水を飲む時は
いぬうた市の、ぐーちゃんは、
ちょっと変わったところがいろいろとあります。
大半がクセのようなものだと思うのですが、
何事もズボラな、きゅん君とは違って、
慎重な性格がそのような行動に及んでいるようです。
そのひとつに水皿から水を飲む時です。
きゅん君と、ぐーちゃんの家には1階と2階に、
ひとつずつ水皿が置いてあります。
そのうちの1階のほうはダイニングルームの、
きゅん君と、ぐーちゃんが普段ご飯を食べる、
壁沿いにあるゲージの入り口に置いてあるのですが、
ぐーちゃんはそこから水を飲む時、
水皿を通り過ぎて、一回わざわざゲージの中に入り、
そこからクルッと方向転換して入り口の方を向いてから、
ゲージに入ったまま目の前にある水皿から水を飲むのです。
きゅん君などはいちいちゲージに入ったりせずに、
そのまま飲むのですが、何故、ぐーちゃんは、
いちいちゲージの中で水を飲むのでしょう。
たぶんこの心理はご自身でしか分からないでしょうから、
ぐーちゃんに直接聞いてみるとしましょうか。
ぐーちゃん、何でこんなクセがついたんですか?
「こんなおクセ?ぐー、そんなにおかしなことをしているつもりはないんだけど」
と、ぐーちゃんにはどうやら自覚はないみたいですね。
だってわざわざ水皿を通り過ぎているじゃないですか。
「ああ、それはだってゲージさんに入らないで、そのままお水を飲んだら、きゅんに背中を見せながら飲むことになるわ。そんな時、きゅんに攻撃されると、ぐー、隙だらけじゃない」
なるほど。確かにそのまま飲むと、
背中がそのまま部屋に向いていますから無防備になりますね。
それをゲージの中に入って飲むと、
背中もゲージの中ですから、安心して水を飲めます。
「でしょ。ぐーはちゃんと何でも考えて行動さんしているのよ。きゅんにいつ攻撃されるか、分からないから」
ぐーちゃんは常日頃から、きゅん君の、
攻撃に備えているんですね。
でも、きゅん君って、そんなに隙あらば攻撃をしてくるんですか。
「そうよ」と、ぐーちゃんが言ったのと同時に、
いつの間にか現れた、きゅん君が、
「そんなことするハズないじゃないか!」
と、たいそう怒りながら言ったのです。
きゅん君、どうやら反論があるようですね。
でしたら、どうぞ。
「僕に、ぐーを攻撃しようなんて気持ちはさらさらないよ。言わせてもらえば、ぐーに常に僕と戦おうとか言う気持ちが、あるから逆に先に攻撃されてたまるか!と、そうやって、いろいろと水を飲む時も慎重になっているんだよ。それだけいつも僕を攻撃することしか考えてないんだよ。ぐーは全く困ったもんだ」
と、とてもめんどくさそうに言った、きゅん君です。
なるほど。そうゆうことなんですね。
きゅん君と、ぐーちゃんはお互い攻撃と、
怖い言葉で言いましたが、それはわんプロという、
プロレスごっこのことなのでご安心下さい。
このように、ぐーちゃんはいつも、きゅん君と、
遊ぶことしか考えてないようです。
そして今日も、ぐーちゃんは、まずないであろう、
きゅん君からの攻撃に備えて、慎重に行動しているのでした。