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【禁煙外来/禁煙体験談】薬(チャンピックス)に頼って1日30本のヘビースモーカーが禁煙した話。

かつて1日30本吸っていたわたしが、禁煙開始して6ヶ月が経過した。(めでたい!)

いまはタバコの匂いを嗅ぐだけで嫌になる。 そんな未来は「まったく」想像していなかった。

禁煙ウォッチ(アプリ)

軽い気持ちから30本へ

タバコとの出会いは大学時代。大阪の実家から京都までの通学が面倒で、平日は友人宅を転々とする生活だった。泊めてくれる友人の多くが喫煙者で、気づけばもらいタバコが習慣に。最初は1本、次第に増えていき、やがて「自分のタバコ」を買うようになった。

社会人になると、ストレスとともにタールの重さも増えた。出社前に換気扇の下で1本、1時間に1回は喫煙所へ。1日20本を超え、夜にはタバコを吸うたびに嗚咽する始末。彼女には「支障をきたすならやめなさい!」と怒られた。それでもやめられなかった。

「健康に気を使おう」と1mgのマイルドセブン(現メビウス)に変更。しかし物足りずにチェーンスモークし、結局1日30本に到達。

いまでもタバコは好きだ。独特の匂いも好きだ。喫煙は肯定派だ。

——だが、そんなわたしもタバコをやめた。

禁煙を決意した理由

1. 妊活(やめなければ未来がない)
結婚後、妻に「タバコをやめろ!」と言われ続けた。妊活が始まるとその圧力はさらに強まり、夫婦関係は険悪に。
そして、通っていた不妊治療クリニックで先生にトドメを刺された。

「タバコ、いますぐやめてください」

さらに、妊活に悪影響を及ぼすとしてAGA(ハゲ)治療薬も禁止に。

「わたしが禿げるのが先か、子ができるのが先か……髪の毛も子どもも大事だ。」

2. 親族の肺がん(未来の自分の姿かもしれない)
ヘビースモーカーだった親族が肺がんに。慕っていた身近な人がなったので衝撃を受けた。祖父も同じくヘビースモーカーで肺がんを患い、亡くなっている。

両親に「将来、こうなる可能性もある」と諭され、さすがに考えざるを得なくなった。

3. 胃の痛み(身体が限界を迎えていた)
数年前から、タバコを吸うたびにみぞおちがキリキリと痛むようになった。胃カメラを飲んでも原因不明。だが、タバコを吸わない日は痛まない。

精神的にも肉体的にも、「もうやめるしかない」と思うようになった。

禁煙開始:薬に頼る

周囲の友人が次々と禁煙に失敗するのを見て、「絶対に失敗したくない」と思った。調べると、禁煙補助薬「バレニクリン(チャンピックス)」の成功率は60%以上。喉から手が出るほど欲しくなった。

しかし、2021年に発がん性物質混入が発覚し、出荷停止。

——なんでやねん!2021年に戻りたい!

そんな中、自由診療で処方するクリニックを発見。安全基準以下のニトロソアミン含有量だという説明を信じ、オンライン診療で入手。12週間分で45,980円。

——たけえ〜。保険が使えた時代が羨ましい。

数日後、待望の薬が届いた。

禁煙ログ
1日目〜7日目

服用開始から1週間は喫煙OK。4日目あたりからタバコが不味く感じる。「これが薬の効果?」と半信半疑。

8日目

今日から完全禁煙のはずが、朝起きてすぐ1本吸ってしまう。午前10時に吸ったタバコを最後に完全禁煙の覚悟を決めた。

9日目〜14日目

禁煙開始1週間はイライラで地獄。頭がぼーっとして仕事が手につかず、タバコを吸う夢まで見る。
「二度と喫煙しない」と誓い、ライター・灰皿・タバコのストックをすべて捨てた。

15日目〜

ニコチンが抜け、薬の効果もあり、まったく吸いたくなくなった。

——すごいぞ!薬の力!ここまで来たらもう大丈夫だと思えた。

どこに行っても喫煙所を探し回っていた自分を振り返り、「タバコに生活を支配されていた」と気づく。薬の副作用が怖くなり、1ヶ月で服用を中止。

〜現在
歩きタバコをしている人とすれ違ったり、居酒屋で同僚が吸っているのをみるとタバコが欲しいなあと思うことはある。しかし、6ヶ月積み重ねてきたことが水の泡になると考えると、欲望を抑えることができている。

経験者のアドバイスが心の拠り所に

禁煙に成功した先輩からアドバイスをもらった。

「もらい煙草だけは絶対にしたらダメだよ。その1本がきっかけで喫煙者に必ず戻るから・・・」

——この言葉の威力がすごかった!苦しくなったら思い出した。

まだ欲望をコントロールできない禁煙開始1ヶ月くらいは、喫煙者と飲みに行くことはやめた。もらい煙草の誘惑に負ける可能性があるからだ。

禁煙して良かったこと

・6ヶ月で12日分の自由時間が増えた!(1本3分 × 禁煙本数5,779本)
・親と妻が大喜び!(人が喜ぶと、自分も嬉しい)
・薬に頼ってよかった!(やめるきっかけが大事)
・飯がうまい!(6ヶ月で7キロ増量)
・服も口も髪も臭くない!(自信が持てる)
・顔色が良くなった!(自己肯定感が上がった)
・友達の子どもを抱っこするのに気を使わなくなった!

——とはいえ、タバコが嫌いになったわけじゃない。

月に一度、シガーバーで葉巻を嗜む。でも、紙巻きタバコを吸いたいとは思わない。

結局、禁煙は「やめるきっかけ」が大事だった。

そして、いまは妻と仲良く過ごしている。(たぶん)

終わりに

喫煙者だったころ、「タバコをやめたらストレスが溜まる」と思っていた。でも、実際は逆だった。

タバコを吸わなくなって、自由になった。

息切れせずに走れるし、食事も美味しい。時間も増えたし、人間関係もよくなった。やめる前は「禁煙=我慢」だと思っていたけど、いまは「禁煙=解放」だったと実感している。

やめたいけどやめられない人へ。

「きっかけ」さえあれば、案外やめられる。

だから、もし迷っているなら——

薬という手段もありなのかもしれない。


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