土が好き
おーい!いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃん!
現在、散歩の途中とお見受けしますが、
ずいぶんと急いでいらっしゃいますね。
リードを持っているママを引っ張ったりして、
何でそんなに急いでいるんですか?
「それは土だよ!土!土!僕も、ぐーも早く土の場所に行きたいからさ。だから急いで走っているんだ」
なるほど。土の場所に早く行きたくて急いでいるんですね。
確かに今いらっしゃる場所はコンクリートですが、
もうすぐ、いぬうた公園なので、そこまで行けば、
土がいっぱいありますけど、でも何で土の場所に、
そんなに慌ててまでも早く行きたいんですか?
「それは、ぐーが、お土の上で、シーシーさんや、プリプリさんをしたいからよー!」
そうゆうことですか。
やっぱり、わんこはトイレは土の上でしたいんですね。
「そうゆーことー!」
と、おふたり、声を合わせて叫んだところで、ほらっ、
コンクリートの地面が終わって、
ご待望の土の場所に到着ですよ。
「やったー!着いたー!じゃあ早速、思う存分トイレするぞー!」
そう、きゅん君、ホッと一息ついたようで、
その反動か、まあよく出ること。出ること。
思いの限り、大やら小をするのでした。
あら?しかし、一方、ぐーちゃんときたら、
せっかく土の地面に着いたのに、まだ用をたしません。
どうしました?ぐーちゃん。
「ぐー、ここのお土、あんまり好きじゃなーい。だからもうちょっと歩いて、ぐーの好みさんのお場所探すー」
そうゆうもんなんですね。
きゅん君はその辺、おおらかというか、
全然気にしてないようですが、
ぐーちゃんは違うんですね。
「そうよ。ぐー、きゅんみたいに無神経さんじゃないからー。ぐー、繊細さんだからー」
と、横にいる、きゅん君を、ちらっと見ながら、
そう言った、ぐーちゃんです。
それを聞いた、きゅん君が反発します。
「何を言う!ぐー!そうゆうのは繊細とは言わないんだ。それはただのワガママに過ぎないぞ。そんな土の好き嫌いしてたら、ママにだって迷惑がかかるじゃないか。トイレだなんて何処だっておんなじだ。スパッと!素早く!スッキリ!がトイレする基本であーる」
と、そんな風に自分が正しいようなことを言う、
きゅん君ですが、でもそれだったら別に、
コンクリートの上だっていいではないですか?
いちいち土の場所まで急いで来なくてもでは?
もっと言えば、家でしてもいいのでは?
どうなんですか?どうなんですか?きゅん君。
と、問い詰めると、完全逆ギレ気味し、
「ああ上等だよ!ママがそう望むなら、家だって、何処だって、やってやるよ!なんならなんなら、家の人間用のトイレでやってやろうじゃないの。それが1番ママに迷惑かからないだろ!」
と、売り言葉に買い言葉で、よりによって、
そんな断言をした、きゅん君でありました。
これは面白いことになりましたね。
言ったからにはやってもらおうではありませんか。
人間用のトイレの便器で、
ちゃんと用をたしてもらいましょうか?
「やらいでか!やってやろうじゃないか!」
と、今更引けなくなった、きゅん君ですが、
さて、このあとどうなったか?というと、
家に帰ってから、すぐさま人間用のトイレに行って、
「そもそもここで人間たちはどうやってようをたしているんだろう?」
と、便器をジーッと見つめ、
悩み考える、きゅん君でありました。
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