手のひら先生の高麗手指鍼療法 55 本に書きました、音で治療するサウンド・アキュパンキュチャとは? 1/2
五音とは?
古典「黄帝内経素問霊枢経」には、五行の中に各臓器の音が決められています。
角(カク)・微(チ)・商(ショウ)・宮(キュウ)・羽(ウ)の五つの音です。
現代の西洋音階ではそれぞれは、ミ・ソ・レ・ド・ラになります。
代田文誌さんが一覧表にまとめた(医道の日本社刊)五行の色体表にはそのほか色や匂いなども配当されています。
紀元前256年に書かれたと言われていますので、なぜこれらの音が五臓の音だと分かったのでしょうか?
黄帝内経は玄宗皇帝の行った「焚書坑儒」によって国中の書物が焼かれましたので原本は失われています。
その後黄帝内経は何々版と呼ばれるものがいくつも現れています。
その中の1冊だったと思いますが、この音を決める計算式が書かれていたと思います。
うる覚えですが、確か地球と月の距離を何万分かして、その長さを笛の指を当てる穴の距離に置き換えて決めた、そのように書かれていたと記憶しています。
本当は別の方法で探したはずでしょうが、黄帝内経にはそのように決めたと書かれていました。
果たして内臓がその音であるかないかは別として、かく臓器に対応するツボと共鳴することは確かで、そのことは検証いたしました。
恐ろし!古代の中国人治療家たち!
それに比べて今はと言うのは止めましょうか?
なぜ臓器の音と分かったのか
陰陽五行論と鍼治療を合体させたと言われていますが、研究者ではないので良く分かりませんが、それで述べられてきたことは事実であると数々証明されてきました。
偉大な治療家たちは彼らが行ってきた治療技術を、我々凡人が理解できるように陰陽五行論を使って理論化し後世に伝える手段としたのではないだろうかと考えています。
いまさらその「なぜ」を考えるほど暇人ではありません。
それよりも内臓のツボと言われるものと、その音が共鳴するか否かが治療には重要なことと考えました。
なぜ音の治療は研究されて来なかったのか
我々のほとんどは西洋音階と日本音階しか知らないでしょう。
ネットで検索するとヨーロッパにも中国にもいろいろな音階があるようです。
これが音で治療をする研究が進んでこなかった一因でもあるのでしょう。
それと音を出す道具や楽器が少なかったことがあるかもしれません。
現在は簡単な電子楽器が手に入ります。安定した音程がいつも使えるのも好都合です。
この二千年間はそのような状況ではありませんでした。
現在では病気は臓腑だけではなく、脳神経も免疫もあらゆるものが治療の対象になるわけです。
それらを音で治療することは思い行かなかったのでしょう。
近年音楽療法として高齢者に楽器を演奏させ認知症対策を行っていますが、これは純粋な音の治療ではありません。
音と遺伝子との関係を研究されている方がいるようですが、また別の音と体のアプローチの方法として面白い研究と思いました。
これからはさらに進化する分野だと思います。
研究の切掛け
なぜ音の治療を考えたのか?
それは10年以上前に脳卒中で入院したのが最大のきっかけになりました。
ベットで許されて高麗手指鍼を3週間行いましたが、目立った効果は出ませんでした。
そこで考えていたのが音の治療でした。
いきなりアイデアが浮かんだわけではなく、開業してすぐに鍼治療の問題に気づきました。
患者さんは遠いところから来ていただいています。
飛行機や新幹線に乗ってこられるので、良くて1週間に1度の治療になります。
鍼の治療効果は2日ほどで消えると言われています。
何週間も何回も治療を続ければ持続するのですが、何とかして治療を自宅で行えないかと考えました。
退院後私の研究が進歩して様々なツボの発見、韓国にも知られていない脳神経のツボを発見し、その成果は妹のパーキンソン病治療で生かされています。
さらに本で紹介したように、高麗手指鍼療法を進化論から見直すことで新たな理論構築が出来たと思っています。
それがまた音の選別にも影響しています。
商標登録は、サウンド・アキュパンキュチャ(音の鍼治療)としましたが、症状や病状では鍼以上の効果が望めるようです。
臓器や神経と共鳴する音探し
正確に言えば臓腑と共鳴する音探しではなく、臓器と関係するツボと共鳴する音を探す作業が必要です。
鍼灸師が今の資格の中で新しいツボを探そうとすると制限があります。
20年30年前はおそらく不可能であったものが、今の私には幸いにも手に入れることが出来ます。
そこのところまでは辿りつけても、ツボと共鳴する音を見つけるとなるとなかなか簡単なことではありません。
治療で使う様々な診断方法が今の日本にはあります。
だが一見簡単で便利な方法に見えますがメリットとデメリットが存在します。
そこを修正克服することなしには、次の段階に進むことはおそらく出来ないでしょう。
西洋医学で使う診断方法は科学的に行うので、厳格な数値となって答えが出ます。
鍼診断で使用する方法は本の中にも紹介したように、中村雄二郎明治大学教授著「共通感覚論」の力が必要になります。
玉石混交 ピンからキリまでの治療家が同じように診断判定をして、結果が等しくなるかと言うのは疑問です。
これが東洋医学の持つ曖昧さと魅力と、人間の持つ身体全体を使った診断方法の醍醐味です。
この方法で何度も繰り返し検証すると、自分でもその曖昧さの壁に突き当たることがあります。
そこをいくつかの技術を使ってクロスチェックを繰り返すことで、その精度を上げようとしていますが、はて?
1匹の精子と1個の卵子が分裂したのに、何でこれほどの様々な音に共鳴する臓器が出来るのかと思います。
隣り合った脳神経でなぜその働きの差が生まれるのか、顕微鏡を覗くたびに生命の神秘を感じます。それほどでもないか?
見た目では判別が難しくても、音の面でははっきりその差は見て取れるのですが。
パソコンで作曲する難しさ
DTMという言葉ご存知でしたか?
それまで知りませんでしたが、是が非でもサウンド・アキュパンキュチャに頼らなければ、脳溢血後遺症は治らないと思いました。
業者の宣伝文句は簡単に作曲が出来るとなっていましたが、そんなことはありえません。
音楽は中学でも5はもらえなかったぐらいで、音符も読めないし得意ではありません。
何はともあれとりあえず始めてみたのですがすぐ挫折しました。
半年ほど開けたあと何としても突破せねばと思い、今は無きSONARと言うソフトを購入しました。
悪戦苦闘していたところで、親切丁寧な指導者に巡り合いどうやら基本的なものはマスターして、今日のように様々な疾患に対する曲作りが出来ています。
彼に作曲してもらいました、聞きやすい良い曲です。
その曲に隠れた形で関連するツボの音を挿入します。
不協和音の組合せなので心地良い曲でカバーしてないと、1時間聞き続けることは出来ないからです。
最初に作成したのが「不眠症対策CD」でしたが、これはさっぱり売れませんでした。
なぜならこの手のどうしようもないものが、巷にはごろごろとあるのを忘れていました。で同じ類と思われたからでしょう。
現在は少しづつ治療の範囲を広げています。
難聴は弟に試聴してもらったところすぐ効果が出ました。
耳鳴は自分で試行錯誤で作成していますが、これが思っていたより難しい作業になっています。
世界中で耳鳴り患者が苦しんでいて薬も何もないのは分かります。
もう試作品は4、50作成しました。
あと少しと言う良いところまで来るのですが、自信をもってこれで耳鳴りは消えるところまでは来ていません。
関節リウマチは次々と良い結果が報告されていて、鍼治療の良い補助をしてくれています。
あとパーキンソン病ですが、わが妹は鍼治療でかなり回復しているので、明らかな効果は報告されていませんが、小さなところでは朝起きた時の震えが止まっているなどは報告されています。
パーキンソン病については患者さんが数名いらっしゃるので、数週間後には結果報告がされるはずです。
次回は鍼の治療と音の治療の違いや、そもそもなぜ音で体が変化するのか、サウンドアキュパンキュチャはどのような疾患に有効かなどを書きましょう。
私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」
次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。
一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。
最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。感謝いたします!!
サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。