怠惰な精神と私
言葉が失われている。
脳が生きている気がしない。
生命維持をしているだけをしている私は、
人間と言えるだろうか。
言えないと思う。両手を見つめる。
外を見る。歩く。人混みを歩く。何も感じない。何も感動を感じない。映像を見ている感覚。心に脳に直接刺激が来ない。
そうと来たら、心が死んでる証だ。
全てがめんどくさくなって、森に行った。誰もいない森の中で横になるのは幸せだった。
自分だけがこの風景を独占していると考えたら素晴らしく思えてきたのだ。この独占欲に包まれて死んでやろうと考えた。
手元には、薬と縄と剃刀がある。薬を飲んだ。剃刀を使った。しかし、それだけでは死ねなかった。
当たり前だ。いや、死ぬ気はなかったのだ。
縄を使いたくなかった。死ぬ気が出ないから、後戻りができない縄は使わなかったのだ。
また、惨めな気持ちになった。惨めな気持ちになったから、行政の相談窓口に電話してとことん泣いてやろうと思った。結果、泣いた。
そして、通報された。通報されたという焦りと不安が出てきて、立ち上がって帰宅しようとしたら、
薬が効いてきたせいで森の斜面を転げ落ちてしまった。