まえがき


このnoteを書こうと思った理由は2つある。
1.自分の中で初心を忘れないように、過去を風化させないように記録しておきたい

2.今後、酒蔵を自分で運営していきたい、酒蔵を継いだ、新規で立ち上げたなどなど、酒蔵に関わる人たちのバイブル、参考事例集にしたい

という2点だ。
1.は文面通りで過去の振り返り、記憶を記録に書き換えたかった。
2.は日本酒業界に少しでも貢献したいという思いだ。
僕の後輩にあたる、「これから業界に参入してくる/入りたて、家業に戻りたてでどうしていいのかわからない」
といった方々へ向けて、僕が行なってきたことを伝えること、そしてそれが全て正解ではないが、これから起こしていくアクションの参考にしてほしい。

今がどん底でも大丈夫。いいお酒を造る気があれば、そしてその決意を曲げずに進んでいれば必ず好転する時が来る。
それは僕ではなく、先輩蔵元たちがすでに証明してくれている。
僕はまだその道半ば。先輩蔵元たちの後を必死に追いかけている最中だから偉そうなことは言えないが…。
ただ、僕が今の段階で言えることは、良いお酒を造れば必ず好転するわけではない。
良いお酒を造ろうと思って、いろんな行動をしているうちにいろんな出会いがあって、気がついたら階段を登っている。
蔵に閉じこもって、ただいい酒を造っているだけでは好転しない。
外に出て、悔しい思いをたくさんしながら一歩ずつ前進していかなければならない。
誰かが急に救ってくれることなんて、ほぼない。
自分の足で行動し続けることが絶対条件だと、僕は思う。

けれど、これから僕の後ろを走り出し、追いつけ追い越せと切磋琢磨できる仲間になる全員に向けて、気持ちを奮い立たせることができるnoteにしたいと思う。
そして困ったことがあったらいつでも連絡してきてほしい。
僕も色んな先輩蔵元や、酒販店さんに導かれて、応援してお酒を仕入れてくれた飲食店の皆様、そして全然美味しくなかった頃から雅楽代を飲んでくれた消費者の皆様のおかげで今がある。
皆さんの助けがなかったら、とっくに天領盃酒造は潰れていただろう。
だから、僕が受けた恩恵のバトンは僕が次の世代にしっかりと受け渡す。
言いたいことはまだまだあるが、これ以上書くと前書きで全て書き切ってしまいそうなのでこれくらいに。

波瀾万丈の6年間(2024年12月現在)、いいことも悪いことも全ての出来事を包み隠さず書き残していこうと思う。

そしてあわよくば、いつかTVドラマとかになっちゃったりして…なんて妄想してうきうきしている自分もいたりする…
すぐに調子に乗る性格は大人になっても変わらないようだ。
楽しく読んでいただけるようにストーリー調で書いていくつもり。
過去になにがあって、なぜ天領盃酒造を引き継いだのか、ぜひゆっくりと読んでいってほしい。

2024年12月11日
天領盃酒造 代表取締役 加登仙一

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