カーブでの川の流れる速さについて(1)

小学校の時に川はカーブの外側の方が流速が速くて内側の方が遅いので堆積が進むのだ、という説明を受けた。しかしこの説明はカーブ外側の方が流速が速いこと自体の理由を説明していない。私が振り返ると(これは勘違いかもしれない)

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図の左側の点線から右側の点線まで行く時に、カーブの外側の方が距離が長いので速い、というような「説明」を受けたような、受けていないような気がする。そもそもこれはおかしな図で、同じ時間だけ過ぎた時に左側の点線が揃って右側の点線に到達する必然性はどこにもない。実際、同じだけ時間をかけた後に辿り着く先は

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赤線のようになるかもしれず、だとしたら速度が外側の方が速いなんて保証はないため、仮に黒点線まで行くとするなら、その理由が必要なのである。

さてちょっと調べてみると、河川の底の深さが一定であれば流速は内側の方が速いという結果がある。これについて理論的考察よりも先に実験結果をお見せする。

この動画を掲載している日本機械学会のwebページを私が理解した限りでは、この箇所の理解については完全流体についてのベルヌーイの法則と、向心力の扱いによって理解されることらしい。実際それは以下のような意味であり、それは確かにこれを説明する理屈としては筋はあっている。(妥当かどうかについてはより深い検証を要すると思うが)

ということで、ベルヌーイの法則と向心力の扱いについてそれぞれみていく。ベルヌーイの法則は流体の場合、物体は圧力が高い点から低い点に移動する際にはその圧力の差から加速を受ける、という自然に起こりそうなことを言及しているものだが、圧力が位置エネルギーの役割を果たしていて、圧力が高いところほど遅く、低いところほど速いという話。

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そして向心力、すなわち、「カーブを曲がっている以上、その箇所にある力が受けているはずの力」を考察するとこうなる。

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このようなことによって、流れの外側ほど圧力が高く、内側ほど圧力が小さいことが推測される。これについては、カーブ内側の粒子がカーブをたどるための向心力が外側に行くほど積算されるので、内側と外側の速度分布には寄らず、この傾向が出てくると考えられる。

この2つを考えると、圧力が小さい内側ほど速く流れ、外側ほど遅く流れる、ということが予想されるし、そういう説明が自然となる。

しかし我々の理科の教科書は外側の方が速く、内側の方が遅いと教えるし、実際それはある程度は間違いなく正しそうなのである。これより先の部分については余力があれば考察して再度記事を書くが、私の理解にも自信がないので一度ここで筆を置くこととしよう。

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