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人生の夢がひとつ叶いました

こんにちは。
作曲家の天休です。

今日は完全に僕個人のお話です。

なんと……

人生の夢がひとつ叶いました!!!!!

ひゃっほううううううう!!!!!!

やったあああああああああ!!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!



……はい、スミマセン。


しかし、人生の夢が叶う……こんなに嬉しいことはありません。

その人生の夢。

僕がずっと抱き続けていた夢。

それは何かというと……


僕が作曲家を目指すきっかけとなった伝説的ノベルゲーム「AIR」を制作したゲームブランドKEY様とお仕事させていただきました!!!!!!

KEYの最新作「LOOPERS」に音楽として参加しています!!!!!!

しかもこの「LOOPERS」、僕が青春時代にドはまりした「ひぐらしのなく頃に」の原作者である竜騎士07先生がシナリオを担当しているではありませんか!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!


……というわけで、今回は、なぜ僕が「LOOPERS」に参加させていただくこととなったのか、また僕のKEYに対する想いなんかをお話させていただければと思います。

1.僕にとってのKEYという存在

僕とKEYの最初の出会いは、京アニ版のアニメ「AIR」でした。

当時僕はまだ中学生とかで、深夜アニメも今ほど市民権が無かった時代です。

アニメはオタクが観るものという風潮も根強かったし、僕自身そこまでアニメを見ていませんでした。

そんな僕の楽しみは、家に帰ってからニコニコ動画を見ることでした。

当時ニコニコ動画は黎明期で、動画にコメントが打てるという画期的なシステムによって大流行し始めていました。

ちなみに会員番号が若くないと19時までしか試聴できなかった時代です笑

そんなニコニコ動画で話題になっていたのが「AIR」です。

ニコニコ動画初期の傑作「ニコニコ組曲」の中でも「AIR」の主題歌「鳥の詩」が入っていますね。

そんなに話題作なんだ、と思い、何の気なしに当時やっていたアニメを見始めました。

そうしたら、その世界観にまんまとドはまりました。

まさにオタクが思い描く「あの夏」感……。

行ったことがないけど、どこか懐かしい田舎町。

アニメで、こんなに感動できるものなのかと思いました。

そして音楽が圧倒的に良いんですよ!!

オープニング曲の「鳥の詩」、エンディング曲の「Farewell song」、挿入歌の「青空」も全部最高!!

でも僕の心を一番動かしたのは「夏影」という曲です。

「夏影」との出会いは衝撃的でした。

はじめて「夏影」がテレビから流れたとき、心臓を貫かれたような気持になりました。

切なさと、懐かしさと、夏の匂いが混ざったような曲……。

それはもう狂ったように聴きまくりました。

耳コピして、楽譜におこして、ピアノを練習したりしていました。

そして思ったのです。

僕は、こんな感動が作れる人間になりたい、と。

それからはずっとKEYを、そして作曲者の麻枝准さんを追いかけ続けました

高校2年生のときなんかは、修学旅行先の旅館のテレビでCLANNADの最新話を見ていたほどです笑

そしていつしか、僕は、作曲家を目指すようになったのです。

2.遠い作曲家への道

しかし、KEYと仕事をするどころか、作曲家になるのすら、かなり遠い道のりでした。

高校を卒業したあと、僕は早稲田大学に入学しました。

作曲家を目指していたのに音大を受けなかったのはピアノが致命的に下手だったのと、恩師の先生に「お前は勉強ができるから、勉強で入れるところに行け。作曲家はその後でもなれるから」と言われたのが主な理由です。

今考えてみれば、恩師の先生は僕の作曲能力のなさを見抜き、路頭に迷わせないためにそう言ってくださったのかもしれません。

早稲田に入って僕は早稲田大学交響楽団に入団し、クラシック音楽を学びなおしました。

音楽も勉強し続け、クラシックを演奏し、家ではDTMやりながらアニメを見る日々……。

そして、そんなこんなで大学3年生になって就活が始まります。

進路を選ぶとき、僕は真っ先にサウンドクリエイターを目指しました。

まずは音楽制作者として雇ってくれるところを片っ端から受けました。

当時は(今も?)音楽を作る仕事のできる会社員といったらゲーム会社でした。

任天堂、セガ、日本ファルコム、プラチナゲームズ、カプコン、などなど……。

この時、ビジュアルアーツを受けなかったのは、単純に募集していなかったのと、麻枝准さんや折戸伸治さんなど素晴らしい作曲家が在籍していて、なんとなく「僕には無理だな」という諦めの心があったのかもしれません。

そして、結果は全滅

一応他の音楽系ではない会社も受けましたが、とある会社の最終面接で「きみ、ホントは音楽やりたいんじゃないの?」と言われ「はい! そうです!」といって内定を蹴ったこともありました笑

そしてそのまま大学を卒業し、高い学費を払ったにもかかわらずフリーターになってしまったのです。

3.劇伴作曲家へ

その後、日音さんの作曲家公募にもあと一歩のところで落選したり、デモをプロミュージシャンの方に聴いていただいてはボロクソに言われて、涙で枕を濡らす日々が続きました。

しかし、Twitterでの公募をきっかけに、いきなり、とある劇伴作曲家さんのアシスタントになりました。

こればかりは本当に運が良かったとしか言えません。

実際の現場で働きながら、劇伴のイロハや、作曲技術などを学びました。

3年間アシスタントをしたのち、その劇伴作曲家さんの所属する事務所と契約してドラマなどの劇伴をやらせていただきました。

たった3年間で、劇的な変化です。

たぶん、このまま劇伴作曲家になるのだろうと、ぼんやり思っていました。

4.キネティックノベル大賞

そして去年、たまたまキネティックノベル大賞の広告を見つけました。

キネティックノベル大賞とはKEYが所属するビジュアルアーツと小説家になろうとPIXIVとニコニコ動画で共催している新人発掘のための新人賞です。

音楽以外にもイラストやシナリオを公募していました。

僕はあのビジュアルアーツが公募していると知って、当然興味を持ちました。

そして調べてみると、過去の大賞受賞者が、KEYのゲームに関わっているではありませんか!!

このキネティックノベル大賞で結果を出すことができれば、もしかしたら、あのKEYと一緒にお仕事させていただけるかもしれない……!

こんなチャンスは滅多にありません。

劇伴作曲家を続けていたら、有名なドラマやアニメの仕事はできるかもしれない。

でもKEYとお仕事させていただくチャンスはたぶんないでしょう。

しかし、僕は事務所と契約しており、事務所以外の仕事であるキネティックノベル大賞は応募することができません。

事務所に所属して劇伴を作るのか、事務所を辞めてキネティックノベル大賞を受けるのか。

究極の二者択一です。

確かに劇伴を続ければ、みんなが知っているような大きな作品をやらせてもらえるようになるかもしれない。

でも、それは、世間体を気にして就活失敗していた自分と、ちっとも変っていません。

僕は、本当には何をやりたいんだ?

そう、僕は感動が作れる人間になりたいと思ったのです。

あの「夏影」を聴いたときから、ずっと。


僕は事務所を辞めてキネティックノベル大賞を受けることに決めました。

もちろん事務所を辞めた理由は他にもいろいろあります。

でも、事務所を辞めなければキネティックノベル大賞を受けることはできませんでした。

あとは全力でキネティックノベル大賞を勝ちにいくだけでした。

もちろんお題の曲は全部作ったし、ギターやストリングス、ピアノも外注したので、ぶっちゃけ制作費だけで10万円ぐらいかかりました。

でもここでお金にケチって中途半端なものにしたら、絶対に後悔すると思ったのです。

そして、そんな想いを汲み取ってくださったのか、なんとキネティックノベル大賞で大賞を受賞させていただくことができました。

5.そして「LOOPERS」へ

結果発表までの期間は地獄のようでした。

事務所を辞めた後、めっきりと仕事が減り、事務所を辞めたことを後悔しかけたこともありました。

しかし、大賞受賞後、間もなく、お仕事のお声をかけていただき、そんな後悔もぶっ飛びました。

遂に、あのビジュアルアーツとお仕事をさせていただける!

そう胸を躍らせていました。

別に耳コピでも、楽譜制作でも、データ整理でも何でも喜んで受けさせていただくつもりでした。

しかし、いただいたお仕事……

それがなんと……


KEY最新作「LOOPERS」への音楽参加だったのです!


あのとき。

「夏影」を聴いたあのときからずっと憧れてきたKEY。

まさかその最新作に、いきなり音楽として参加させていただけるなんて夢にも思いませんでした。

もう飛び上がるほど嬉しかったです。

おわりに

なんだか取り留めのない文章になってしまい申し訳ございません。

参加させていただいたと言っても、メインとなるような曲は書いていませんし、参加させていただいたのも数曲です。

ぶっちゃけ、僕の音楽がどれくらい「LOOPERS」の感動を手助けできているかは分かりません。

それでも、自分があのとき、「夏影」を聴いたときのような感動を、少しでも届けられたら、と思います。


長くなってしまいましたが、ビジュアルアーツKEY最新作「LOOPERS」5月28日発売予定です!!

「ひぐらしのなく頃に」を生みだした鬼才・竜騎士07先生が送る「時間を繰り返す者」にまつわるお話です。

泣き要素と、スタイリッシュな世界観が組み合わさり、新たなKEYの挑戦がお楽しみいただけると思います。

めちゃくちゃ面白くて泣けるゲームになっていると思いますので……


買ってね!!!!!!


天休ひさし




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