紙(DTP)デザインとWebデザインの違いをまとめてみた
エディトリアルデザイナー→Webデザイナーになって、どちらも数年経験して思った違いです。
1 大きさが固定or流動的
印刷物ではどのサイズで表示されるのかを正確に指定することができます。webでは様々なサイズのディスプレイで見られるし、解像度も違うし、フォントサイズも違います。また紙面は面積が限られますが、Webの場合、1ページの量も多くも少なくもできます。
2 単位が違う
紙はミリ、ポイントや級・波。webの場合はpxや%、em、remなどです。
3 見るものor使うもの
印刷物はほとんど見る・読むものですが、Webはボタンを押したり、入力させたり、動かせたり、アップロードさせたり・・プロダクトのように「使う」ものです。
4 変化のスピード
スマホ対応、レスポンシブwebデザイン、Retina対応、フラットデザイン、Webフォント、プロトタイピング、アトミックデザイン・・・新しいものが次から次へと変化スピードがすごく早いです。DTPも変化していきますが、スピードがかなり違うと感じました。
5 色の違い
CMYKとRGBの違い。それから、たとえ自分がいいモニタでデザインしたとしても、ユーザーは同じモニタで見ているわけではないのです。自分のモニタとお客さんのノートPCのモニタで表示する色の違いに驚いたことがあります。印刷物でも色の出方が思ったように出なかったりしますが、少なくとも全員が同じものを見ることができます。
6 文字の違い
エディトリアル出身の私は、両端揃えが基本!でした。Webではほとんどやりません。あとは文字の扱いを画像にするのか、デバイスフォントなのかwebフォントなのかという扱い方の違いがあります。文字間を詰めたりということもWebではあまりしません。
7 質感or動き
印刷物は紙を選ぶことができます。Webでは動きをつけることができます。
8 変更が容易にできる
印刷物の場合、一度作るとそこで完結します。間違ったものが印刷されてしまうと取り返しがつきません。Webの場合はすぐ修正可能。場合によっては、最低限の状態で一度公開して、五月雨でコンテンツを追加していくことも・・・
9 見始める順序の違い
ページ物には1ページから見ていく流れがありますが、Webページは検索してヒットしたページが1ページ目となるので、どこが最初のページとなるか分かりません。どこが最初となってもいいように設計しておきます。見る対象もまちまちで、例えば企業サイトなら、株主、取引先、お客様、就職希望者と様々な人が見るため、それぞれが見たい情報にたどり着きやすいよう設計する必要があります。
10 必要な知識の違い
デザインの基礎とソフトの使い方はある程度一緒かもしれませんが、印刷物には印刷の知識が必要で、WebではWebマーケティング周りの知識と、コードに関する知識が必要です。
余談ですが、出版業界からIT業界に入った時、すぐ近くの人にもメールやメッセを送る文化に驚きました。今はどこでも普通?なのかな?