あらすじ添削をお願いしてみた
もう春はすぐそこ、2月の終わりです。
とある公募を狙っているわたしは、一度、プロの方に添削をお願いしてみたいと考えていました。理由は、
そこそこいけても出版に絡む賞にはならないから。
長編は物語の構成を考えて書かなければ、いくら書いても空回りするという自覚があったからです。足りないものはなんなのか? を知る必要がある。しかし、大きな疑問もありました。
・あらすじを添削してもらうことで小説が変わるのか?
・どこまでアドバイスしてもらえるのか?
これが大きなネックとなって踏み出せませんでした。
だって、あらすじは400文字~1,200文字です。詳細な内容が伝わるのかと疑問でした。
しかし、『恋する男子に星を投げろ』の原作者、春日すもも先生が、黒田順子先生のあらすじ添削を受講された記事を読み、俄然興味が湧いたのです。早速、黒田先生のツイッターを覗きに行きました。語り口がたおやかで、優しい。添削を受けたい気持ちになりました。すると、黒田先生とのタイミングが合う出来事があり、
――これはご縁だ。
と、思い、その場で受講希望を伝え、引き受けてくださることになりました。
わたし羽田伊織は、人生初のあらすじ添削をプロの方にお願いすることになったのです。
黒田順子先生のご紹介
・送作家
・京都造形芸術大学講師を経て「公募ガイド」等小説講座講師
あらすじの他、大まかな情報提示
お伝えしたのは目的の公募先と、書き上がっている文字数、規定あらすじ400文字+もう少し詳細なあらすじ700文字程度。詳細なものを加えたのは10万文字を400文字では、かなり無理があったからです。
お返事をいただき、プロットがあれば提出して欲しいとあったので送りました。念のため、キャラ表と、オープニングイメージも添付。(さすがに不要でした。あらすじ添削なんだから当たり前です。反省)
この際に受講料のお知らせがあり、振り込み。一時間半で一万円。
受講はZoomでの面談。
*あくまで『あらすじ添削』です。もっと詳細にとなれば受講料が変わります。
いざZoomで受講
しょっぱなわたしの顔が映らない事故発生。
パソコンのカメラ接続を切っていたからだと、受講後に気付きましたが、てんぱっていたので気付かず、黒田先生には真っ黒な画面相手にお話ししていただくことに……。先生ごめんなさい。
雑談をしつつ、本題のあらすじへ。
「シンプルで面白い発想」とお言葉をいただき、よーしと意気込みも高まります。先生は、とにかく優しくて、こちらが「こういう話なんです」と言うのをきちんと聞いてくださいます。
あらすじでどこまで内容がわかるのか? と思っていましたが、プロの目は光ります。
次々に繰り出される指摘、よりよくするアイデアたち。
『やり直せ』というものではなく、小説の根幹、テーマを揺るがせないために、考えているアイデアが必要なのか不必要なのか、こう変えた方が面白くなるとか、目から鱗が落ちまくるものです。わたしの場合ですが、
――王道であることを活かし、崩さない。
例えば主人公を後押しする主要キャラがいるのですが、その人をバチバチのライバル関係にするというもの。
え? 内容派手に変わらない?
はい、変わります。でも、変えた方が面白い理由を聞かせてくださるのです。他にも、巻き込まれ型主人公で、最初に舞台を整えすぎになっていて、
――最初に上手く整ってしまうと、面白さに欠けてしまう。とにかく主人公を困らせましょう。
とか。
後半は、現れた敵と、さぁ戦いましょうと書く予定だったのですが、
――テーマとは別に、また新たなテーマになっているので、問題を乗り越えたからこそ一致団結する感じで使いましょう。基本は○○です。
と、このお話の根幹を大切にしてくださる。
はー……。すごい。
正しい使い方だとすごく変わる。一番、明るく、物事を進めていく人が日陰キャラとか。でも、その方が『主人公が活きる』し面白いのです。
わたしは言いました。
「先生。全部書き直した方が早いです」
キャラの性格も関係性もテーマ以外はすべて変わっているのです。
65,000文字をいじるより、プロットを立て直し、書いた方が絶対早いし、上手くいく。
先生が「早い段階で相談された方が直しも難しくないです」と仰いましたが本当にそうだと思います。10万文字以上の小説を完成させてから全部直しはキツイ。毛根が死滅する。
半分近く書いた時点で相談した方がいいと思います。書いていると頭の中に世界観がしっかりとできているので、伝えやすく、直すべき部分もわかりやすい。
ただ、全部書き直すくらいの心構えも持っていた方がいいかなと思います。せっかく考えて書いたのに直すというのは、それまでの苦労をもう一度やり直すわけで。それでもめげない気力が必要かなと。
わたしは『出版に絡む賞へ食い込んで結果を出したい』という明確な動機があるので、それで勝算が上がるのなら喜んで書き直すマンです。
別に賞狙いじゃなくても、これから小説を書こうとする方や、書いたけれど途中で詰まって、先が書けなくなってしまった方など受講されることを勧めます。ひとりで悩むくらいならプロに聞いた方が正しい形で教えてもらえるし、独学だと難しいことも多々あるので。
依頼するときのコツ
・目的意識を持つことが大事。
・お金の話は最初に聞いておく。
今回はあらすじの添削でしたが、全体像が見えただけでなく、「こういう話です」というテーマを魅力的に活かすことまで教えていただけました。少し残った時間でタイトルのことにも触れていただき、受講の際には「普段、聞けないことも聞いちゃえ」と思います。
受講料
あらすじの添削、一時間半で一万円でした。
内容によって金額は変わるので、黒田先生にDMして聞いてみてください。大丈夫です。黒田先生は知的、かつ、チャーミングなお方。決して取って食ったりはしません。一緒に考えてくださる編集者のようなお方です。
最後に
また、依頼したいと思える内容でした。あれで一万円はお得すぎです。最良の報告が出せるように、自分に期待して頑張ります。黒田先生。またお力をお借りしますね。
なるほどと思えるような記事を書いていきますので、コーヒー代としてありがたく使わせていただきます。