『コンセプト・センス 正解のない時代の答えのつくりかた(著:吉田将英)』〜コンセプト・デザイナーとは?現代に求められる新しいクリエイティブの形
【内容】
電通のコンセプト・デザイナーによる「人を動かす企画」を生み出すコンセプトデザインの考え方と実践プロセスを解説した本。
【感想】
電通に「コンセプト・デザイナー」という職種があることを、この本で初めて知りました。これからの時代におけるコンセプトワークの重要性を背景に、そのロジックの立て方を解説した内容です。『地図よりコンパス』や『遊び』といった今風のキーワードを絡めつつ、具体的な成功事例を紹介しながら、著者自身の仕事や商品・サービスの展望についても語られています。
同じ広告業界の書籍でも、デザインやコピーライティングのような具体的な成果物がないため、どうしても話が抽象的になる部分があると感じました。しかし、現代では誰でも手軽に情報発信ができる時代になったからこそ、コンセプトワークの重要性がさらに問われるようになっているとも思いました。
こうした広告代理店の在籍・出身者によるアイデアやコンセプトに関する本は、セルフプロデュースの側面も感じつつ、その手法を垣間見ることができ、気軽に楽しめる読書になると感じます。特に、広告代理店のクリエイターが書いたアイデア本は、時代の要請や空気感を反映しているので、社会を別の視点から眺めるきっかけにもなり、そこが魅力だと改めて感じました。
https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866214740/