菫染の契り
たまゆらに舞う ささめごと
淡くこころ染めては
いたずらに編む 憂いごと
肩を寄せて
静かに育んだ 曇りなきふたりの雫
淑やかに選んだ 道を照らしだす光
契りを馳せた愛の唄
響き渡れば菫模様
あなたと歩む未来へと咲いて
きらめく天月影
いくとせ褪せぬ愛を抱いて
(作詞:エタ様)
<作曲の経緯>
この曲は第五回歌詞統一祭参加にむけて作曲しました。10%manとしては「春月夜のアンダンテ」に続いて発表した二つ目のオリジナル曲です。この歌詞統一祭はXで参加を表明されるFFさんが沢山いて知ったのですが、当初は制作のスピードも遅かったため参加を見送ろうと思っていました。しかしどんな詞が提供されているのか興味があり、歌詞だけでも見てみることにした所、この「菫染の契り」がとても気に入り、この機会を逃してはこの詞に曲をつけることができない!と思い立って作曲を始めました。
<詞について>
この美しく、どこか和の美徳のようなものを感じさせる素晴らしい詞はエタ様が書かれ、第五回歌詞統一祭参加者に提供されたものです。ちなみに歌詞統一祭には全部で4つの歌詞が提供されており、エタ様が2曲、catacleco様が2曲提供されています。全提供詞に曲を付けていらっしゃる方もいるほどどれも素晴らしい詞でした。
第五回歌詞統一祭は「花宝石」がテーマとなっており、この「菫染の契り」はアイオライトをモチーフに書かれた詞です。アイオライトは「誠実・貞操・徳望」を象徴する石で、一途な愛や結婚などを意味することもあるようです。詞からもそのインスピレーションを強く感じましたのでこのイメージを損なわないように曲をつけたいと思いました。
<作曲について>
まずこの詞を読んだときに結婚のイメージが強く頭の中に浮かびました。これは時期的に丁度友人の結婚式が6月に控えていたのでその影響もあったと思います。また詞から連想されるのは派手な結婚式ではなく、静かに愛を誓いあうような結婚式です。ここから雨の日のJune brideをイメージし作曲にあたりました。
この曲はツインボーカルでしあげたいと思いました。なので歌のパートは二つに分かれています。またアコースティックな楽器を中心に、エレピで色付けするという方法をとっています。ウッドベース、エレピ、アコギ、コンガ、ドラムセットというちょっと変わった編成ですね。当時の私としてはかなり意欲的なオーケストレーションだったと思います。雨の音も演出として加えています。
<ボーカルについて>
この曲で初めてセイカさんの有料版を使ったと記憶しています。これには理由があり、もともと仮歌はセイカさんのみで作っていました。そしてBパートを重音テトさんに後で差し替えたのです。しかしここで思わぬ誤算が…テトさんのパワーが強すぎてセイカさんが負けてしまっていました…初めてSynsesizerVは人によって全然歌い方が違うことを知りました(笑)ここでとりあえず一旦セイカさんのライト版は卒業しようと思い、有料版を導入しました。そしてこれまたライト版と有料版も全然違い…いろいろ戸惑ったことを覚えています(笑)
結果として投稿祭の日程的にニコニコ動画にはセイカさん一人で歌ったverを、Youtubeには後ほど調整して重音テトさんとデュエットさせたverを載せることになりました。私の曲の中では唯一のツインボーカル曲ですが、結構気に入っていてフルコーラスを作ってみたかったなぁと思っているほどです。(もともとの詞がワンコーラスしかないんですけどね)
<第五回歌詞統一祭について>
この投稿祭、私は初参加でしたが、実に5回目となる人気イベントのようです。多くの方が参加しており、提供された詞に曲を付けておられました。同じ詞でもこれだけ作品に違いがでるものかと感心したのを覚えています。是非覗いてみていただければと思います。