手のひら先生の高麗手指鍼療法 4 思わない方たちから評価いただきました


昨年自費出版しました「手のひら先生の高麗手指鍼療法」です。

その前年に韓国手指鍼学会学術大会が開催され、発表論文としてまとめたものを出版したものです。

原稿の締め切りを1か月と決められたので、自分としては一般の方でも分かり易く書いたつもりでした。

ただ韓国で発表はしたものの、内容としては難しかったので大きな反響はありませんでした。

日本の中で鍼灸資格を持っていたとしても、鍼灸と進化論とが関係するとは理解できないのかもしれません。

ただそれは鍼灸師の問題ではなく、日本の鍼灸が伝統的に行われてきた治療法を、ただ踏襲するだけだったせいかもしれません。

原典「黄帝内経素問霊枢十八巻」に書いてあることを、ひたすら理解することのみに専念してきたからでしょう。

明治時代に医師制度が出来て日本では、医療の主体が医師になりました。西洋医ですね。

東洋医学は内科が主体の医学です。

漢方薬は医師資格を取得したのち漢方を学んだ医師が、内科としての漢方薬処方する漢方専門医になりました。

この前の時代2000年以上にわたって日中韓で行われていた医療は、内科のほかに外科も行われていました。

神のような奇跡的な治療を行った医師が東洋医学史には載っていますが、彼らの行った手術方法から考えるとギリシャの手術方法に似ているらしいのです。

このことは「中国医学の誕生」加納喜光著 東京大学出版会 に書かれています。

彼らは現在のイランやトルコ周辺あたりから、貴人の治療に来た治療家だったと考えられるのです。

今考える以上に東西の距離は彼らには短い感覚があったのかもしれません。

ここでは東洋医学を内科専門と限定して考えていきます。

また頭に入れておかなければならないのは、脳神経の解剖学と免疫学とホルモン分泌など働きは、ほんの200年にも満たない前から研究が始まったことです。

なぜ歴史が短いのか?

それは倫理的な問題とも関係しているからです。

脳はなかなか解剖が出来ませんでした。

罪人を解剖するにしても脳は腐敗してしまっているので不可能でした。

やっと50年ほど前に脳神経が露出した患者を実験台にした、カナダのペンフィールドとラスムッセン博士たちの研究から始まったのです。

更にMRI や脳血流をモニターできる装置などが開発されたことにより、脳研究は飛躍的に進歩したと言えます。

ここまでのまとめとして、

東洋医学は内科が専門であるという事、脳研究はまだ始まったばかりであるという事です。

私が行っている鍼治療は50年ほど前に韓国で発明された高麗手指鍼です。

手のひらと言う今まで考られてもいなかった場所に、身体に流れているのと同じ気が巡っていることが発見されました。

気の流れは丸いメビウスのような輪なのですが、その中を気が流れていると考えられていました。

それが左手と右手にそれぞれあるという、二千年の鍼灸の歴史の中でも大きな発見でした。

更にこの鍼治療では時々考えられないような治療効果が起こっていました。

それが鍼が持つ独自の秘めた力だと考えられていました。

実はこれは鍼の持つ治す力と言うよりは、手のひらの中に隠れていたツボの効果だったのです。

そこのところを明らかにしたのが「手のひら先生スタイル」と言う分けです。

更になぜツボが隠れているのかと言うのは確たる理由は分かりませんが、それが人間が進化してきたという証でそうなったと言えるのです。

その隠れた中に脳神経のツボがあったと言う分けです。

そしてそのツボが内臓のツボと重なっているので、さらに理解が難しくなっていると言えるのかもしれません。

脳のツボを描いているのはフランス人ポール・ノジェ博士の耳鍼がありますが、そこでは内臓と脳のツボが重なることはありません。

中国には頭皮針がありますが伝統的な経絡上のツボになっています。

YNSA 山元式頭皮針は山元敏勝博士が発明されました。博士独自に見つけ出された脳や内臓のツボになります。

さて、現代大きな問題になっている病気は脳が関係しています。

アルツハイマー 認知症 パーキンソン病など原因となるのが脳神経です。

しかし脳の研究は西洋医学でもまだ始まったばかりです。

東洋医学にとっては二千年間謎でした。

そこに脳と言う臓器が現れてそこが病気の震源地だ、と言われてもどうしたら良いのか戸惑うばかりです。

漢方薬は体に現れた症状に対処して治す観点なので、治療に問題は起きないのかもしれません。

しかし根本治療できるか否かとなると、薬が果たして脳まで届くのか否か、脳血液関門と言う大きな関所が脳の免疫を主っているところに突き当たります。

西洋医学は今まさにそこまで研究が来たところで、門の前でぐるぐる巡っています。

やがては何らかのカギを見つけるかもしれませんが、現在はそこにと黙っているようです。

手のひら先生スタイルでは、脳神経のツボを見つけ今はどのようにして効率的に刺激調整できるかに腐心しています。

脳血液関門については知らずの中に問題解決していたのに気が付いたと言う分けです。

少々話は横道に。

昨年出版しました。「手のひら先生の高麗手指鍼療法」です。

反響はほとんどありません。

1件勘違いして購入し怒って読書感想が来ました。

ところが嬉しいことがありました。

鍼灸とは全く関係ない職業の方たちが、内容を評価してくれました。

お一人は上場企業で社長をされていた方、お一人は今まさに広告業界で活躍されている方です。

何を評価していただけたのか考えていました。

恐らく鍼灸師や東洋医学に関係していた人たちや一般の方たちではなおさらですが、鍼灸治療を行うのには「人間の進化」なんて必要か?と思うかもしれません。

お二人には逆にそこを評価していただけたのかもしれません。

鎮痛や慰安のための鍼灸なら問題ないでしょうが、医療としての東洋医学が現在も未来も生き残るためには、もっと深く研究をしていかなければなりません。

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。