見出し画像

不動産取引における業者間トラブル 

 業界の複雑な構造や各業者の役割、手数料の取り決めなどが原因で発生することが少なくありません。特に、売主(Aさん)、売り仲介業者(B社)、買い仲介業者(C社)、買主(Dさん)、そしてコンサルタント(Eさん)といった複数の関係者が関与する取引では、情報の伝達や手数料の分配に関する誤解や不一致がトラブルの火種となり得ます。

業者間トラブルの具体例

 ある取引において、賃貸を主業務とする不動産会社が初めて売買仲介を担当しました。この会社は大手不動産会社との取引経験から、「大手は6%の手数料を得るのが普通」と誤解し、2億円の物件売買で600万円の利益が出ると期待していました。しかし、実際にはそのような高額な手数料は特別な条件下でしか得られず、一般的ではありません。
 →まずここでそのような業者とばかり話をしているため感覚がマヒしてしまいまともに会話が出来ないのが寂しいですがトラブりたくないのでそうですよねとしか私も言いませんので増長してしまうのでしょう。

 この取引では、買い仲介業者(C社)が買主(Dさん)に対し、自社で物件を仕入れて仲介することで「両手取引」とし、D社には後で手数料を分配する取り決めをしていました。これは、売主(Aさん)が正規の手数料を支払わない可能性を懸念しての措置でした。しかし、精算書を確認すると、実際には「両手取引」ではなく、C社の片手の仲介となっていました。この結果、関係者間で「手数料の取り決めが違う」との指摘があり、トラブルが発生しました。

トラブルの背景と原因

  1. 手数料に関する誤解:賃貸を主業務とする不動産会社が、売買仲介の手数料体系を正しく理解していなかったこと。大手不動産会社の特別な事例を一般的なものと誤解し、過度な期待を抱いていた。

  2. 情報共有の不足:関係者間で手数料の分配や取引の進め方に関する情報共有が不十分であったこと。特に、売主(Aさん)から手数料を得られない可能性を理由に、買い仲介業者(C社)が独自の取り決めを行ったが、その内容が他の関係者に十分伝わっていなかった。

  3. 契約書の不備:手数料の分配や取引の詳細に関する取り決めが、正式な契約書として作成・署名されていなかったこと。これにより、後々のトラブル発生時に明確な証拠や合意内容を示すことができなかった。

トラブル回避のためのポイント

  • 事前の明確な合意:取引開始前に、関係者全員で手数料の分配や取引の進め方について明確に合意し、その内容を文書化することが重要です。これにより、後々の誤解やトラブルを未然に防ぐことができます。

  • 情報共有の徹底:取引の各段階で、関係者間での情報共有を徹底し、全員が同じ認識を持つよう努めることが必要です。特に、手数料や契約内容に関する変更や特別な取り決めがある場合は、速やかに全員に伝達することが求められます。

  • 専門知識の習得:各業者は、自社の主業務以外の取引に関しても基本的な知識を習得し、誤解や過度な期待を避けるよう努めるべきです。特に、賃貸を主業務とする会社が売買仲介を行う場合などは、事前に十分な情報収集と学習が必要です。

まとめ

不動産取引における業者間トラブルは、情報の非対称性や誤解、契約書の不備などが原因で発生します。これらを防ぐためには、事前の明確な合意、情報共有の徹底、そして各業者の専門知識の習得が不可欠です。また、取引の各段階で適切なコミュニケーションを図り、関係者全員が同じ認識を持つよう努めることが、トラブルの未然防止につながります。

このようなトラブルを避けるためには、取引の初期段階から関係者全員での話し合いを重ね、手数料や契約内容についての共通理解を深めることが重要です。また、正式な契約書を作成し、全員が署名・捺印することで、後々の紛争を防ぐことができます。

不動産取引は高額な資産が関わるため、些細な誤解や情報の行き違いが大きなトラブルに発展する可能性があります。そのため、関係者全員がプロフェッショナルとしての自覚を持ち、適切な手続きとコミュニケーションを心がけることが求められます。

 皆様はABCDEの関係者についてどう思われますか?
 Aは約束通り物件が売れた。仲介手数料を正規に払った。
 Bは仲介手数料分を確保できたがもう3%貰えるものだと思っていた。
 Cは仲介手数料をDから正規に貰った
 D契約書通りの金額で売買しているためそのまま買い受けた
 E約束事がないため結果報酬を貰えるかどうかは不明だがBからの依頼の為Bが満足いかなかったら貰うまではいかない認識
 誰が都合よく誰が損かは一目瞭然ではないでしょうか
 何も隠していなくて書類は開示されているため推測ですがきちんと眼を通していないので精算書を見て愕然としたのではと思いますが意外に多いですし。最初に条件提示をしておかないと認識不足に繋がりますよい事案だと思わされました。

いいなと思ったら応援しよう!