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【保存版】転職エージェント、人材紹介会社の選び方、そのすべてを公開 ~人材紹介会社の詳細と裏側編~

こんにちは。転職野リアルです。今回は「転職エージェント、人材紹介会社の選び方」について、約20年の人材業界経験から、皆さんに詳しく、どこよりも役立つ内容をお伝えしたいと思っています。どうしてこの内容を今さらまとめようと思ったかというと、本当に多くの方が、とりあえずいくつかの人材紹介会社に登録し、結果として嫌な思いや無駄な時間を過ごしていることが多いためです。転職をするご本人はもとより、お互いに時間が無駄になってしまうことを避けるべきだと思います。今回の内容を決定版、保存版として是非ご覧いただけると嬉しいです。内容は2回に分けており、今回は大前提、知識として入れておいたほうが特になる、概要をまとめています。

転職エージェント、人材紹介会社のビジネスモデルをまず知ろう

こちらの内容については、ご存知の方は読み飛ばしていただいても構いません。まず、転職を検討している方で人材紹介会社を利用したい方については、基本的にどの人材紹介会社でも無料でサービスを受けることができます。人材紹介会社は、企業と人材紹介契約を締結し、企業から収益を得ているため、基本的に、人材紹介の収益=転職者:企業=0:100、となります。この企業から人材紹介会社が得ている収益は、理論年収と呼ばれるものの、30~40%が一般的です。

理論年収の定義はさまざまで、単純に月給と賞与を含んで理論値を算出するものが一般的です。例えば、月給50万で12か月だが、賞与が基本平均4か月分なので、それを理論年収として計算する、という具合です。つまり、50万×16か月分=800万円が理論年収となります。もちろん年俸制の場合は12か月分、また、上記のように賞与があっても賞与を含まない場合もあれば、見込み残業代をいれるなど、人材紹介会社と企業との契約内容によりことなります。何れにしても、内定通知書から理論年収を算出し、それが800万円であれば35%の人材紹介フィーの場合、280万円が人材紹介会社の売上となります。

人材紹介会社よりも、さらに高いフィーを得るビジネスモデル

ちなみに、ヘッドハンティングやサーチファームと呼ばれる会社の場合、この紹介フィーが50%や80%など急激に高くなります。また、リテーナーフィーと呼ばれるものが発生することもあります。これは前金、手付金のことを意味し、採用支援活動を企業に対してスタートさせる際に、例えば400万、600万などを企業から先にいただき、採用決定すればさらに理論年収に対する紹介フィーが発生するものがほとんどとなります。

「転職エージェント、人材紹介会社」と「ヘッドハンティング、サーチファーム」の違い

企業にとっての利用のしやすさ、身近さは「転職エージェント、人材紹介会社」のほうになります。ざっくり言うと、ここぞというときに「ヘッドハンティング、サーチファーム」を利用するイメージです。

「転職エージェント、人材紹介会社」を企業が使う場合、リクナビネクストやエン転職やDODAなどの転職サイトで採用できないと判断した場合や、選考に来る転職者の質を上げたい場合、採用予定人数が多く事業計画に追いつかない場合などに多いです。特に資金調達をして勢いがある会社、大企業でポジションが常に200や300以上オープンになっている会社などもそうです。企業によりますが、人材紹介会社を使う際は、何社も、何10社もに声をかける人事の方が多いです。求人票が明確にあり、「このポジションをうめてほしい」という依頼です。多くの転職エージェントは、複数の取引先の1社として扱われ、あまり頼られている感がしないこともあるので、企業側もそれをお分かりな方も多く、個別に転職エージェントのコンサルタントに「頼りにしています!」という期待をかける言葉を伝えて、いわゆるエージェントマネジメントをされている採用担当の方もいらっしゃいます。

「ヘッドハンティング、サーチファーム」は根本的にやっていることが異なる

一方、「ヘッドハンティング、サーチファーム」は経営幹部クラスや、特殊なポジション(例えば特殊なスキルセットや、世の中に限られた人数しか対象がいない方をターゲットとする場合)に企業から選ばれることがほとんどです。秘匿性が非常に高いものを扱うことが多く、企業側で「ヘッドハンティング、サーチファーム」のコンサルタントに相対する方も、その企業の社長などの経営ボードメンバーや人事責任者であることが基本です。

秘匿性が高いがゆえに、1社や、多くても数社にしか声がかからないため、企業との日々の関係性が重要になります。求人票の内容がないこともあり、あっても概念的なものであることも。経営幹部の仕事は、ふわっとした表現であることが多くあるため、ヘッドハンターがどれだけその会社に対してイメージを持っているかが重要であり、ヘッドハンターの腕の見せ所です。ヘッドハンターのほうがガツガツした力強いアプローチをする交渉力の高い方が多い傾向にあります。彼らが扱う案件の年収は少なくとも1000万~2000万クラスであり、5000万円や1億円の年収案件も取り扱います。リテーナーフィーが発生する要因のひとつは、ヘッドハンターは、依頼主の企業とターゲットについて議論し、個人名を特定するところまで行い、直接その個人にコンタクトをとることがあるのですが、そのコンタクト先が別の顧客の経営幹部であることもあります。この動きがもし筒抜けであれば当然その顧客からクレームがきます。だからこそヘッドハンターもリスクをとっているためのリテーナー、また、単純に期日を決めて3か月その会社のすべてを集中して採用支援してもらうためのリテーナーということもあります。

転職エージェント、人材紹介会社が利用する転職サイトについて

ここで言う転職サイトとは、Bizreach、CAREER CARVER、エンミドルの転職など、人材紹介会社への登録を検討されている皆さんが登録するサイトのことを指します。結論、本当の意味で非常に優秀なコンサルタントは、あまりジョブサイトを使わない傾向があります。全く使わないわけではないと思いますが、転職者の集客ルートが1年以上継続して、99%上記サイトであるコンサルタントは本当に優秀とは言えないと思います。まず、優秀なコンサルタントは、リファーラルを得るためです。リファーラルは第三者からのご紹介です。例えば最初の1年間は転職サイトを積極的に利用。1日に2名と面談、1年間で240日営業活動をしたとすると、480名の転職者と面談をしていることになります。その5%に別の誰かを紹介いただいたとすると約24名の転職者の方をご紹介いただけることになります。転職者から信頼を得て、こうしたサイクルが回っているコンサルタントが最も優秀です。

転職サイト運営会社に「転職エージェント、人材紹介会社」などが支払う金額

また、転職サイトを利用して転職者と面談し、紹介先に決まった場合、多くは実は、「企業からいただく紹介フィーの20%以上」を転職サイトに支払う必要があります。例でお出しした理論年収が800万円の場合、35%の人材紹介フィーで、280万円が人材紹介会社の売上ですが、この20%、つまり56万円以上を転職サイト側に支払うこととなります。それを分かっているコンサルタントは、あまり転職サイトを使いたがらないのです。ですから、Bizreachのようなサイトではコンサルタント評価が5点満点中4.5点、などと表示されるのですが、一概にはそれだけでは判断できません。なぜならこの点数は、その転職サイトを使って決まった人数の多い少ない、年収の高低、スカウトメール送信数、返信率などの総合評価で決定するため、あくまでも「そのサイトを使い倒して決めまくっている」コンサルタントが評価される仕組みであるためです。転職サイト運営会社側の戦略としては非常に正しく、こうして高得点の評価を得たコンサルタントは、その転職サイトにおけるスカウト返信率も上がることになり、ますます抜け出せなくなります。そのコンサルタントが売り上げをあげればあげるほど転職サイト運営会社も儲かるため、win-winではあります。しかし何度も申し上げるように、その転職サイトでの評価が高いことが必ずしもコンサルタントとしての力があるとは言い切れないため注意が必要です。

人材紹介会社経由で転職をした場合の退職しようと思った時あるある

既にお伝えした通り人材紹介会社の売上は「年収×紹介フィー」で決まります。ですので最後の最後、できるだけ転職者の方が納得できるような、そして自分自身の売上をより上げるためにも、年収交渉を頑張って対応してくれます。

一方、人材紹介契約のなかには、「返金規定」というものが存在します。これは例えば「入社後の退職が1か月以内で80%の返金」というかたちで表記されます。つまり、あなたが転職した会社を2週間であなたの判断で(つまりあなた都合の判断で)辞めた場合、人材紹介会社は80%を企業に返金しなければならないということになります。

一般的にはこの返金規定は、1か月以内の退職で80%、3か月以内の退職で50%、など期間によって返金率が変わる内容になっています。多いパターンは、最大でも3か月、6か月、12か月での保証期間、この3パターンです。大体の場合が、3か月以内か6か月以内となっています。それ以降は返金規定は適用されないため、もしご紹介者が退職となっても人材紹介会社に返金の必要はありません。

「そろそろ辞めようかと思ってるんですよ」という話をコンサルタントにすると、やたら退職時期を先延ばしにしようとするコンサルタントがいた場合、「返金っていつまでの契約なんですか?」と聞いてみると良いかもしれません。ただ、良いコンサルタントなのかと言うとそういう対応をする時点で微妙ですが・・・。ただ多くのコンサルタントは、入社後に問題があった場合に真摯に対応してくれる人たちです。ですのでもし入社後に何かあっても一人で悩まず相談してみてください。

人材紹介会社の詳細と裏側編

少し長くなりましたが「転職エージェント、人材紹介会社」、「ヘッドハンティング、サーチファーム」等についてビジネスモデルをご認識いただけたのではないかと思います。次回は、あなたに合ったコンサルタントをどう見つけるか?について書かせていただきますので是非ご覧ください。


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