
そもそも今はもう夏ですから、ママの足は冷えてないですよ。
これは、ぐーちゃん、もしかして、
またママのスリッパをガジガジとかじって、
遊んでいたんじゃないですか?
その証拠に物凄く、目が泳いでもいますよ。
「ああ、こ、これは違うわよ。これは何ていうの。えーと、いわゆるお目目の体操ね。これを寝る前にするとリラックスして、よく眠れるって、今、いぬうた市で流行っているのよ」
なんて、なかなか、ご自身の悪事を認めませんねえ。
でも、いくら言い訳しても、
ママが来て、この現場を見たら一目瞭然ですからね。
ぐーちゃんの目の前の、そのスリッパを見たら、
そしてそのママはもうすぐ来るハズです。
そしたら、ぐーちゃん、ママにたんまり怒られることでしょう。
ちょっとかわいそうですが、致し方ないですね。
それもこれも、ぐーちゃんがガジガジするからですよ。
そんな、ぐーちゃんはますます動揺して、
もう、どうしたらいいか?分からなくなったようで、
とうとうフリーズしてしまいました。
そんな時に、ぐーちゃんにとって救世主が、
ママが来る前にやって来ました。
それは、きゅん君で、何も知らない、その、きゅん君は、
ぐーちゃんの前にあるスリッパを見るなり、
「何、このスリッパ?ここは僕が寝ようとしていた場所なんだから、ちょっと邪魔だなあ」
と、スリッパを退けようと、きゅん君が、
くわえた瞬間、
いよいよママが寝室に登場して、ちょうど、
きゅん君がスリッパをくわえている図。
の決定的な現場を見られてしまって、
即さま、ママにこっぴどく怒られた、きゅん君と、
棚ぼた的に難を逃れた、ぐーちゃんの対照的な、
ふたりなのでありました。
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