安心、安全
島に暮らして十年以上になります。私は島の嫁になりましたが、どうしようもないこととして、いくらどう頑張っても私は島で生まれ育った人にはなれないのです。当たり前です。よそから来たのですから。
ですが、島で生まれ育った人たちの大変さも身近に感じます。私からしてみれば『この島で生まれ育ってこられた』ことはそれだけで羨ましいことなのですが、当事者になってみると窮屈さも感じるのだろうと思います。
常に見守ってくれる人たちがまわりにいる、と言えばあったかい話のようで聞こえはいいですが、誰もがかならず通る『ほっといてほしい時期』にも遠慮することなくその目は向けられる。どこへ行くのかといちいち訊かれ、誰といただの、ああに違いないだの、噂が尾ひれをつけて広がることもある。
それが嫌で、わずらわしくて、地元を離れる人も少なくありません。また、離れたいと思いながらもそれが叶わない人もいる。
教育の充実とか、雇用の拡大とか、学生どうしのコミュニティを誕生させるとか、いかにも大人が考えそうなことではまったく当の若者世代とは噛み合わないわけで。
相談できる人がいない、というのは
孤独で、人間関係から距離をおいている人だけではなく
友達も大勢いて、仕事などの社会的活動もきちんとしている人にも起こりうる。
聞いてくれる人がいないわけじゃない、
でも実際には『いない』という不思議。
誰と誰がどう繋がっているかわからないから、話せないのですね。
誰にも知られていない私だから話せることがある、と思います。今日もそうやって、訪ねてきてくださった方がありました。
ART in YOUさんで安全&安心な空間をお借りできていることはほんとうにありがたいことです。この場がなければ私はリーダーとしての活動には至らなかっただろうし、なにより話されたがっている話が空間に出ないままになってしまう。
これからもこっそりと安心安全な場所、ART in YOUさんで、
話されたがっている話を聞くために
お待ちしています。
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