心が寒くならないように

ここのところだいぶ寒くなってきた、いぬうた市ですが、
きゅん君と、ぐーちゃんは今日も、
ママにドッグランに連れて来てもらい、
今も元気に走りまくっています。
いやあ、本当に元気ですね。きゅん君。
何かそこに秘訣でもあるのですがね。
「秘訣？何かあるかなあ？でもなんてったって、僕は風の子だからね。今もそうでしょ。僕は風よりも速いからね。強く吹きつける北風なんかには負けないよ」
なるほど。風の子ですか。
「もちろんママの子でもあるけど。あっ、寒さに負けないのはママの子だからかなあ」
きゅん君、それはどうゆう意味ですか？
「だってママがいつも抱っこしてくれるからさ。ママに抱っこされるととても温かいんだよ」
と、とっても嬉しそうな顔をしてそう言った、きゅん君です。
きゅん君は本当に抱っこが好きですよね。
ママにしょっちゅう抱っこされているのが、
寒くても元気な秘密なんですね。
でもそれだったら、ぐーちゃんはどうなんですか？
お言葉ですが、ぐーちゃんは、
あんまり抱っこ自体好きではないですよね。
となると、ぐーちゃんが元気な秘訣は何ですかね？
「ぐーはねえ。抱っこは好きじゃないけど、ママに撫で撫でしてもらうのは大好きよ。ママの撫で撫では抱っことおんなじくらいに温かくなるのよ」
そうだったのですね。
きゅん君はママの抱っこで、ぐーちゃんは、
ママの撫で撫でですか。
あら、でもそれって、
そんなに温かさが持続するのもなんですかね。
ママの抱っこや撫で撫では？
「そう言われば確かに不思議だなあ」
そう言って、きゅん君、首を傾げます。
「そうよねえ。ママの撫で方がよほどうまいのかしら？ずいぶんと長持ちさんするわねえ」
ぐーちゃんもずいぶん不思議そうです。
きゅん君、ぐーちゃん、ご安心下さい。
その理由が次の日分かりましたから。
でもその前におふたり安心出来ない、
もっと言うと、イヤなことが起こりました。
それは散歩の途中、めちゃくちゃ大きいわんこに、
吠えられて、あともう少しのところで、
襲われそうになったのです。
危なくママがふたりのリードを引っ張って、
何とか難は逃れたのですが、
その恐怖は散歩の帰りもずっと続き、
家に帰っても、悪寒が止まりませんでした。
「外が寒かったのと、怖かったので、僕、震えが止まらないよ」
「ぐーもよー。ぶるぶるさんが、ぐーをずっと揺らしてるー」
そんな、きゅん君と、ぐーちゃんを見かけたママは、
きゅん君には抱っこを、ぐーちゃんには撫で撫でをしてくれて、
震えは徐々に収まりました。
同時にママの優しさがとても伝わってきたのです。
どうですか？おふたり。
何故、ママに撫でられると温かくなるかわかりましたか？
「うん。ママに抱っこされると身体もそうだけど、心が温かくなったんだ。だから長持ちするんだよ。ママの優しい気持ちが伝わって」
と、代表して、きゅん君が答えてくれて、
ぐーちゃんもうなずきました。
そうなんです。
ママに抱っこや撫で撫でされると、
心も身体も温かくなるのでした。