お盆に見た夢
昼寝をした。
午後四時ごろ。
仕事が休みの日。
休みの醍醐味「昼寝」。
最高だ。
クーラーの効いた部屋でベットに横たわり、スマホでyoutubeを眺めながらゆっくりと眠りに落ちる最高の時間。
そして夢を見た。
「夢」とは時間とともにすごいスピードでその詳細を忘れてしまう。
だからその数時間後の今、すでにおぼろげである。
夢の中の私は、車に乗って空を飛び、街のビル群をグネグネとすり抜け、やがて海に出た。上手く運転が出来ず、海上を飛行したのち、
なんとか陸にたどり着き、海上保安庁のお役所的な人に助けられ、
私の身勝手な行動にお叱りを受けた。
場面は自分の家に転換し、部屋でくつろぐ私。
そして、そうだ、と思い出したように言う。
「アイ、散歩行こう」
薄暗い部屋の中から何の反応もなく不安になる。
もう一度名前を呼ぶ。
「アイ」
「アイ、散歩行こ」
日没を迎えた部屋は薄暗いが様子は伺える明るさはある。
声を聞いたアイが寝床から起き上がるのが見えてホッとする。
アイが尻尾を振りながらこちらへ来る。
私はアイの身体をワシワシとさすりながら言う。
ごめんね、アイ。
アイは私がさするのを嬉しそうに尻尾を振りながら「うっ」っと
普段めったに出さない声を出しながら身体を預けてくれて喜びが伝わってくる。
アイ、ごめんね。
散歩行こうね。
私は何故かアイに謝っていた。
そこでパチッと目が覚めた。
クーラーの効いた部屋のベッドの上。
枕元のスマホを確認すると30分ほど眠っていた。
現実を理解した。
涙が出てくる。
拭っても、また涙が出た。
また涙をぬぐった。
思い出したくても思い出せなかったリアルなアイの手触り。
ふわふわでやわらかな毛を撫でた感触。
あまりにリアルだった。
「アイに会いたいなぁ」
と思わず呟くと、涙が止まらなくなり、
拭いながら、ベッドから降りて、トイレに行った。
私には「アイ」という愛犬が居ました。
あなたが亡くなってもう10年なんて信じられない。
大好きよアイ。
優しい優しいアイさん、
どうかあなたが、生まれ変わって、
幸せに暮らせて居ます様に。
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