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タイ現採限界OLがTinderを本気でぶん回してみた結果 その③山崎(無料)
AMPM10時2択マンと錦戸オッパから落ち込む暇もないぐらいの光の速度で瞬殺されたあと、少なくともプライドは傷ついた。
傷ついた自尊心は新たな恋で取り戻すしかないという祖父の遺言のもと、Tinderの土俵に戻った。
お次はプロフィール写真・自己紹介の情報は少なかったものの、話せる言語が英語・タイ語・とある欧州言語の方。いやこれ絶対海外生活長い選ばれし実家太つよタイ人やん!激アツ!
しかもマッチ翌日に早速飲みのお誘いという仕事の速さ。話が早い人が好きなので、月曜だったが会うことにした。先方の最寄り駅でおすすめのお店があると指定され、私の家からはそんなに近くない、というか遠いためなんでそっちの最寄り駅やねんと多少モヤるもまあ俺のええとこ見せたいお年頃なんだろうと流すことに。
着いてみると雰囲気良いお店。しかも現れたのは身長185cmオーバーのスタイル抜群イケメン!上腕二頭筋鍛えててセクシー!西洋圏において身体鍛えていない男はモテないとは聞いていたが、想像以上に鍛えていた。ワイ、肩鍛えてる人好きなんや…しかも声がかっこいい!こちらの性癖(?)を序盤からガッツリ押さえてきた欧州育ちタイメンは英語もとんでもなく流暢だった。
偏差値2の私でも自己紹介から趣味の話等、さすがに繰り返してきた英語は流暢に話せるもので「日本人は英語が苦手な人が多いって聞いてたけどとても上手なんだね!」とお褒めの言葉をいただいた。この初回英語テンプレチートが後々自分の首を絞めることになる…
音楽の趣味が合うため話が盛り上がり、しかもお互い一番好きなお酒は山崎ウィスキー。山崎飲みに行こうよ!ボトル2本キープしてるんだ!と言われ、月曜だし家遠いし…とか諸々よぎるもイケメンの雰囲気に流されてそのまま2軒目に行くことに。
歩いている途中、セブンでソーダ買ってこうと言われ、ん????んんんん????ソーダ???店に持ち込むスタイル???こ、これはまさか…と疑念が浮かぶもそのままタクシーに乗り込み、着いた先はやはりコンドミニアムの前だった。
ああーーやっぱりかァァーーーやっちまったなーーー。ボトルキープって店じゃなくて部屋だったのかーー英語が流暢すぎて聞き間違えてもたーーーー。(偏差値2)今回は慎重に進めたかったのに。。。
諦めてソファに座り、好きな音楽をYouTubeでお勧めし合う楽しい時間を過ごした。ウィスキーだけでなく果物や野菜をオシャレに刻んだカクテルも振舞ってくれた。こやつ…手練れ…。
実は会う前日にソロ参戦していたタイのどちゃくそローカルバンドのコンサートが良かったのでシェアしたところ、彼のいとこもまさかの参戦してて、40人ぐらいしか入らない小さな箱でこんなローカルバンドの好みかぶるなんてそんな偶然ってあるんだね〜と大盛り上がり。彼は好みドンピシャなバンドを知れて本当に良かった!とその場でバンドのインスタフォローしてほぼ全ての投稿にいいねするぐらいのハマりよう。こんなニッチなジャンルの音楽まで合うなんて…と前日のローカルバンドライブに従姉妹が参戦してたただの偶然すら運命を感じてしまうほど脳内はお花畑に…
そんなこんなで話は尽きず、月曜深夜に帰るのもだんだん面倒になり開き直って男らしく泊めてもらうことに決定!飲みすぎて爆睡し、気づいたら翌朝7:30だった。しかも「昨日はよく眠れたみたいだね!盛大にいびきかいてたよ!」というフィードバック付き。終わった。。初対面の人の家に泊まっていびきかくとかしにたい。
またあとでメッセージ送るから話そうね!と言われ、まあこれきりだろうなとほとんど期待せず出社。が、その後すぐにメッセージをくれ、次は週末会おうという展開になり胸熱。あれっ?!なんか初手でだいぶやらかしたけどこれは期待していいかも?その後毎日やり取りは続き、週末はジャズを聴きに行くことになった。
ジャズバーではまるでカップルのように密着し、その人目を気にしないスキンシップが日本にない欧州文化のそれで新鮮な気分。「また会えて嬉しい」と何度も言ってくれた。
それからというものの毎週末会うことになり、お互いの推しのコンサートに一緒に行ったり楽しい日々は続いた。
相手が音楽好きなのは知っていたが、ヨーロッパのアーティストから地元タイのローカルバンド、日本のサブカルシーンも多少カバーしていたりと守備範囲が広いのととにかく音楽の趣味がいい。なんでnujabes知ってるの?笑 そのセンスからインテリジェンスさえ感じる。会うと必ずお互い最近見つけたお勧めアーティストを紹介し合ったりと楽しい。小さなことだけど「いつも僕に親切にしてくれるから」とこっそりコンドの守衛さんに酒の差し入れしてるのも好きだったw 私は内面の魅力にもすっかり惚れ込んでしまった。
ただ悲しいことに、次のステップには進めなかった。なんだかんだかんだ毎週会ってはいたものの最初のジャズバーの約束以降、週末の予定が事前にブロックされることはなく、決まって木曜か金曜という「直前に」しかも「彼の先約が終わってからもし時間が合えば」という条件付きでの打診だった。
家飲みして翌日はランチやカフェには行く。しかし決して先約はしてくれない。インスタでは友人達との先約だらけの楽しいストーリーが頻繁に更新される。その辺のハトより低い自分の優先順位に落ち込みつつ、会えばまるで本当のカップルのように愛情深く優しく接してくる。そして毎回夜を求めてくるでもなく、普通に音楽とお酒を楽しむだけの日も多い。
理由は薄々わかってはいた。それは自分があんなに条件で重視していた語学力だ。彼はネイティブ並みに英語が流暢で、好きになる相手のキーワードはkindとsmartと日頃から明言していた通り、相手との深いコミュニケーションを求めていた。
私はといえば、簡単な日常会話には困らないものの深い対和となると別問題で、かつ自分の気持ちを深いレベルで表現する機会など日本では到底なかったわけで…と言い訳がましくなるが、高い言語の壁が立ちはだかった。
ああ私はつまりsmartではないんだな。あまりコストをかけることなく、深いコミュニケーションでなく隙間時間を楽しめるちょうどいい相手が私なんだな…という辛すぎる現実は自覚していたものの、会えば楽しいし、なかなか次に進む勇気もなかった。このままでは相手が変わっても同じことの繰り返しだ…悔しさと恥ずかしさで早朝に目が覚めることもあった。このままではいけないと英語を勉強し直すことにした。朝とランチの隙間時間と夜は英語学習に充てた。
先約しないのがもはやタイの条例で決まってるのではないかというレベルの日々が続いたが、なんとソンクラン(水かけ祭り)は車で片道2時間のところまで遠出しようとお誘いが!これは本当に嬉しかった。
初めてのタイでのソンクラン、しかもバンコクではなくローカルエリのお祭りに心躍らないわけがなく、楽しい時間はあっという間に過ぎた。
が、あくまで付け焼き刃の英語で臨んだ身。1日半の強制英会話ビリーズブートキャンプに疲れ果て、向こうはおそらく私以上に疲れ切ったのであろう。帰りの車はほぼ無言で、それからというものの連絡頻度はグッと落ちた。
もうこれはさすがにダメだろうなと思っていた中、極めつけは私の一時帰国だった。帰国スケジュールを聞かれて答えたらなぜか私が帰国予定と伝えた初日に会おうと言われ、混乱したもののそこは惚れた弱味で「もしかして少しでも帰国日程を少なくして会いたいのかな?!」とか浮かれポンチトンデモ持論を下し、最終的には向こうの予定を優先して飛行機をズラした。情けない…。それが帰国1ヶ月前の出来事。なのに直前になって「その日に先約があったことを忘れてたごめん!でも帰国前に君は一日You can chill」とか言われてドタられ、打ちひしがれた。それ絶対直前にお誘いされたイベントの方が楽しそうだからそっち優先したやつだろうが。てかYou can chillじゃねーよ。勝手にチルさせんなよ。こちとら飛行機お前のためにズラしたんだよ。
その後、タイへの帰国日も車で空港に迎えに行けるかもと言われたものの結局間に合わないと断られ、さすがに悟る時がきた。いくらなんでもこんなハト以下の扱いはない。もはや私は連絡することをやめたし、向こうからの直前の誘いも断ることにした。
一部始終を知っている友人から「てかそもそも山崎で釣られるのなんて安すぎる。お前のLINEの名前ぜったい山崎(無料)に書き換えられてるよ」と断言されるw ド正論はやめてくれ…おれの㏋はゼロだ。そして友達の間でYou can chillがしばらく流行語になった。
来世は山崎(有料)目指して精進しますと締めくくるのであった。
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(後日談)もともと音楽の趣味がシンデレラフィットしていたのもあり、インスタでライブ情報共有し合ったりと今ではすっかり音楽友達になりましたw なんなら引越し先の新しいコンド候補探してくれたりとか、タイ人の距離感まだほんとよくわからんw