日常に潜む迷宮。全てはここから始まった。
「この野望を叶えるべく、仕掛けのサインデザインについて連載していきたいと思います。」なんて豪語してしまった先日。多少の後悔を胸に抱きながら、今日は『どうして、そんなことを考えようと思ったのか』お話ししていきます。1分間だけお付き合いください。
例えばのお話です。
車に乗ってビューンとすぐさま目的地の前哨戦である駐車場に到着。混むことはなくスムーズに車を駐車できたものの入口が見当たらない。右往左往。あっちでもない、こっちでもないと行ったり来たり。ついに見つけた入口は、なんか従業員用入口みたいだった。そう言う経験ありませんか?
次に、とある大型施設で記憶を頼りに目的地を目指したらあれよあれよと言う間に最長ルートで到着。ふと目的地から左を見ると不思議と出発地点がすぐそこに見える。こんな魔法みたいな経験、皆さんはありませんか?
最後に、目的を終えて駐車場に戻ると、そこはAだのBだのCだの1だの2だの3だの数学Aの教科書の如き数字の羅列に惑わされる無限迷宮だというのに気が付く。車を見つけるのに15分要することはもはや不可避だった。
そんな経験はありませんか?
信じられないかもしれませんが、上記3つの体験は私が1日(3時間ばかり)で実際に体験した出来事。いやーこんなことあり得るんですね。
ちなみに同行者が2人ほどいましたが、もれなく全員破壊的な方向音痴。しかも、音痴の種類がそれぞれ微妙に違うという地獄。全く頼りにならない。
ええ、それはそれは素敵な体験でしたよ(皮肉です)。
帰りの車の中では、お互いに「方向音痴ですか?」なんて見るに堪えない会話劇が繰り広げられ、挙げ句の果てには(人間とは不思議なもので)「なぜそうなったのか」を苦し紛れに考え自分の墓穴を掘り始める。
きっと、迷子の女神は仕事を終え、家でシャンパンでも飲んでいるのだろう。完敗である。
なぜ迷ったのか?よく考えてみると、『そうなる状況』と『そうならない状況』があったことに私は気がつく(天才か)。いつもは迷うトイレも今回は難なく見つけることが出来たとか。要するに『なぜ迷うのか』には理由が存在するみたいです。
「ではそれを解明してみようじゃないか!それは方向感覚を持たざる者たちの責務であるのだ!」それがこの連載のはじまりです。
身の上話はこの辺に。次回から実際にサインにまつわる謎を解き明かしていきたいと思います。(自主的に謎を増やしている気がしなくもないですが)
追録 おやつは世界を救う。
It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供は『チョコバッキー』。しまうまバー派と相容れない関係を保っているようだから小声で言うけど、どっちも好き。