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虹ヶ咲完結編第1章感想 - そうだ沖縄、行こう。

こんにちは、てんわんです。映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』、公開初日に観ることができました。早速、感想を書いていきます。

璃奈ちゃんボード『この先、ネタバレ注意!』

入場特典の色紙は侑ちゃんでした。可愛い。

スクールアイドルGPX開幕! トップバッターしず子!

映画の始まりは侑ちゃんによる「PREVIOUSLY」から……つまるところ「前回までのラブライブ!」です。第1話の「私もスクールアイドル、やってみたい!」のシーンの劇伴『大好き!!!』がずっと流れていたんですが、あれが好きすぎてそれだけで泣きそうになっちゃいました。
こちらの映像はYouTubeで公開されています。

ソロ曲のMVもダイジェストで流れていたんですが、みんなアップなのにりなりーだけずいぶん引きだったんですよね。後ろのモニターまで入れたかったのかな……あそこに映るあの子もりなりーにとって大切な存在ですからね。まぁこれ以上は映画の本筋から外れてしまうので、この辺で。

本編が始まると、初っ端から水着! みんな可愛いのですが、推しの嵐珠の水着がかなり際どくてドキドキしました。脇腹がガッツリ開いているので、体の前面の布面積がとんでもないことになっているんですよ。ボール投げるとき「おっしゃー!」って言うのも可愛い。そしてしれっと溺れかけるかすみん。

そんな中12時を迎えると、しず子がスマホからスクールアイドルGPXグランプリにENTRY! するとカメラがしず子を捉えます。……屋内プールで水着の女子高生を自動追跡するカメラ、絵面が犯罪的すぎるかも。

「桜坂しずく、ここで決めます!」

波と共に 領域展開して 衣装が切り替わります。PVの時点でも注目を集めていた水着風衣装です。曲が始まってすぐのところ、ジッパーを開けて胸が弾むカット、レッグガーターで太ももを強調するカットが一瞬入ったのを見逃しませんでしたよ。アニガサキがこういうカットを入れるのはけっこう珍しいのですが……作画班に罪な癖の持ち主がいそうです。お腹のハートマークもセクシーで可愛い!

『Rise Up High!』はアップテンポで爽やかな曲。重低音が耳に気持ちいいです。サビの「レッツゴーENJOY!」が特に印象に残っています。手を叩くところもあったのでライブでは非常に盛り上がりそうですね。そして背景にどこまでも広がる青空と海は、思いっきりのびのびと自由に動くしず子を引き立てていたように思います。

映像の方では、同好会のみんなで映画製作、みたいなシーンがあってすごくしず子らしかったです。それから椅子が並んでいるカットも印象的でしたが、あれはしず子にとっての「役」を意味するのでしょうか? ……あと何気にエマさんの例の水着も銀幕デビューしましたね。

衣装は水着の上にパーカーを羽織っている風なんですが、これには意味があると思っています。歌詞にも「脱ぎ捨てて」とあるように、桜坂しずくがあらゆる「役」をあえて脱ぎ、素の自分をさらけ出したことを表しているのではないでしょうか。だからこそ椅子がたくさん出てきても、座っているカットが無い……という考察です。

1期8話以前の彼女だったら、スクールアイドルGDPのトップバッターに先手必勝で躍り出る、なんてことはできなかったかもしれません。

規模クソデカ大会にわがまま彼方ちゃん参戦!

時は少し遡って。同好会の元に届いた招待状、それはスクールアイドルGPXのお誘い。ラブライブ!大会と同様、どこの団体が開催しているんだか分かりませんが、とにかく「今一番推せるスクールアイドルを決める大会」で、配信に特化した新作アプリの宣伝を兼ねているとか。 あのアプリが頭に浮かんだ人は多いはず。

ソロでの参加が前提ということで同好会のスタンスとも相性がいいようです。しかも優勝者はドームライブをする権利を得られます。……それってやっぱり東京ドームなんでしょうか。リアルの方でも、いつか虹単独で東京ドームに行ってほしいなぁ、などと思いを馳せてみたり。

部室に何気に4thライブのせつ菜のグッズ(ヤダ!うちわ)や、『にじよん2』で登場した、りなりー制作の フォールガイズ アクションゲームにおけるみんなのアバターを模したぬいぐるみもありました。相変わらず小ネタを仕込むのに余念がありません。

スクドルGDPに盛り上がるみんな。しかし嵐珠に「負けないわよ」と言われた歩夢は悩み顔で、侑ちゃんにも心配されます。歩夢はひとまず、自分をもっと知ってもらうために参加するようです。侑ちゃんは侑ちゃんで作曲コンクールに力を入れています。彼女もまた自分の夢に向かって進んでいるようです。

……こういう会話をしながら2人でベンチに座るんですが、侑ちゃんがナチュラルに歩夢と腕を組んでおり、流石人たらしだなぁと。その上けろりらさんの作画だと侑ちゃんの目がかなりイケメンなので、観ているこっちまでドキドキしました。

そしていざ沖縄! スクドルGDPはラッピングバスも走っている……と説明するかすみん。そのバスにさり気なく謎の少女が乗っていました。
それぞれのライブ場所を決めるべく、目立つ場所でライブをしたいかすみん&嵐珠、植物園が気になる歩夢&エマさん、キラキラした雰囲気の場所を探すしず子&彼方先輩に分かれて行動します。

人の多い国際通りで注目を集めたかったかすみんですが、他のスクドルも考えることは同じでした。場所が埋まっていて慌てるかすみん。アニメからお約束のかすかす驚愕顔が引き継がれていて嬉しかったです。一方、嵐珠は大好きなスクドルがたくさんいて大はしゃぎ。相変わらず赤ちゃんで愛おしい。\きゃあっ!こっち見てー!/ ピョンピョン

そこでかすみんはライブを一旦後に回し、配信によって注目を得る作戦に打ってでます。なぜか悪巧みをしている風の雰囲気でにっしっしと笑ってはいますが、場所争いが激しい中では普通に良いやり方な気が……。
それにしても配信中のかすみんは可愛いことこの上ないですね。にゃはははは~と笑った後にアイスを食べて「トロピカルぅ~!」と足踏みする、最年少らしいところもありました。

しず子と彼方先輩は美ら海水族館に到着。チンアナゴの水槽に手をちぱちぱする彼方先輩、可愛すぎか……? 水族館の雰囲気が彼方先輩に合っていると思ったことを「自分勝手な妄想」と自称するしず子ですが、そういうところも自分らしさだと受け容れているようです。やはり1期8話での経験を中心に、同好会の活動が彼女を変えたようです。

それを聞いた彼方先輩も、母や遥と一緒にいる時間が増え、自分の世界がどんどん変わっていると言い、衣装作りや調理師の資格取得、デザインの勉強などをしてみたいと口にします。しず子「わがままさんですね」←言い方が良すぎる……!

また、資格などの話が出て、卒業の風を感じてちょっと寂しくなってしまいましたが、未来は未来、イマはイマ。後に今が2月であると分かるのですが、卒業に関連するセリフは一切ありませんでした。あえて排されていると見ていいのではないかと思います。「完結編とか言ったけど、とりあえず今回は卒業の話無いから楽しんでね!」的な。

🐟「今の彼方ちゃんは、すっごくわがままさんなのです!」🐠

ゆったりした雰囲気の曲が多い印象の彼方先輩ですが、今回の『Daydream Mermaid』は非常に楽しさ全開! という感じで、彼女の新しい一面を発見できた気がします。特にラップパートが入ったのには驚かされました。その後の独特なメロディも気持ちいいです。ダンスでは、最初の方にくらげみたいなふわふわした振り付けをしていたのが可愛かったです。

衣装は曲名通り、人魚姫を模したようになっていました。遥ちゃんが見たら心配になりそうな露出度ではありますが……。 実際のライブでは布が増えること必至。
映像も人魚姫風に海の中……と思いきや次の瞬間にはロケットで宇宙へ! 文字通り海の底から空の上まで全部楽しんじゃう彼方先輩のわがままっぷりが微笑ましかったです。

ライブが終わると、彼方先輩は観客の中に険しい顔をした少女を見付けます。ちなみになぜ彼女がここにいたのかは全く不明です。まぁシンプルに魚を見たかった可能性はある。

その頃、ほんわかコンビの歩夢とエマさんは三線さんしんを弾く少女、赤嶺天に出会います。 pixivでデカ胸天とかいうタグが作られそうなスタイルをしている。 スクールアイドルであるという彼女は、どうにも何か悩みがある様子ですが、足早に去ってしまいました。ここでスクドルGDP1日目は終了します。

それにしても、水族館でいきなり踊り出しても平気だったり、街のスピーカーからかなりの広範囲に向けて1日目終了の放送が流れたりと、どうにもスクドルGPXの規模はクソデカいようです。大会の運営がどうなっているのか、ますます謎は深まります。

嵐珠ママ登場。GDPに不正疑惑!

夜。ホテルに集合した6人の前に他校のみんなが登場! スクフェスの頃から知っていたファンには嬉しい演出だったかもしれません。揃って夜の沖縄に散策へ。みんなでいっぱい撮影していて可愛いねぇ。

侑ちゃんの(おそらくお手製の)ぬいぐるみを手にニコニコで撮影する歩夢は、かすみんに見付かって真っ赤に……。相変わらずブレない幼馴染愛です。かすみんはかすみんで「すっごく可愛いですぅ~」とはしゃぎながら一緒に撮影。今回の映画はかすみんがいつもの2倍くらいはしゃいでいた気がします。

美味しいと噂の料理店「はいさい」に行くと、さっき会った天ちゃんが登場。そこは彼女の家でもあるのでした。みんなで食事をしながら大会のことについて話す中、同好会は人数が多いため票が割れやすいという話も出ます。

かすみん「やってやりますよッッッ!」バヤリースオレンジドンッ!!!
↑おもしれー女

その横で、わがままな彼方先輩を甘やかすのだとあーんするしず子。なんかそこだけ湿度高くないか。ちなみにこの後も、この2人だけやたら湿度が高い描写が続きます。

店を出ると、先ほど彼方先輩のライブを見ていた少女が出没します。彼女の名は石嶺小糸。天ちゃんとは知り合いなようですが、自分はもうスクールアイドルを辞めたと言い放ち、天にも辞めるよう言って去ってしまいます。

態度の悪い小糸にプンスコみんですが、天曰く、小糸は心配して言っているとのこと。それを聞いたかすみんが「えーっ!?」と言うと、帽子もぴょーんと跳ねる……ほんと面白いなかすみん。

ホテルに戻ってみんなゆったり。ゆったりしすぎて湯舟に沈んでいく彼方先輩。慌てて止めるエマさん……彼女のパジャマが牛柄なの、何かしらの意図を感じるのは私だけでしょうか。嵐珠は「ゴーヤ」ってでかでかと書かれたパジャマだし。そもそも嵐珠、絶対ゴーヤ食べないでしょ……。

侑ちゃんからのメッセが来るとみんな盛り上がります。相変わらず愛され侑ちゃん。なお、このホテルのお風呂は部屋から丸見えにすることもできる えっちなホテルみたいな システムが付いており、彼方先輩の谷間が銀幕デビューすることと相成りました。

翌朝。ビュッフェで大量の食事をトレーに乗せるかすみんと嵐珠。それを見た歩夢は思わず苦笑い……嵐珠の極端な取り方に苦笑したのもありそうですが、それでも体型を維持していられることに少し呆れたのかもしれません。歩夢って体型を気にしてたくさん食べるのは控えていそうですし、でもお腹が空いてしまって「もう少しだけ……」とか言いながら結局たくさん食べていそうな感がありますもんね、そういうところが可愛いYO!(早口)

同好会は人数が多く、票が割れやすい……。かすみんはそれを危惧し、みんなの目的地が別々であることをあえてよしとします。ここから先はダイジェスト風にお届け。個人的には、お肉大食い対決ではむはむする嵐珠が可愛かったです。あとしず子が「桜坂~」とやっていた桜坂劇場は実際にあるそうですが、読み方は「さくらざか」だそう。

そんな中、遂に嵐珠ママが登場! スクスタでは虹ヶ咲学園の理事長という設定でしたが、その設定はどうやら無くなった模様。代わりに、スクドルGPXのスポンサーという立場になりました。
「何事もやるなら1番にならなきゃ意味が無い」をモットーとする彼女は娘の部屋をスイートルームにしたようですが、嵐珠はそれが気に入らなかった様子。このときの私はスクスタの例のくだりを思い出してちょっとヒヤヒヤしていました。

みんなが集合したところに、いきなりトランクを持って「降りるわ」と出て行こうとする嵐珠。当然みんな慌てて止めるのですが、もしかしたら香港に帰ると言い出したときのことを思い出したかもしれません。そんな嵐珠の手を掴むエマさん。かつてはすぐに届かなかった思いも、今なら届きます。

親が自分をえこひいきしようとしている、と語る嵐珠。彼女は同好会のみんなと戦う以上、自分の力でやりたかったのです。「アタシを受け容れてくれたみんなと」と言っていたのにはじーんときました。2期ではかなり長い間曇ってたもんね……。

ともかくホテルには戻りたくない……そこでエマさんは天ちゃんのお店が民宿をやっていたことを思い出し、2人でお泊まりすることに。エマさんが一緒にいてくれると知って顔を輝かせる嵐珠、1人じゃ寂しかったんだろうなぁ……。

一方歩夢は、嵐珠が不正な勝負を避けようとしたのを見て、「もっと自分を知ってもらいたい」という動機で参加したことに引け目を感じている……ということを侑ちゃんとの通話で語ります。歩夢は同好会のみんなと戦いたくないのでしょう。

なおこのとき侑ちゃんはすっげー姿勢悪いです。だらしない姿勢で電話する侑ちゃんは解釈一致すぎる(公式です)。あとさり気なく部屋に歩夢のぬいぐるみが置いてありました。互いに作って交換したのかな。

ホテルの部屋では、しず子が悩み顔。ソロ活動をする同好会に順位がつくのはいいけれど、それでみんなが離れ離れになるのは嫌だ……。それを聞いた彼方先輩は「しずくちゃんは寂しくなっちゃったんだね」と抱き寄せてなでなで。湿度高ぁい!

衝突する2人、包み込む1人、かき鳴らす三線

翌朝。嵐珠ママはめっちゃすごい手さばきでスイートルームのカードをくるくるします。割と中毒性ある。あと秘書?の人の髪色とか前髪がせつ菜に似ていていとこかなって思ったりしました。その秘書から「昨日はステージに上がれなかった者もいた」と報告を受け、思案顔の嵐珠ママです。

一方その頃かすみんは順位がなかなか伸びず、ランキングも操作されているのでは!? と嵐珠ママを見張りに行きます。いや沖縄まで持ってきたんかいそのサングラス。ピンクゴールドの照明を用意するよう指示しているのを聞くと証拠取ったり、と飛び出して……空中ジタバタ→水没。そんなお決まりの流れをやれるのはかすみんだけですよ。
ちなみにこのときの悲鳴は映画館の音響で聞くと、まさに耳をつんざくばかりの音になります。

早起きのエマさんは、天ちゃんから小糸との間に何があったのかを聞くことに。やっぱり人に話させるような包容力をもっているエママなのです。

天ちゃんと小糸は2人でスクールアイドルをやっていて、天ちゃんは三線を、小糸はボーカルを担当していました。……ここサラッと流されているんですが、天ちゃんは史上初の歌わないスクールアイドルです。こういうバンドのような編成をしたスクールアイドルもあり得るという新たな可能性を提示するのはニジガクらしいですね。
ちなみに『ラブライブ!スーパースター!!』1期のとき、かのんと可可の会話の中で歌わずに楽器だけを担当するスクールアイドルの存在は示唆されていました。

次のライブについての話し合い。小糸は、天ちゃんの三線ソロを伸ばし、終わり方も派手にしようと提案します。天ちゃんは何か思うところがあったようですが頷いてしまいました。結果、ライブは広い会場にまばらな拍手が響くだけ……と失敗に終わってしまい、小糸は自分の歌が原因だったと考え、スクールアイドルを辞めるに至ったのでした。

真面目なシーンなんだけど、小糸のルーズソックスめちゃめちゃ可愛いなと思っていましたごめんなさい。ともかく、その話を聞いたエマさんは天ちゃんに「手伝ってほしいことがある」と言います。

さて、ちょっと思ったのは、小糸の髪型、髪色、瞳の色などが高坂穂乃果に似ているということです。そして観客の少ないライブは無印の1期3話を思い出させます。これはフォロワーさんから言われて気付いたのですが、後に明らかになる「よく遅刻する、嫌いな食べ物を人にあげる」あたりもちょっと穂乃果っぽいかも? オマージュしているのかもしれませんね。

似ているかな? そうでもない? ご意見募集中です。

さて、水没したかすみんはと言うと、救出されたようでお肉をむしゃむしゃ。嵐珠ママに食べっぷりを褒められるとくねくね喜んでからのノリツッコミ。なんというか、行動の全てが画面を賑やかにする子です。

嵐珠ママを問い詰めるかすみん。フォークで人を指してはいけません。そして全ては誤解でした。照明は他の色もちゃんとあったし、スイートルームも6人全員に用意する予定だったし、ランキングも操作していませんでした。

スクールアイドルみんなに競い合ってもらいたい……それが彼女の純粋な思いだったのに、言葉が足りなかった。長い間会っていないために娘とのコミュニケーションが不得手な母親、という人物像が描かれたわけですが、嵐珠のことも考えると、ああ親子なんだなぁ……とすごく腑に落ちました。
ところで「あぁんそういうこと……」とかの声がいちいち色気すごい。

ちなみにかすみんのランキングは急上昇していました。配信に偶然写り込んだ動物がバズっていたのです。このとき流れているコメントが妙にリアルなネット民で笑っちゃいました。 何なら下ネタが元ネタのもあったけどスタッフは把握していたのだろうか。 運も実力のうち。策を巡らせて失敗するけれど、なんやかんやで愛されるのは、本当にかすみんらしいです。

エマさんは天ちゃんの三線を聞いて、もっと元気な感じにしたらどうかと提案します。頷く天ちゃんですが、エマさんは「本当にそう思ってる?」「天ちゃんの考えを聞かせて欲しいな」と優しく言います。すると天ちゃんは、ボーカルを際立たせるためにあえて三線を抑えることを提案しました。
ここで既にエマさんは、天ちゃんが自分の意見や考えを遠慮して隠す傾向があると見抜いて積極的に働きかけています。流石、年長者です。

そしていよいよ……「行くよ天ちゃん!」「はい!」2人の即席ユニットのライブが始まりました。曲名は『Cara Tesoro』。親愛なる人を意味するそうですが、これは天ちゃんにとっての小糸なのでしょうか。

2人の衣装は、おそらく沖縄の伝統衣装をアレンジしたもの。穏やかな雰囲気のエマさん、天ちゃんと見事にマッチしていました。しず子と彼方先輩がだいぶ露出度高かったから、ここでガード堅いのがきて安心しましたよ。

曲もまた、今までのエマさんの曲が全体的に朗らかなものが多かったのに対し、その朗らかさを残しつつも三線の疾走感溢れる音が小気味よく響いていました。沖縄らしい建築の背景をバックに華やかな衣装で踊るエマさんは、今回の土地を最も良く活かしたと言えるかもしれません。

映像では序盤の、花びらが散るのに合わせてエマさんが天ちゃんに、天ちゃんがエマさんになるところがまさに神業。CGとアニメーションがパッと切り替わるのに目を奪われます。天ちゃんも楽しそうにジャンプしていて、気持ちが前向きに変化していることが動きから分かりました。サビ前の三線は鳥肌ものです。

ライブを終え、向かい合う天ちゃんと小糸。小糸は自分が足を引っ張っていたのだと言い、エマさんと組むよう促します。しかし天ちゃんは、小糸が練習に遅れてくること、嫌いなおかずを渡してくることにムッとしていたことを明かします。2人が上手くいかなかった原因は、小糸の歌が下手だったからではなく、天ちゃんが小糸に遠慮せずに向き合えなかったことでした。

ここでちょっと考察なのですが、言ってしまえば三線ソロを長くしたことや終わりを盛り上げたことも、直接的な失敗の原因でなかったのだと思います。自分の意見を隠してしまった天ちゃんは、果たして楽しくライブすることができていたのでしょうか? 心の中で「これでよかったのか」と思いながら演奏してしまったのではないでしょうか。それがライブが失敗に終わった真の原因ではないかと私は思っています。

天ちゃんが小糸に対し、全ての想いをぶつける場面は、今作屈指の名場面です。

私は小糸と食べるアイスが好き。小糸と話す時間が好き。小糸の声が好き。私はまた小糸とスクールアイドル、やりたいよ。
最後の「やりたいよ」の静かながらも力がこもっている感じがすごく好きです。 早く結婚してほしい。

また、3回目の鑑賞で気付いたのですが、小糸がエマさんと組めばいいと言っている、ある意味天を拒絶するシーンでは、背景に「立入禁止」の看板が映っています。しかし天が想いを叫び始めてからは、その看板がほとんど見えなくなっていました。かなりさり気ないので、制作側が意図したものかは分かりませんが、アニガサキならさもありなんと思えるところ。

ここに天ちゃんの気持ちは小糸に通じ、また2人はスクールアイドルになったのでした。この2人は本当にラブライブ!をしている感がありました。1時間強という短い時間の中で、映画オリジナルのキャラクターをここまで魅力的に演出してみせたのは見事という他ありません。

天ちゃんと小糸とエマさんを合わせて3人。それと三線とを結び付けるのは流石に考えすぎでしょうか? まぁ3人が楽しそうに遊んでいたから何でもいいや。

嵐珠と嵐珠ママもまた、心を通わせるときがきました。かすみんが引き合わせた2人は、互いを見るなり険悪になってしまいます。が、そこにズサーッと滑り込むかすみん! 嵐珠ママは言葉が足りず、嵐珠は思い込みが激しいと指摘し、誤解を解いて仲直りさせることに成功しました。かすみん、部長として本当に成長しているよ……! 「合格ですっ」もしっかり回収しました。

仲間でライバル、ライバルで仲間

行動を共にしていた彼方先輩と分かれ、屋上に向かった歩夢。未だに悩んでいるらしく、みんなが変わり続ける同好会で、仲間と本気でぶつかり合った先に何があるのか……? と、電話で侑ちゃんに吐露します。すると、

「それでもみんな、進み続けるんだよ」

後ろから声が……。映画館では右側から声が聞こえてきてめっちゃびっくりしました。 そしてこのセリフだけ見るとなんかエレン・イェーガーみたいだな。

そう、侑ちゃんは沖縄までやってきたのです。このイケメンスパダリ彼氏め……! まったく人たらしですよこいつぁ。でもそのフットワークの軽さ、そして何より幼馴染に対する想いの強さは、まさに高咲侑らしいと思います。

嵐珠に「負けないわよ」と言われたことに対して、なぜ自分なのかと思う歩夢。そんな彼女に侑ちゃんは「直接訊いてみたらいいんじゃない?」と微笑むのでした。

噴水の傍で対峙する歩夢と嵐珠。嵐珠は真意を語り始めます。スクールアイドルをやるために海を越えた彼女は、スクールアイドルを広めるために海を越えた歩夢のことを尊敬していたのです。だからこそ、全力でぶつかり合って心を通わせたい……。競い合うことはすなわち、互いの想いをぶつけることでもあるのです。

歩夢は、仲間とぶつかり合うことが怖かったのだと思います。もしかしたら、それぞれの主義が衝突して解散に陥った前の同好会のことも頭にあったのかもしれません。しかし同じものをきでいる今の同好会では、競い合いながら共に進むことができる。それはアニメを通しても描写されていましたが、ここに至って歩夢もまた一歩を踏み出したのです。

「受けて立つよ」上原歩夢は、まだまだ成長していくのです。

嵐珠ママが作ったステージの近くには、ヘルメットを被ったかすみんが。ヘルメットが似合う可愛い系スクールアイドル愛おしいな。そこに彼方先輩がサンゴのアクセサリーをみんなに渡します。

天ちゃんと小糸も、お揃いの赤い髪飾り、お揃いのシーサーストラップを持っていました。そして同好会のみんなはお揃いのサンゴのアクセサリー。まさに「仲間でライバル、ライバルで仲間」の証と言えるでしょう。

嵐珠のステージが幕を開けます。曲名は『PHOENIX』。フェニックス! 『Eutopia』同様、あまり使われない方の表記です。この曲名が嵐珠に被さって映るのが本当にかっこいい演出です。曲としては、彼女ならではのかっこよさもありつつ、繊細な、爽やかな、透き通るような雰囲気がありました。

白い錦に黒い鱗という、魚あるいは龍神を模したような衣装がかっこよくてかっこよくてかっこよくて死ぬかと思いました。裾に虹色があるのは、同好会のみんなへのリスペクトでしょうか。ダンスでは動きの1つ1つに至るまでが美麗かつ妖艶。『Eutopia』のときに惚れたはずが、また惚れ直してしまいました。

映像では社会人の嵐珠が描かれていて、年上のお姉さんという感じがしてドキドキしました。たまの休暇で沖縄へ行く、という筋書きのようです。原付に乗って沖縄の長い道を行く嵐珠が好き。

そして幼少期の嵐珠が初登場……と思ったらキズナComicBookで既に出ていたようですね。幼い彼女は、きっと栞子以外に友をもたなかった頃の嵐珠。そしてもう1人、おそらく同好会に入る少し前の嵐珠。彼女らに背中を押される演出には思わず涙しました。彼女が歩んできた全ての軌跡が彼女の翼になっているのです。

また、表情に注目すると、最初は不安気な顔をしていました。これは嵐珠の弱さの面……意外とコミュニケーションが苦手で、そして特別視されていて友だちが少なかった嵐珠を表していると考えます。そしてサビに入ると一気に力強い顔つきに。ステージを支配する、強さの面と言えるでしょう。

弱さも強さもある、嵐珠の二面性が1つになって、それら全てが嵐珠らしさなのだと分かる、素晴らしい曲でした。

そして嵐珠のステージが終わると歩夢のステージにシームレスに移動! この演出みんな好きでしょ。2回目観に行ったときは同行していたフォロワーが「はっ」と言うのが聞こえました。ライバルとして競っていることが一瞬にして分かる最高の演出でした。
毎回入っていたエントリーの映像が曲中に組み込まれているのも良かったです。

歩夢のメンバーカラーは嵐珠と同じピンク系ですが、衣装の雰囲気はまるで異なり、どこか魔法少女みのあるきゅっとしたデザイン。それでいて網タイツがセクシーでした。ちなみに界隈ではあぐぽんがライブで網タイツを履くのではないかと盛り上がっているそうな。

「1人でも1人じゃない 心はいつでも傍にいるよ」という歌詞は、今作のテーマをそのまま表しているようです。可愛く飛び跳ねるようなダンスも、めいっぱいの笑顔も、歩夢らしかったです。

『Awakening Promise』の映像では街の上を飛んでいた歩夢も、今回遂に宇宙に進出し、地球を見下ろしてしまいました。ちょぼらうにょぽみ先生の4コマが元ネタだったコーレス「地球のみんな、ただいまー!」もここにきて新たな文脈を得たのかも?

曲名は『Stellar Stream』。恒星ストリームといって、星々が長く連なっているものなのだそうです。その長さたるや数万光年から、長いものだと数百万光年にもなるそう。これはまさしく歩夢がこれから歩んでいく道を、そして彼女に続く未来のスクールアイドルが歩む道を、表しているのでしょう。

アツいぶつかり合いに、会場は大盛り上がり。ライバルとして、仲間として、2人はより絆を深めることができたのでした。
……そして最後にはライブを忘れるというオチをもっていくかすみん、やはりかすみんである。しかし彼女は最初から最後まで、自分のためにもみんなのためにも行動していたのでした。そういうひたむきなところが、私が中須かすみを好きな理由です。

そしてエンドロール後。嵐珠ママと英語で話す、銀髪の人物の後ろ姿が。一体誰・テイラーの母親なんだ……!? そして今回はお休みした6人は、第2章でどこに行くのでしょうか。ライバルとしてユニットを結成している果林さんと愛さん。生徒会組のせつ菜としお子。そして背中を向け合うミアとりなりー……。また新たなドラマが生まれそうです。最推しりなりーの活躍が今から楽しみです。

4DX、行ってきました

3回目の鑑賞で4DXを観てきました。実は人生初の4DXでした。感想を一言で言うと「めっっっっっちゃ揺れる!」……笑

映画が始まる前に、4DXこんな感じですよ、的な映像が流れるんですが、そこが一番激しく揺れるポイントなのである意味では洗礼。心の準備をしていないうちに来るので割と大変でした。

で、映画が始まった後ですが、正直言うと集中できませんでした。まぁ4DXって本来そういうものなのかもしれませんが。1回目は普通に観て、2回目以降でどんな感じか体験する、というのは正解でしたね。

もちろん良いところもあって、例えばエマさんの曲やエンディングで風が吹いたりするのはとても雰囲気に合っていて良かったです。あと彼方先輩の曲でしゃぼん玉が出てきたのはびっくりした! 4DXすごいな。

まとめとその他もろもろ

面白かった!!! 1時間強だなんて信じられません、2時間近くの映画を観たくらいの満足感でした。

メンバーを分け、6人ずつ描くという大胆な手法は、田中仁さんらしいやり方でした。アニメで全員のソロ回を用意し、それぞれの個性を見事に表現した実績があるからこそ、こういった手法も受け入れられたのではないでしょうか。……なんて偉そうなことを言ってみたり。

しかし実際のところこの手法は効果的で、短い尺の中でもそれぞれの個性が最大限に発揮されていました。特にソロ曲が無かったかすみんが、しっかりと印象に刻まれているのはすごいです。ソロ曲が無かったこと自体は残念ですが、第2章か第3章で出てくると確信しているので、今はその時を待ちます。

今回は出番を譲った6人も、ソロ曲の1枚絵の中に登場していました。映画だと本当に一瞬なので、是非これは円盤が欲しい……!

さて今作のテーマは「変化と成長」「競い合うことを通して心を通わせる」といったところでしょうか。春から冬までを通して、彼女たちは確実に変わり、成長してきました。仲間としてもライバルとしても認め合う彼女たちが、スクールアイドルGPXを通して時に想いを語り合い、時に想いをぶつけ合う様子が、丁寧に描かれていました。

上映前、絵柄の変更が話題になっていました。けろりらさんの絵柄がいやだ……という意見はほとんど見られず、変更されたということ自体についての否定的な意見が多かったようです。私は横田さんの絵柄も好きなので、それが変わってしまったのは残念でしたが、絵柄の変更は「同好会の変化」を表しているのかな? などと勝手に思っておりました。実際の事情はどうなんでしょうね。

変更の是非はさておき、けろりらさんの絵柄で動く彼女たちはとても可愛らしかったです。メリハリがついていながら柔らかい、あの不思議な絵柄。こっちも大好きだ……! 特にかすみんの自撮りパートがお気に入りです。

第2章の話もちょっとだけ。スクドルGDP1日目で栞子が高順位になっていたこと、ミアママが「あの子にも会えた」と過去形で言っていたことから、第2章の時間軸は第1章と並行していると考えられます。場所はどこになるのでしょうか。一説では京都とも言われていますね。

そしてスクドルGDPはランキングが決まる以上、最終的に誰かが1位に輝くはずです。それは誰なのか。順当に真ん中の歩夢なのか。それとも、かつてのニジガクのように私たちの投票によって決まるのか。今からワクワクが止まりません。

現在9月7日、まだ1回しか観られていないので、抜けも多々ありそうです。少なくともあと1回は観る予定なので、また思い出したことがあったら追記しようと思います。
追記・2回目を観てきました。案の定抜けや順番の間違いがたくさんあったので加筆修正していたら1万字を超えてしまった……! 3回目を観る予定もあるので、まだまだ増えるかもしれません。
追記・3回目を観てきました。おそらく順番はこれでほぼ確実になったかと思います。

それにしても、沖縄行きたいなぁ~~~!


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