劇伴音楽の作り方実践編⑤サスFAST編【動画解説あり】
こんにちは!
作曲家の天休です。
大変お待たせし、申し訳ありません!!
劇伴音楽の作り方実践編第5回目は、サスの王様「サスFAST編」です!!
まだ「劇伴音楽の作り方」を呼んでいない方は、先にそちらをお読みください!
1.おすすめの「サスFAST」
さて、毎度好例、オススメの「サスFAST」を一緒に聴きながら、「サスFAST」が一体どういうジャンルなのか見ていきましょう!
まずは、こういうのを書かせたら天下一品・ブライアンタイラーの「Aliens Vs. Predator: Requiem」より「Decimation Proclamation」。
サスFASTはその名の通り、最もテンポの速いサスです。
それと同時に最も重いサスでもあります。
人が死んだり、モンスターが出てきたり……。
bpmは144~180くらい。
今までのサスペンスに比べて圧倒的にテンポが速く、リズムやディストーションノイズが入っていることが多いです。
一番の好例は、こういったパニック映画のアクションシーンです。
様々な作家が、オーケストラやシンセサイザーを駆使してどのように緊張感を作っているのか大変参考になります。
つづいて、巨匠・ハンスジマー先生の「Angels & Demons」より「160 Bpm」。
天使と悪魔を彷彿とさせる神々しいコーラス。
しかし7/8という変拍子で素晴らしい緊張感を生みだしています。
シンセサイザーやリズム楽器の使い方も参考になります。
シンセサイザーがカッコいい曲だとこちら。
新進気鋭のNima Fakhraraの「The Signal」より17曲目「Jonah」。
連打されるシンセ音や、ピッチベンドで緊張感を生みだしています。
透明感のあるシンセは宇宙っぽさもあり、神秘的でありながら、未知なるものへの恐怖を煽ってきます。
こういうスタイリッシュなサスFASTも書けるようになっておきたいものです。
一番えげつないものだとベンジャミン・ウォルフィッシュの「It」より21曲目「Time To Float」。
殺人ピエロの話なので、ところどころに子供の合唱やカズーのような音が入っているのが逆に気持ち悪いです。
シンセを使ったメリハリの付け方も恐ろしく巧みです。
これぐらいの曲が書けたら、これだけで食っていけますね……。
日本の劇伴の例も見てみましょう。
服部隆之さん「陸王」より「絶体絶命」。
海外のサウンドトラックのような派手さが無いことに注意しましょう。
日本のドラマではそこまで猟奇的だったり、重たいシーンが多いわけだはないので、ジャンルによってはこれくらいのサス感で十分です。
ヒューマンドラマ系でも「サスFAST」系の楽曲はあります。
高見優さん/長岡成貢さんの「JIN-仁-」より19曲目「異邦人」。
恋愛もの、ヒューマンドラマなどのサスFASTは難しいです。
攻めすぎると使いづらくなってしまうし、サス感が無いとメリハリがつきません。
どういうシーンで流れるのか、台本をしっかり読み込むことで軸がぶれないような音楽を作りましょう。
2.制作例
さてここからは僕が実際に制作した「サスFAST」を解説しながら、具体的にどのように作っていくのか、どのような音源が必要なのか、動画で解説していきます。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?