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元不動産業界から、酒場激戦区新橋の居酒屋オーナーへ


酒場の魅力に惚れた元不動産業のサラリーマンが、個人店を作ったワケ

新橋

平日の夕暮れ時の新橋は、
色とりどりの店が徐々に灯をつけはじめ、
サラリーマンにとっては魅惑的な店で埋め尽くされる。
チェーン店ももちろんあるが、新橋の面白さと言ったら、
やはり個人店オーナーが作り出す、個性あふれる酒場だろう。

その一角にひっそりと佇む店「酒と人と肴 今ここに」。

酒と人と肴 今ここに

6坪11席の小さな店だが、のん兵衛たちだったらわかるだろう。
客同士で会話が弾み、そしてオーナーとの距離も近い絶妙の間隔。
食を求めて、いや、人は人を求めて街に繰り出すのだ。

オーナーの井上さんは、もともと不動産業界の企業に勤めていた。
飲み歩きが好きで、いつか一人で何かをやってみたい。
私の周りにも、自分の店を持ちたいと男の浪漫を語る人は何人かいるのだが、実際に行動に起こす人はなかなかいない。
そんな中、個人として何かを成し遂げたいという強い想いから、会社を退職し、本当に自分の店を始めてしまったのだ。
この行動力。私も見習わなければと思ってしまった。

酒と人と肴 今ここに

「今ここに」には、日々新橋で働くサラリーマンやOLの人たちでにぎわっている。時には井上さんの高校の同級生が集まったり、日本に訪れた旅行者が訪れたりと、知る人ぞ知る店のひとつだろう。

夜は「今ここに」、それ以外は誰かの店。

そんな井上さんの店では、昼間や定休日を開業体験の場として提供している。
「1つの店舗でも色んな人が別のお店として営業することで、店舗自体の価値が上がる。お客さんがお客さんを呼び、様々な方面で幅が広がっていくと考えているんです。」

2023年の12月まで「今ここに」を間借りさせてもらっていたハリーさんとリノさん。
2人は口を揃えて「井上さんに出会ってよかった」と言っていた。
その理由は、飲食店経験がない2人が脱サラし、飲食店での経験を積んだのちに開業を目指しているということ。
それは、井上さん自身がやってきたことと重なり、「まずは好きなようにやってみてください。」と2人のやりたいことを尊重してくれたことが嬉しかったとハリーさんは言った。

ただの店は世の中にたくさんある。
ただの間借りは割り切った関係で繋がる。

井上さんの店はそうではなく、
人が集い、人が繋がり、その輪が広がっていく店だ。

新橋の夜。
今日も「今ここに」にはカウンターいっぱいにお客が溢れているかもしれないが、その空気感を味わいに、ぜひ行ってみてはどうだろうか。

■「今ここに 酒と人と肴」
〒105-0004 東京都港区新橋3丁目14−6 小林ビル 1階
営業開始: 18:00~
SNS:https://www.instagram.com/imakokoni.pub/

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