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僕の使っているストリングス音源を徹底比較!

こんにちは。
作曲家の天休です。

今日は「僕の使っているストリングス音源を徹底比較」というテーマでお話させていただきたいと思います。

以前YouTubeの「作曲を目指すなら持っておきたい音源4選」という動画の中でストリングス音源についても軽くご紹介させていただきました。

もしご覧になっていらっしゃらない場合は、ぜひ見てみてください!

この動画の中で、EAST WESTの「QUANTUM LEAP SYNPHONIC ORCHESTRA」をオススメしています。

が、実はストリングス音源は場合によって使い分けています

オーケストラにはこういう音源、ポップス系にはこういう音源のような感じですね。

というわけで、今回は、実際にストリングス音源を比較しながら、どの音源にはどういう特徴があるのか見ていきたいと思います!

それではいってみましょう!

1.EAST WEST QUANTUM LEAP SYNPHONIC ORCHESTRA

まぁ、まずはこいつでしょう。

僕がメインで使っていると言っても過言ではない音源です。

5段階評価するとこんな感じでしょうか……?

打ち込みやすさ ★★★★★
リアルさ    ★★★☆☆
ポップス向き  ★★★☆☆
バラード向き  ★☆☆☆☆
エピック向き  ★★★★☆
軽さ      ★★★★☆
リーズナブル度 ★★★☆☆

この音源の特徴はなんと言っても打ち込みやすさです。

「作曲を目指すなら持っておきたい音源4選」という動画の中でも言いましたが、音源選びの基準は「リアルさよりも扱いやすさ」です。

なぜなら、時間をかけてリアルに打ち込んだ音源よりも、そこそこのリアル度で曲を量産できた方が圧倒的に仕事に繋がるからです。

どんな音楽を作るかにもよりますが、音楽の知識のない一般の人に聞いてもらう前提で音楽を作るとき、多くの方はストリングスのリアル度なんて気にしません。

あまりにチープなものだと考えものですが、そこそこイイ感じに鳴ってくれればいいのです。

それよりも大事なことは、曲を量産することです。

一発必中の超高クオリティのものを1か月かけて作るより、そこそこのクオリティのものを1か月で30曲作った方が、自分の実力も伸びますし、より多くの人に聴いてもらえる可能性が高いです。

特に初心者~中級者は曲を量産すること以外、成長の道はないと思います。

ちょっと話がズレてしましましたが、そんなわけで、QLSOは扱いやすくてそこそこイイ感じに鳴ってくれるのが最大の特徴です。

また、QLSOはピアノと同じように演奏することができるので、スケッチを描くのにも重宝します。

スケッチとは、その曲の全体像を、ストリングス(もしくはピアノ)だけで打ち込んだものです。

そのスケッチをもとにアレンジをしていくことになります。

逆にこのスケッチの状態で良い曲になっていなければ、どんなにアレンジをしても良い曲になりません。

というわけで、スケッチを描きやすい、ベタ打ちでもそこそこイイ感じに鳴ってくれるという点で、QLSOはめちゃくちゃオススメの音源です!

逆に、リアルさが求められる場合には弱いです。

例えば、オーケストラバラードのようにストリングスの表現力が求められるような曲です。

こういう曲の場合は、多少打ち込みづらくとも、後ほど紹介させていただくCSSやSpitfireのストリングスを使った方が良いと思います!

2.Spitfire Chamber Strings

これは僕がQLSOの次によく使う音源です。

5段階評価だとこんな感じです↓

打ち込みやすさ ★★★☆☆
リアルさ    ★★★★☆
ポップス向き  ★★★★☆
バラード向き  ★★★★☆
エピック向き  ★★★☆☆
軽さ      ★☆☆☆☆
リーズナブル度 ☆☆☆☆☆

Chamber Stringsは打ち込みやすさはQLSOにやや劣りますが、リアルさはかなりあります

ロンドンの「AIR STUDIO」という有名なレコーディングスタジオで収録されているため、音響感は唯一無二です。

この響きの感じが好きであれば買って間違いないと思います。

ちなみに僕はこの響きが大好きすぎてChamber Stringsを購入しました!

そこそこ打ち込みやすくて、かなりいい響きという、攻守兼用(?)な音源です。

僕はあんまり詳しくはないのですが、歌モノ系の曲のストリングスはだいたいこの音源だそうです。

歌モノ系の作家を目指している方は購入を検討してみても良いかも知れません。

ただし、値段がめっっっっっっちゃ高いです!!

ストリングスしか入ってないのに、8万円……。

ちなみに、僕が買ったときはChamber Stringsの前身の「BML Sable」というバージョンのときだったのでもっと高かったです……。

ただ、Spitfireはサポートが手厚いことで有名ですので、一回買ってしまえば長く使えるというのが良いポイントかもしれません。

僕もSable持っていたので、Chamber Stringsに無料でアップグレードできました。

あと、かなりセールをやっている印象があるので、黒金などのセール時を狙うのがオススメです!

あとメモリをメチャクチャ食うので、ハイスペックなPCをお持ちでないとまともに演奏できないかもしれません……。

1stViolinだけでもマイクポジション全部読み込むと2Gぐらい持ってかれます……。

3.Cinematic Studio Strings

これは2016年ぐらいに出てきた割と新し目の音源です。

5段階評価だとこんな感じです↓

打ち込みやすさ ☆☆☆☆☆
リアルさ    ★★★★★
ポップス向き  ★☆☆☆☆
バラード向き  ★★★★★
エピック向き  ★★☆☆☆
軽さ      ★★☆☆☆
リーズナブル度 ★★☆☆☆

なんと言っても圧倒的にリアルです!

レガートのかかり具合を打ち込みで調整することができるので、かなり生演奏に近いです。

僕が師事していた作曲家の先生も「もうこれでいいんじゃね?」と言っていたレベルです。

なので、オーケストラバラードなんかを作る際はかなり生演奏に近いサウンドを作ることができます。

ただし、圧倒的に使いづらいです!!!

このレガートを調整するために、わざとMIDIのタイミングをずらしたりしなければならず、メチャクチャ面倒くさいです笑

パッと弾いただけだとタイミングがずれまくってめちゃくちゃになります。

なので、かなりガチで打ち込みたい人向けですかね。

一応打ち込みやすくするプラグインも無料で公開されてます↓

いや、これ使っても打ち込みづらい!!笑

なので、かなり玄人向けの音源なのかなと思います。

時間がたっぷりあって、打ち込みが苦じゃなく、超リアルなサウンドを求める方にオススメです。

4.で、どれを買えばいいの?

で、どれを買えばいいかというと、人によります

僕は作る曲によって使い分けています。

歌モノを作るときはQLSOとChamber Stringsを混ぜて使っています

キネティックノベル大賞で制作した「The Best Stage!」という曲はQLSOとChamber Stringsを混ぜています。

Chamber Stringsは音の響きがめちゃくちゃ良いのですが、QLSOほど音の芯がありません。

歌モノのストリングスは前に出る音にしたいので、QLSOとChamber Stringsを混ぜて使いました。

オーケストラバラードを作るときはChamber StringsとCSSを混ぜて使っています

同じくキネティックノベル大賞の「亡き主人のためのパヴァーヌ」という曲では、Chanber StringsとCSSと生演奏のストリングスを混ぜて使いました。

普通のオーケストラ作品の場合はQLSO単体だったり、Spitfire混ぜたり様々です。

キネティックノベル大賞のときに作った「まだ、誰も知らない世界へ!」という曲は、QLSOのみです。

大編成にになればなるほど、音の繊細さよりも、音の立ちの方が重要になってきます。

なので、アタックがはっきり出やすいQLSOを使うことが多いと思います。

というわけで、歌モノ系を目指す方で予算がない方は「QLSO」、予算がある方は「Chamber Strings」が良いかも知れません。

オケ系を目指す方でエピック系や大編成の曲を作る場合は「QLSO」か「Chamber Strings」、バラードを作る場合は「Chamber Strings」か「CSS」と感じですかね。

おわりに

いかがだったでしょうか?

今日は「僕の使っているストリングス音源を徹底比較」というテーマでお話させていただきました。

いや「Berlin Strings」とか「Vienna Chamber Strings」とかは?と思った方もいらっしゃるかもしれません……。

スミマセン、持ってないです……!!💦

なぜ持っていないかというと、「Berlin Strings」はOrchestral Toolsが「Berlin Woodwinds」の後に発売した音源なんですね。

で、発売された当時、超名作「Berlin Woodwinds」で築いた名声を地の底に落としたというレビューがたくさんあったんですよ笑

どうやらかなり使いづらいらしく……。

まぁ、もう何年も前の話なので今はどうなっているか分かりませんが。

そして「Vienna Chamber Strings」はシンプルに音があんまり好きじゃないんです……!(愛用されている方スミマセン💦)

なんか音が硬いというか、シンセっぽさが強いかなと思っています。

ただ、プロの現場では普通に使われているので、音が好みであれば良いかもしれません。

まぁ、ただ2つとも持っているわけではないので、もしオススメなのであればコメントでお教えいただけると嬉しいです!

あとPerformence Samplesの「Con Moto」も持っているのですが、イマイチ使いどころが分からずハードディスクの肥やしになっているのでご紹介はしませんでした!

もっとこういう音源あるよとか、この音源もっと深くレビューしてほしいなどあればコメント欄でお教えいただけると幸いです!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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YouTubeチャンネルもやっているので、よかったら遊びに来てください↓

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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