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窓を開ければ

まずは本日の、いぬうた市の天気をお知らせ致します。
よく晴れて、まずまずの温度になってはいますが、
風もあるので、日中でも、
ちょっと前よりは過ごしやすい感じではあります。
なので、きゅん君と、ぐーちゃんの家では、
エアコンを使わずに、窓という窓を開けて、
風を取り入れて、しのいでいるのでありました。
そんな穏やかな昼下がりを、ふたり、
2階の寝室のベッドの上でのんびりしています。
「お外はきっと日向だらけだから暑いのだろうけど、ぐーの家の中はお風も通ってくれるので、とても心地いいわ」
ぐーちゃんは風を身体に感じながら、
気持ち良さそうに寝転んでいます。
「エアコンもいいけど、やっぱり自然の風には敵わないよね。ただ涼しいだけじゃなく、清々しい気分にもなるから」
きゅん君も、ぐーちゃんの隣で、
風の感触を楽しんでいました。
「お窓を開けているから、遠くの音さんもよく聞こえるわ」
ぐーちゃんが寝転びながらも耳をピン!と立てて、
辺りの街の音の様子をさまざまキャッチして楽しんでいます。
その、ぐーちゃんの言葉を聞いて、
ふと思った、きゅん君です。
「あれ?ということは、外の音がこっちによく聞こえるということは、こっちの音もよく聞こえるということじゃ、ね?」
ぐーちゃんは、きゅん君のこの何気ない疑問に、
「確かに」と思いました。
「じゃあ、今、話している、ぐーと、きゅんの会話もオモテにいる方たちに丸聞こえなのかしら?」
ぐーちゃんは、それはちょっとイヤだな。
と感じながら、きゅん君に言います。
すると、きゅん君が更に上を行くイヤなことを言いました。
「オモテどころか、同じように窓を開けている家には全部聞こえるんじゃないかな」と。
それを聞いた、ぐーちゃんは、
イヤを通り越して、怖くなってきました。
今、こうやって、きゅん君と話している内容も、
全部聞かれているんじゃないか?と思って。
そこに追い打ちをかけるように、きゅん君が言います。
「ぐーは特に声が大きいからな。もしかして、こうやって僕と話してても、聞こえるのは、ぐーの声だけかも知れないぞ」
ちょっと意地悪い顔で、ニヤリと笑って、
ぐーちゃんを脅かします。
その、きゅん君の発言に、すっかりとそう思ってしまった、
ぐーちゃんは、それ以降、どうせ聞かれるんだったら、
聞くに値する話をしなければならないと、
「はい。そうゆう訳で、今日も、ぐーがお届けしてますが、何てったって、最近の、いぬうた市はだいぶ秋さんの訪れが感じられますが」
などと、ラジオのDJみたいな話し方を、
し出したのでありました。

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