水温集
Twitterでお見かけした、古本屋の 弐拾dB (にじゅうでしべる)さんが出版されている 『水温集』 という素敵なもの。
本というか、作品というか、アートというか。とにかく素敵な装丁で、とても丁寧につくられていました。
通し番号がついてた。
お薬の袋の中に、製本はされていない、詩の書かれた紙がつまっています。
この詩の書かれた紙は、水に浮かべるとインクは残り、紙は溶けるというもの。
先日、海へ。
なかでもいちばん胸を刺す詩をつれて。
そして海へ。
ゆっくり見届けたくて、大潮でひいた潮だまりのなかへ。
ゆっくりゆっくり沈んで、ゆっくりゆっくりとけていく。
波しぶきが高くなってきたので見られたのはここまで。
溶け終わって、文字が水に浮かぶまで見ていたかったけれど。
この詩を流せたことで、ほんとうに孤独感を捨てられたような
そんな気がしました。(ここは遠浅ではなかったけどね)
なかには、何も書かれていない紙もあるのです。
大きな手放しの決心がついたら、
自分でしたためて
自分で海に浮かべよう。
自分の意志で水に流そう。
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