2022/11/21(月)
この日は長女の後期中間考査があり、去年の秋に不登校になってから一度も定期考査を受けられていなかった長女の登校に付き添った為、遅刻して会社に向かっていた。
あと3駅で会社の最寄駅に到着するということろで、「東京ER」からの着信。(9:55)
電車を降りてから出ようとしていると切れてしまい、降りてかけ直していたらすぐにまたかかってきて出ることができた。
昨日同様、雑音がすごくMドクターの声が遠い。
ホーム上では全く話が聞こえない為、急いでコンコースへ駆け上がり一通りが少ないエスカレーター裏で立ち止まった。
どうやら、今朝未明から腹膜炎の所見があり容体が悪い為、背骨のオペは延期しますとのこと。
CTを撮っても内臓の損傷箇所は見つからないようだが、腹水がひどく血圧が下がっており、敗血症の状態まで進んでいるとみて間違いないそうだ。
10メートルも転落して内臓が無事であることが奇跡的だと思っていたが、やはり内側もダメージを受けていたようだ。
敗血症ということは、命にかかわる状態であることくらい素人でもわかる。
多発外傷で、自宅に戻れるのは来年春頃だろうと言われるほどの大怪我を負っていても、今すぐ命に関わるような状態ではなかった。
(もちろん、開放骨折部分から感染を起こしたり、脳挫傷が悪化したり等のリスクはずっとあったのだが。)
ところが、ここにきて一気に「命に関わる」という言葉が脳内をちらつく。
CTで損傷箇所が確認できない為、まずはお腹を開けて損傷箇所を探すそうだ。
損傷箇所・状態によっては、腸を一部切除したり、ストーマ(人工肛門)になる可能性もあると説明された。
そして、翌日以降もお腹の菌を洗い流したり、他に遅発性の内臓損傷による症状が出てこないか観察が必要な為、お腹は閉じないで開けっぱなしにするかもしれないとのこと。
「開けっぱなし」と言われて、よく医療ドラマでみるオペ中の状態(皮膚を器具で挟んで引っ張って開いた状態)を想像したのだが、実際には縫わずに専用のフィルムのような物で仮留めするということだそうだ。
諸々の説明に口頭で同意し、電話を切って再び電車に乗り会社へ向かった。
会社の最寄駅につき、会社へ向かいながらテラ夫母へLINE送信。(10:13)
今回の事故で初めて「容体が悪い」という言葉を使った。
私自身も不安で心配な中、遠く離れたテラ夫母にも心配をかけてしまう内容で、胸が苦しい。
お昼休み、昨日刑事課Mさんから教えていただいた命の恩人Aさんへ電話をかけた。(12:02)
やはりお忙しい方だそうで、月曜日の12時〜13時の間であればもしかしたら電話に出られるかもしれないとのことだったのだが、耳元で発信音が鳴り響くだけだった。
命の恩人Aさんにはまた時間をおいてかけることにして、一旦昼食をとることにした。
食べ終わってすぐ、テラ夫が明日(11/22)予約していたリハビリ病院へキャンセルの電話をした。(12:18)
テラ夫は2年前から頚椎の調子が悪く手に痺れが出ていた。
今年、とうとう服薬だけではなくリハビリに通うよう言われたそうで、その初回予約が明日だった。
転落事故で入院しており行けなくなったと伝えたが、「間をあけない方がいいので早めに次回の予約を」と言われてしまった。
転落した橋の名前も伝えたので、高さも推察できるはずだが、想像力のない方だったのか、キャンセル連絡時の定型対応だったのかはわからない。
再度、これだけ骨折しており首のリハビリどころじゃなく、むしろオペが落ち着いたら全身リハビリが必要な状況であると伝えた。
そして、「リハビリ入院をやっているのであれば、もしかしたらそちらでお世話になるかもしれません。」と付け加えたところ、「その際は一旦外来で診察を受けていただいて、入院が必要かどうかはドクターが判断しますので。」とのこと。
そういうレベルの話ではないのだが、やはり伝わらない方のようだ。
リハビリ予約に関してはテラ夫が所持していた予約カードで判明したのだが、診察券の方には予約を書き込む欄等なく診察予約状況が不明だった。
診察の予約有無もこのリハビリテーション科の電話で確認してもらえるのか尋ねると、お待ちくださいと保留にされ、そのまま整形外科の受付に転送されたようだ。
「予約のキャンセル承りました。次回の予約はいつになさいますか?」と言われ、さすがにイライラしてしまい「先ほどの方にお伝えした通り、橋から10メートル転落して今本人の意識がありませんので。生きて退院できたらまた連絡します。」と返答して電話を切った。
深呼吸して気持ちを落ち着かせ、すぐに命の恩人Aさんへ再度電話をかけてみる。(12:23)
しかしやはり出ていただけず。
12:52にもかけてみたが同じ状況だった為、これ以上の着信は失礼にあたると思い、iMessageを送ることにした。
Aさんのおかげで一命を取り留めることができたこと、一連の行動に大変感謝していること、助けたことによってお忙しい中警察対応等のお手間をかけさせてしまっていることへの謝罪、そして何度も連絡してしまったことへの謝罪を綴り、13:06に送信した。
13:33に返信があり、最後の言葉が「ご連絡いただき、誠にありがとうございました。」と過去形で〆られてしたことから、これ以上の連絡は迷惑になると判断し、返信の返信は送らないことにした。
テラ夫が退院したら、改めて本人から御礼の連絡をさせようと思う。
14:28、再びiPhoneのディスプレイに「東京ER」の文字。
やはりMドクターだった。
急いで更衣室へかけこみ、イヤホンへ切り替えて話を聞く。
お腹を開いて損傷箇所を探した結果、小腸(十二指腸を抜けてすぐの位置)に2箇所穴が空いていたそうだ。
切除せず修復処置できたそうで、やはり予定通りお腹を開けたままにしているとのこと。
今後の予定としては、
・お腹の状態がよくなるまで洗浄を続ける
・今回修復したところを栄養が通過することを避ける為、お腹を閉じる際には損傷箇所より先(大腸側)に腸ろうを作る
・明日の洗浄後は2〜3日後にまた洗浄
・お腹を開けっぱなしにし過ぎるとくっつかなくなってしまう為、1〜2週間以内に決着をつけたい
ということだそうだ。
延期となった背骨のオペについては、想像通りお腹を開いたままでは難しいので、一旦腹膜炎が治るまではできないとのこと。
お腹を閉じて、ちゃんと傷がくっついてから背骨のオペとなるそうだ。
(うつぶせでのオペとなる為、傷がくっついていない状態では難しいようだ。)
また本人の意識が戻る日が先に延びてしまった。
「腹膜炎はお腹がかなり痛い」らしいので、しっかり麻酔が効いてテラ夫自身が痛い思いをいてなければいいなと思った。
(冷静に考えれば、お腹を閉じていないので、しっかり麻酔が効いていなければ大惨事である。)
14:51、Mドクターから説明いただいた内容を、テラ夫母へLINEした。
昨晩用意した限度額認定証の申請用紙を今朝ポスト投函することを忘れていた為、帰りに会社の最寄りのポストへ投函して帰った。
都内から都内への郵送の為、朝出しても夕方出しても到着には大差ないはずだ。