星がひとつ増えた夜
今晩、いぬうた市の夜空に星がひとつ増えたそうです。
それを夢で知った、ぐーちゃんでした。
夢で誰かと話しているようです。
「いぬうた市の夜空に星が増えた?それはどうゆうことかしら」
ぐーちゃんが寝ていたら、急に夢に現れて、
その出てきた誰かが言ったのです。
「分からないんだったら、見に来ればいいよ」
そう言った誰かは、ぐーちゃんを誘導します。
「2階から更に登って行けばいいんだ」
「ぐーの家に2階より上はないわ。ほらっ」
ぐーちゃんは廊下に出て、実際にないことを、
説明しようとしましたが、何と階段があったのです。
「おかしいわね。いつの間に、こんなところに階段が出来たのかしら?ぐーか知らない間に、飼い主が突貫工事したのかしら?」
ぐーちゃんは腑に落ちないながらも、
階段を登っていることにしました。
先は暗くて、何処まで続いているのか全く分かりません。
ですが、不思議と怖くはなく、
とんとんと軽やかに一歩一歩登って行きます。
どれくらい登ったでしょうか?
下を見ても、よく分かりません。
「まだ登るの?ぐー、ちょっと疲れたんだけど」
見えない誰かに、ぐーちゃんが言うと、
「それくらいでいいかな。ほらっ、そこ、そこに星が見えるだろう?まだ新米の星だからだいぶ青いんだ」
「そこってどこかしら?」
と、ぐーちゃんが辺りのちょろちょろ見渡すと、
ありました。
ひときわ輝く青い星が、ぐーちゃんには見えたのです。
「あったわ!ぐー見つけた!わあ、キレイ!とてもキレイよ!」
何だか、ぐーちゃんが感動していると、
急に眠くなった、ぐーちゃんは、
そのまままた寝てしまいました。
それからどれくらい経ったでしょうか?
ふと、気がつくと、ぐーちゃんは家の階段で寝ていたのです。
「ぐー、何で階段で寝ているのかしら?」
思い出せずに、記憶を辿る、ぐーちゃんです。
「えーと、確か、ぐーが寝ていると」
しばらくそうやって考えていると、
「そうだ!階段よ!3階への階段!」
思い出した、ぐーちゃんは、
2階より上に行く階段を探しますが、全然ありません。
すると、きゅん君も、
「あれ?おかしいなあ。階段ないなあ。飼い主が突貫工事でまた元に戻したのかな?」
ぐーちゃんと同じように階段を探していたのです。
あとで、ぐーちゃんが、きゅん君に聞くと、
きゅん君も、ぐーちゃんと、
まるで同じ夢を見たことが判りました。
その日の夜、きゅん君と、
ぐーちゃんはベランダにいました。
結局、2階より上に行く階段が見つからなかったので、
ベランダで、新しい星を見ようとしたのです。
「あれじゃない?」「どれどれ?」
「あの凄く光っている星」
「あー、でも青くないわねえ。この間、ぐーが見たのは、もっと青かったわ」
などと、星を探しますが、思うように見つかりません。
「でも星が増えるってどうゆうことなのかしら?」
ぐーちゃんが、そもそもの疑問を口にします。
「僕もよくは分からないけど、今度からは、いぬうた市を空から見守ることにしたって夢に出てきた誰かが言っていたよ」
きゅん君がそう答えると、ぐーちゃんは、
「じゃあ、あちらからは、ぐーたちがきっと見えているのね」
と、言って、夜空に前足を振りました。
「これから、いぬうたのみんなをよろしくお願いしまーす!」
「しまーす!」
きゅん君も、いぬうたの空に叫びます。