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自分が「マネジャー」から「経営者」にスイッチが変わった瞬間

自身の任期が5月末に始まり、5ヶ月が過ぎた2020年10月、「人材マネジメント入門」の本を読む中で、自分自身が「マネジャー」から「経営者」に移り変わりつつあることに気づいた。同時に「マネジャー」はできているが「経営者」には到底なりきれていないことに気づき、まあまあ凹んだ記憶がある。

マネジャー、経営者それぞれから見た「人材マネジメント」(HRM)

上記、「図解 人材マネジメント入門」から引用[p30]「HRMとは」

管理職(マネジャー)の方へ
人事部門が全社のHRMを支援する役割、言わば名脇役だとすれば、マネジャーとは「全てのメンバーが能力を発揮して貢献できる環境を創造する」役割、つまりはHRMの主役である。...略...。マネジメントとは「なんとかする」ことである。そのために自社や日本企業の特徴と原理原則を知り、組織の成果をあげる道具とすること。
経営者の方へ
経営者のHRMにおける役割は、自社の大きな方針を「指し示す」ことである。外部環境が変わり続ける中で、どのように世の中に「適応」し、何を「一貫」させていくのか。言っていることと、やっていることが一致している企業に優秀な人材は集まり定着する。変えなければならないところと、変えてはならないところを明確にして「人を生かし、短期・長期の組織パフォーマンス」を最大化していく

いうまでもなく、10月は私にとって「マネジャーから経営者に役割が変わっていく時期」であった。10月まではチーム内のタスクチームの管理と事業運営がメインであり、私はサーバント型リーダーシップを生かし、プレイングマネジャーとしてチーム内のHRMをしていた。全国規模でのSlackへの移行やWebの一新、大小さまざまな全国事業を展開しながら、全てのメンバーが能力を発揮できるよう、リソースの配置、サポートを継続していた。

同時に、私の組織は今年度が三カ年計画(2018-2020)の最終フェーズであり、来年度から3年の新たな三カ年計画(2021-2023)を策定、施行する必要があった。10月も後半になり、任期が半ばになるにつれて、「この組織はこれからどういう方向に向かっていくのか」「これからの時代のミッションは何か」など、組織の方向性、ミッション、ビジョンを考えることが多くなっていった。同時にそれらが見えなくなり、組織の価値や自身が頑張る意味が見えなくなり、メンタルが崩れていく日々だった。

「外部環境に適応し、価値を再定義する」経営者の大変さ

組織のビジョンやミッションは、基本的に会社創業時に一度決まるものである。それは「会社を起こす」というアクションが取られる時点で、社会をどう変えたい、何をしたい、これを達成するためになぜこの会社が必要なのか、などの答えが「会社の価値」として明文化されており、創業メンバーの中に深く浸透しているからである。

難しいのは「価値を再定義する」段階である。外部環境・社会・消費者や顧客のニーズが変容する中で柔軟に対応し、組織内のメンバーも変わっていく中で「組織としての価値を再定義する」ことは並大抵ではない。要は、イシュー探しから始めなければならないのである。今までやってきたことを冷静に捉え、変える必要があるならば変えなければ行けないし、必要なものがあるならば新たに導入しなければいけない。

そのような「価値の再定義」が求められる瞬間に、ただの21歳の大学生が代表として関わるのだから、そりゃあストレスも溜まるだろうなという感じである。組織のニーズ・存在意義を考え、問題整理をし、イシューを探し仮説を立てる、そのために不必要なものにノーという。そんな困難なことに直面していたのが10月であり、自分のスイッチが「マネジャー」から「経営者」に変わっていった時期である。

メンバーとの協力と明文化

自分は結局、メンバーに対し「経営者になりきれていない自分をさらす」決断をとった。ある意味自分らしいとは思う。その時に経営者としての思考能力や意思決定力があって、「組織の価値」をバンバン再定義できる状態だったらよかったのかもしれないが、少なくとも自分はそうではなかった。

Slack上で、自分が悩んでいたことをシェアした。「組織としての存在意義が見えなくなりつつあること」「どのような未来に向かっているのかわからないということ」など、ずっと自分を悩ませてきたコンテンツをシェアしたのである。経営者になりきれない、ガタガタな自分をさらすことになったが、結果的にメンバーから実にさまざまなフィードバックや意見をもらうことができ、イシュー探しが進んだ。心理的安全性が私のSlackにはあったのかな、と感じたりした。

それから3ヶ月、発見したイシューの言語化、方針の策定と長期計画作りをする中で、自分は少し「経営者」的な人間に近づいたのかなと思う。もちろんただの大学生であり、私の組織も給料を払っているわけでは無いため、全然経営者では無いのだが、思考として少しは「経営者」的視点から状況を考えられるようにはなったと思う。とても大変だが、達成感を感じつつ頑張っている。

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