報われないサインデザインたち。
『サインデザインの絶対要件』とはいったい何でしょうか。洗練されている、背景に馴染んでいる、長く愛されている。きっと1番大切なのは『目的に応じて機能していること』だと思っています。
『目的に応じて機能していること』とは単純に『表示されていること』ではありません。ユーザーが図らずも目的地に辿り着けるよう『そうさせる』『仕向ける』ということです。
ですが世の中には奇しくも『印象にすら残らないサインデザイン』『機能していないサインデザイン』が蔓延していて、今日も誰かを困らせています。
(かくゆう私も…)
このB1という駐車場でよく見るサインデザイン。さて、これは一体誰のために何のためにあるものでしょうか。もちろん、ドライバーさんが車を停めた場所を覚えるためにあるもの。
ですがこのアルファベットと数字の羅列、私のようなユーザーの記憶にはまったく残らない。「あれ車どこに停めたっけ?」なんて日常茶飯事。これが印象にすら残らないサインデザインなんです。(厳密には特定の条件が絡むのですが、それはまた次の機会に)
世の中にはこんなふうに報われないサインデザインでいっぱいいっぱい。己に与えられた役目すら果たせないグラフィック要素に成り下がっているものが多いと感じます。
上の写真を見てください。この駐車場では、アルファベットや数字ではない何かが目印になっていますね。そう動物です。
「駐車場に動物?」そんな違和感が、わたしたちに車を停めた場所を覚えやすくしてくれています。
これが私の考える『ユーザーに対して機能している』と言うこと。要するに、思わずそうさせる『仕掛けのサインデザイン』なんです。
この『仕掛けのサインデザイン』があれば「ちょっとしたイノベーションをデザイン業界に起こせるのでは」と言う淡い期待を抱いてしまったこのわたし。半人前にも満たない、ただのヒヨッコの小さな野望。
この野望を叶えるべく、『仕掛けのサインデザイン』について連載していきたいと思います。基本は真面目に考えるんだけど、たまにはお出掛けがてらちょっとリサーチ、カフェに寄って休憩なんてしつつ、最後にはもちろん実地検証も。
果たして私の小さな野望は叶うのか。
追録 おやつは世界を救う。
It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供は、SUNAO。食べたいけど、食べたいけど、体重が…なんてちょっと血迷った時に食べるお菓子。開け口が見当たらなくて、変なとこから開けちゃった。
第1Qを読んで頂いてありがとうございました、第2Qはこちらから。