『フィンランドの覚悟』(著:村上政俊)〜ムーミンの国の安全保障
【内容】
ロシアによるウクライナ侵略以降のフィンランドを、安全保障という面から捉え直した本。
【感想】
フィンランドといえば、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの生まれ育った国です。そのムーミンの最初期の一作である『ムーミン谷の彗星』は、実は米ソ冷戦下の核戦争を暗喩していたことをご存じでしょうか。
今回紹介する本を読んで、ムーミン谷の世界観は、当時のフィンランドが抱えていたソ連に対する潜在的な不安や恐怖を反映しているのではと思いました。
この本は、そんなフィンランドの防衛政策を深く掘り下げ、そこから日本の防衛政策や政治のあり方を考察しようとするものです。ロシアという大国と隣接するフィンランドは、自国の安全保障を最優先に、慎重かつ長期的な視点で防衛政策を展開してきました。その姿勢は、日本の私たちにとっても、多くの示唆を与えてくれると感じました。
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594094263