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シッポを振る時

ほら、わんこって、感情をシッポの振り方で、
表現したりしますよね。
大きくブンブン振ったり、小刻みに振ったり、
シッポを垂らして左右に振ったりと、
振り方でもそれぞれ感情が違っています。
いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんも、
やっぱりそうですか?
「えっ?シッポ?僕のシッポ?どうかなあ?そういえばあんまりちゃんと見たことないからなあ。自分ではよく分からないよ」
と、まず、きゅん君がそう答えました。
そうゆうものなんですかね。
確かに見にくいかもしれませんが。
では、ぐーちゃんはどうですか?
「ぐーも、ぐーのシッポさんのことはよく分からないわあ。お寝んねしていて丸くなってる時、たまにお会いするけど、そんなにフリフリされているのを、ぐー見たことないからー」
と、ぐーちゃんもよく分かってないようです。
しかし興味が湧いてきたみたいで、
きゅん君に対して、こう提案したのです。
「ぐーが、ぐーのシッポさんを見れないなら、代わりに、きゅんが見てちょうだい。ぐーは、きゅんのシッポさんを見てあげるから」
なるほど。
お互い見合いっこしようという訳ですね。
それはいいアイデアではないですか?
きゅん君もそう思ったようで、
「なかなか面白いじゃん。いいよ。やってみよう」
と、言ったのです。
で、すぐさまやってみました。
お互い対面して。
しかし、しかしですね。
普段の状態と程遠いせいか、何だかお互い意識してしまって、
緊張のせいか、きゅん君も、ぐーちゃんも、
ピンと直立したまま、微動だにしません。
なので、結果、シッポは何にも感情を表せませんでした。
「何だよ。ぐー。これじゃ見るも何もないじゃないか。もっとしっかり自然体でいてくれないと」
と、こぼす、きゅん君も全く自然体ではありません。
そんな全く無意味な状態がしばらく続きましたが、
その均衡を破ったのは、ママの一言でした。
「あっ、ママが僕を呼んでるー!これはすぐに行かなくっちゃー!」
「ママー!ぐー、今すぐ行きまーす!」
と、今までのことは、完全に何処へやら、
ふたりともシッポをめちゃくちゃフリフリして、
ママの元に駆けつけるのでした。
ふたりとも、自分のシッポが、
そんなに振っているとは知らないまま、
なので結論です。
きゅん君、ぐーちゃん含めてわんこたちは、
自分のシッポがどんな理由で、どんなタイミングで、
振られているかは、全く関知していないのでしたー。

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